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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾 藤森元之 プロフィール
写真塾中級編 写真はむずかしいが、楽しいぞ! 第6回―いい写真の選び方―
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   初級編、中級編と教えを請うて来たことで、写真を撮ることにはかなり慣れてきたように思う。
まず、そのおさらいをしてから、実践編に入っていこう。
 

 デジタルを意識せず、カメラに慣れることが主眼であった初級では、構図とピントとシャッターチャンスをおもに修業した。

  1. 自分で撮った写真が気に入らないが、なにを、どうすればいいかわからなかった。
  2. 写真の評価は、@着眼点(着想)、A構図(絵作り)、B表現力(感動を伝える技術)の3つだと教わる。3つ全部は無理なので、まずは構図に集中。撮りたいものを写真の枠の中にどう配置するかを考えることにした。
  3. 光がどこから来ているかを考えて写真を撮る。簡単そうだが、これは意外にむずかしかった。
  4. ピントを合わせるのは写真の基本中の基本。「花にピントを合わせる」のがコンパクトカメラだが、一眼レフなら、正確に「雄しべの先端に合わせる」意識で撮る。
  5. 漠然と「きれいだな」とシャッターを押すのではなく、何に惹かれたかをはっきりと意識する。
  6. スナップは、親子や家族の関係がわかるように撮るのが基本と教わったが、これはむずかしい。
  7. シャッターチャンスをねらうのも写真の醍醐味だが、撮影の準備によってもっとよくなる方法があると考えてみる。

 以上、初級編では、撮影の対象を決め、何を撮るかに絞って教えてもらった。

 

 ピントはAF(自動焦点)カメラまかせで、露出もカメラのAE(自動露出)に頼っていたのだが、カメラまかせではピントも露出も自分の狙いどおりにいかないと感じ始めたのが中級。

  1. カメラのオート機能を使いこなすようになりたい。
  2. 正確なピントと適正な露出で撮ることはむずかしいが、適正値を求められるように、基本的な技術を磨くのが必要。
  3. 観光写真にならないように、自分の感動を伝えることに集中する。
  4. 「シャッター優先は時間を支配し、絞り優先は空間を支配する」古屋先生の名言を肝に命ずるが、じつはよくわからなかった。
  5. 露出は、適正値をさがすために段階露光を使う方法もある。デジタルカメラは、撮った写真を検証して撮り直しがきくのが便利。
  6. ピントを合わせる位置によって写真が変わる。撮りたい対象を決めたら、ピント合わせの位置を絞り込んでいく。
  7. 自分が表現したいものの露出が適正であればいいのだが、それは自分で決めること。自分にとっての適正露出を、自分自身で判断できるようになる。
  8. AEもAFもカメラまかせにせずに自分で合わせてみることで、カメラの癖がわかる。

 以上、中級編では「伝えたいものはなにか」を確認し、それが表現できているかを教わった。その結果が、自分にとって「いい写真とは何か」の判断基準になることがわかった。

 

 初級編を始めた当座は一眼レフが使いこなせるか不安だったのだが、回を重ねて、写真術のアウトラインがわかってきた。すると、いい道具が欲しくなってくる。新しいカメラならもっといい写真が撮れるのではないかと欲が出てきたのだ。
   いままで使っていたEOS KISSは軽くて小さくていいカメラなのだが、ボクの手にはやや小さすぎる。軽さが手ブレの原因になっているのではないかとか、水平がややとりにくいことなどの弱点はカメラにも原因があるのではないかと思えたのだ。未熟な腕をカバーしてくれるなら、安直だが手っ取り早く高級機に頼りたい。それに、先生のカメラEOS 5Dがとてもいいカメラに思えて仕方がないのも、もうひとつの理由だ。
   実践編を始めるのを言い訳にして、EOS 40Dを使うことにする。レンズも先生の標準機と同じEF 24−70mm f2.8Lが欲しくなり、そのデジタル仕様のEFS17-55mm f2.8 ISにする。

「大先生、初級、中級は大先生、中級の途中から若先生に教わって、だいぶ撮り方がわかってきました。それで、ボクの腕前はどの程度進歩したのでしょうか?」
「……自分ではどのくらい進歩したと思っていますか?」
「ゴルフでいうと、100を切れそうなところまできた、というところでしょうか」
「そうですねえ、ハーフ50を切る力は身についた。けれど、前半・後半を通して50を切れるかというと……」
「それは、わかっています。でも、たまにはまぐれでもグッド・ショットが出せるようになった……」
「結果オーライではなく、こういう写真が撮りたくて、こうしたら撮れた、というところまで行きましょう。そうなったら90台ゴルファーです」
「なるほど、ゲームプランが立てられれば90台ですものね」
「いろいろ撮っていますが、撮影の場所、日によって、写真の出来にムラがありますね。それは、撮る対象に向かう姿勢にバラツキがあるからです。いいかえれば、自分の関心がどこにあるのか、どんな光景に惹かれるのか、それがわかってきたようですね」
「ええ、おぼろげながら」
「それが大切なことです。技術の向上とともに、これからどんな写真を主に撮っていきたいか、それを発見するのも必要ですよ」
「どんなタイプのゴルファーになりたいか、それをめざして練習しなさいってことですね」
「そのとおり。でも、あなたの場合は飛ばしにこだわらないことです」
「グリーン周りを大切にする丁寧なゴルフか……、苦手ですが……」

 ということで、今回の撮影のテーマはEOS 40Dに慣れるための自由撮影。これまでのおさらいの意味もあって、撮影地は浅草からお台場を選ぶ。自習で撮った横浜の大桟橋の大型客船、小金井公園の習作も見ていただく。講評は古屋洋一郎先生。

 

f5.6 1/180秒
コメント
横浜港大桟橋に停泊していたアムステルダム号を撮る。船体の白さと空の青にAE露出が狂い、マニュアルで調整。巨大な船舶の大きさを写そうとすると船の紹介写真になるし、部分ではつまらない写真になりそうだ。横浜港と人と船の関係を撮るのに苦心した
講評
日没後のやわらかい光線状況を選んで写したので、白い船体のディテールが飛ばずにきれいに出ています。広角レンズを使うことで、大きな客船のスケール感も表現できました。

f11 1/45秒
コメント
金木犀がみごとに咲き、見惚れる人たちを入れて撮る。花のきれいな色を写せなかったのはなぜだろうか。ピントが甘いのか、曇り空のもとではこうなってしまうのか
講評
金木犀の色相描写に不満を感じているようでしたが、お天気が悪いとどうしても演色性は低下します。しかし、ただ寄っていって金木犀を写すより、むしろこのくらいの引き気味の絵作りでよかったと思います。左手前の人物が置物のようで面白い仕上がりです。空の抜けは青空が欲しいところですが、曇り空では仕方がありませんね。

コメント
公園のお祭り騒ぎの定番は金魚すくいと、最近多く見られるのが熱帯魚釣り。色鮮やかな水槽に目を惹かれ、撮る。これももっと絞ってパンフォーカスにしたほうがよかった
講評
これまたカラフルな被写体ですが、構成としてはどうでしょうか? より部分的な切り取りでグラフィカルに表現できるとよかったかもしれません。
f6.7 1/125秒
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