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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾 藤森元之 プロフィール
写真塾中級編 写真はむずかしいが、楽しいぞ! 第6回―いい写真の選び方―
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●カメラを買い換えて上達目標を設定
 写真を撮るうえで、カメラは単なる道具にすぎませんが、手にする道具であるからこそ、使い勝手や機能だけではなく、持つ喜びも写真を楽しむ要素としては大切にしておきたい部分です。
 上達するにつれて、使っているカメラにいくつかのはっきりした不満を覚えるようになってきたら、少し上のクラスのカメラに買い換え、新たな上達目標を設定するのもよいことだと思います。
 ただし、カメラは使ってこそ道具としての価値を発揮するもの。写真を撮ることよりもカメラを触ることに夢中になってしまわないようにしましょう。

●肉眼のように見えるファインダーが理想
 初級者向けのカメラとプロ指向のカメラの違いは、単純に数値から読み取れる部分のほかにも、防滴や防塵、それに耐久性など、さまざまな部分で差別化がなされています。
 なかでも、ファインダーの作りは、高級カメラを手にした時に、もっともその違いを感じる部分だと思います。明るく見やすいファインダーで撮影すると、ピント合わせや構図決定がスムーズになります。
 肉眼で見る状態に近い見え方がファインダーの理想ですが、そのようなファインダーづくりは技術的にはきわめてむずかしく、コストのかかるものです。しかしながら、ファインダーの作りの良いカメラを使うことは、上達の早道ともいえるほど重要な部分なのです。

 今回は、初級・中級のおさらいとEOS 40Dの使いこなしがテーマであった。40Dを手にしておどろいたことは、液晶画面の大きさと色の美しさ。撮った写真を確認するとき、そのあまりの美しさに写真がうまくなったような錯覚を覚えた。
 そのうえ、EOS KISSより大きくて重いのに、ボクにとっては手にピッタリとなじみ、遊びがない。あれこれ使ったわけではないので比較はできないが、ホールディングの不安がないので、ほかの操作に集中できたのはありがたかった。
 実際に撮影して見ても、手ブレが少なくなったし、水平も出しやすい気がする。それは、明るいレンズを装着したことと合わせてファインダーが明るくて、ピントが合わせやすくなったからだろう。
 EF-S17-55mm F2.8 ISは、解像力が高いのにやわらかな表情を示し、ボケ味もきれいで何の不満もない。装着すると40Dのボディとのバランスもいい。こんなにきれいに撮れて、腕が上がったのかなと錯覚してしまうほどだ。
 これまでおもに使っていたEF28−135mmF3.5-5.6は、EOS 40Dとの組み合わせでは(35ミリフィルム換算では)約45−210mmとなるので広角側は物足りなかったのだが、28mmからの広角側を使ってみると、ワイドレンズのむずかしさがわかる。ワイドだから広く写るが、ポイントを入れて余計なものを写さないような絵づくりは至難のワザだ。
 実践編では、表のテーマは目次どおりだが、裏のテーマを焦点深度にこっそりと決めている。その際は、マニュアルでさまざまな露出補正ができるのがとても心強い。


 実践編では、これまでの講評よりもっときびしく評価してもらいたい。それで、今回撮った写真の中からベストスリーを選んでもらって、それぞれを徹底追及し、分析的に評価をしていただく。
 評価項目は5つ。
「モチーフ」は、モチーフを捉える眼と視点を評価する。「構図」は、対象を切り取る構成力だ。「露出」と「ピント」は技術力、「表現力」は、総合的な評価となっている。
 古屋若先生が選んだのは、浅草寺の池、潮風公園、お台場の夕焼けの3点。大先生が選んでくださったのはシクラメン、潮風公園、自由の女神の3点だった。

●古屋若先生のチョイス
 ワイドレンズは難しいと書かれましたが、私のチョイスは広角系の写真ばかりになりました。どれも初めて手にしたレンズで撮られたとは思えないくらい、ちゃんと使いこなされているような写真ばかりです。
f8 1/45秒
コメント
本殿の表のにぎわいとはうって変わって静かな裏庭のたたずまい。池とか、錦鯉とか、庭園とか、石垣とか、日本情緒を感じさせるものが好きだ。もっとアンダーにしたほうがかったかと思ったが、出来上がりを見るとこれでよかったのかもしれない
講評 採点
平凡なモチーフではありますが、手前に群れ方のバランスがいい鯉を配し、奥の橋との構成がよい。両側の緑に挟まれた細長い池の感じも、縦画で捉えたことで強調されました。奥の橋も遠近感を出す要素になっています。露出も良いところでしょう。
モチーフ
構 図
露 出
ピント
表現力
f11 1/125秒
コメント
お台場の潮風公園を歩きながら撮る。扇形の要のところに人を配し、かなり絞った。広角レンズの撮り方に不安が残るが、こんな撮り方をしたかった。空の色もなかなかいい感じになった
講評 採点
これはスケール感のある作品ですね。円形の段差をうまく画面内で構成して、造形的な面白さを写すだけでなく、人物を1人入れたことで広がりのある絵作りになり、これがこの写真のポイントにもなっています。天気のせいもあって、少し寒々しい印象ですが、露出は適正で、完成度の高い作品となりました。
モチーフ
構 図
露 出
ピント
表現力
講評 採点
広角レンズの特徴を生かした秀作です。時間的か季節的か? オフの公園の淋しげな風情が、対岸の錆び色のクレーンとか、空の様子とあいまって上手く描写されています。露出はもっと絞り込んでパンフォーカスにしたいところです。
モチーフ
構 図
露 出
ピント
表現力
f5.6 1/20秒
コメント
暗くなったので撮影を止め、お茶をしていたら急にきれいな夕焼けが出現。あわててカメラを出す。撮っているうちに露出が激変していくので、操作が間に合わないくらい。街灯を入れ、画面に変化をつけた
講評 採点
オーソドックスな構図ですが、この時にカメラを持っていたということが重要です。空の色味は刻々と変わって行くので、どのタイミングでシャッターを押すかを判断することが非常に難しいのですが、絶妙なタイミングで美しい夕暮れの空の色が写し撮れました。このきれいな空の色合いでシャッターを押したのはよい判断でした。露出も空の色を出すのに、ちょうどよいところに収まっています。夕景の撮れる時間帯は極めて短く、時間との勝負です。撮りたい場所が分かっている時は、あらかじめ待ち構えるくらいの余裕をもって撮影に望みたいものです。
モチーフ
構 図
露 出
ピント
表現力
f5.6 1/60秒
コメント
小金井公園ならではの盆栽・苗木売りの風景。シクラメンの鉢植えを思い切り寄って撮る。日陰だったので、白い花びらがやわらかく重なって、思いのほか奥行き感が出せた
講評 採点
花の写真の中で白い花の表現はむずかしいものです。光の柔らかい日陰を選んだことが大成功でした。色カブリのないソフトなグラデーションが清楚なイメージを感じさせます 。構図的には、もっとアップで撮ってみましょう。
モチーフ
構 図
露 出
ピント
表現力
講評 (参考)
花は、上手に捕らえることができるようになってきましたね。この写真も、白のディテールの残る露出をうまくコントロールしています。しかし、右の花の切れ方が中途半端になっているのが気になります。細かいところですが、入れるか切るか、もう少しはっきりさせておいたほうがよい部分でしょう。
f5.6 1/125秒
コメント
お台場名物の自由の女神。空に色がほしいが、午後4時半では無理か。後から見直すと、晴れた空より雰囲気が出ている。対岸のビル群を底辺に配置し、お台場を感じさせたのが思いのほか効果的だ
講評 採点
これも広角レンズの特徴を生かした上手い絵作りです。モチーフより構図の良さが魅力で、夕焼け空になった時もう一度挑戦してみて欲しかった。白い空の影響でややピントがあまい感じですが、シルエットの女神と赤い空、対岸の遠景、完成度の高い作品に仕上がったと思います。
モチーフ
構 図
露 出
ピント
表現力
講評 (参考)
中途半端な天気と時間帯ではありましたが、構図に面白みを持たせて単調な作品になるのを防ぎました。手前の像と奥のビル群の対比がうまくまとめられています。もう少し空には何か表情が欲しいところでしたね。
●古屋洋一郎先生のプロフィール:
1967年横浜生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。日本広告写真家協会会員。建築写真、広告写真が専門分野。褐スタジオ代表。
●使用機材 :
生徒:CANON EOS 40D + EF-S17-55mm F2.8 IS USM
若先生:CANON EOS 5D + EF24-70mm F2.8L
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