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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾  
藤森元之
写真塾中級編 写真はむずかしいが、楽しいぞ! 第3回 ―どこにピントを合わせるかで写真が変わる―
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若先生のAF講義
AFを信用しない
 

   現在発売されているカメラのほとんどがオートフォーカス(AF)になっており、その精度も高くなっていますが、その精度が人間の眼を超えているかというと、100%そうとはいい切れません。合焦完了時の「ピピッ」という電子音は、あくまでカメラが判断した測距点に対してのものにすぎません。
   ピントを合わせたいと思ったところを、カメラがきちんと認識しているかどうかを確認する必要があるのです。微妙なピント合わせのときなどは、ファインダーで確認することが難しいときもありますが、デジタルカメラの場合は幸い、液晶面に拡大表示ができるので、ピントがきているかどうかをその場で調べることができます。
   小さなサイズで見ていると、きれいに撮れているように思えても、サービスサイズ以上のプリントにしてみたときに、ほんの少しのピントのずれが、作品を台無しにしてしまうこともあります。何度も撮り直しができるシーンであれば、ピントに不安を感じるときには撮り直しておくようにしたいものです。

 では、若先生の作例でコメントとともに教えてもらおう。

f2.8 1/20秒 f2.8 1/8秒
先生の作例コメント 先生の作例コメント
手前の柱を見せたかったが、カメラは奥の手すりを測距点と判断した。 再度手前の柱にピントを合わせ直して撮り直した。
フォーカスロックをマスターする
 

   オートフォーカスカメラにはフォーカスロックという機能が備わっています。シャッターボタンを半押しし続けるなどの操作で、合焦点を固定できるという仕組みです。当初のAFカメラの測距点は画面中央のみでしたが、最近では多くのカメラが複数の測距点をもっています。
   しかし、おのおのの測距点の精度でみてみると、じつは中央のセンサーがもっとも精度が高いのです。そのため、プロでも多くは多点測距機能を活用せず、中央の測距点のみに固定して、「合焦→フォーカスロック→構図決定→レリーズ」という流れで使っています。この方法は、どんなカメラであっても正確なピントを合わせるための基本的なプロセスといってもいいので、まずはこのやり方を身につけてみましょう。
   この流れの中で大切なことは、「ピント合わせ→構図決定」の順になっているところで、ピントを合わせないと構図を決められないことになります。自分が何を写したいと思っているのか、しっかり把握しておく必要があるのです。

f4 1/2000秒 f4 1/2000秒
先生の作例コメント 先生の作例コメント
ピントを合わせたいポイントを中央の測距点でフォーカスロック。 フォーカスロックしたまま構図を決定。
AFとMFを併用する
 

   複雑な条件下や接写撮影などの、AFではどうしても微妙なピント合わせができない場合は、ある程度大まかなポイントにAFで合わせておき、微調整はマニュアルで行なうという方法があります。
   AFレンズの多くは、フルタイムマニュアルフォーカス機能といって、フォーカスロックをかけた状態から手動で自由にフォーカス位置を調節できる構造になっているので、AFをメインとして使いながらも、微調整はマニュアル操作することで、すばやいピント合わせを可能とすることができます。
   ただし、マニュアルでピント合わせを行なうには、ファインダーでそのことがきちんと確認できるそれなりのカメラが必要です。あまり知られていませんが、一眼レフでも上級のカメラはファインダー部の精度が高く、視認によるマニュアルフォーカスがしやすくなっています。

f4 1/30秒 f4 1/50秒
先生の作例コメント 先生の作例コメント
手前の葉ではなく、奥の植物にフォーカスが行ってしまったもの。 そのままファインダーで確認しながら、合わせたかった手前の葉にピントをマニュアルで調整し直した。
f4 1/30秒  上の写真の拡大 f4 1/50秒  上の写真の拡大
先生の作例コメント 先生の作例コメント
拡大すると手前の葉がボケているのがよくわかる。 きちんと葉の部分にピントを合わせた状態の拡大写真。
ピンぼけと手ブレの違い
 

   撮った写真が、どうもシャキッとしないなどという場合は、ピンぼけを疑う必要がありますが、手ブレも画質を悪くするもう1つの要因です。実際に、ピンぼけしたものと手ブレを起こしたものを比較してみましょう。

f2.8 1/13秒 f2.8 1/13秒 f2.8 1/13秒
先生の作例コメント 先生の作例コメント 先生の作例コメント
きちんとピントが合っていて、なおかつ手ブレもピンぼけも無い状態。 手ブレを起こしてしまった例。印刷物の版ズレを起こしたような状態。 ピンぼけの例。全体に解像感が悪い。コントラストも低下している。このくらいのサイズで見ていると、あまりはっきりとは解らないが、拡大してみるとどうだろうか?
先生の作例コメント 先生の作例コメント 先生の作例コメント
きれいに撮れている状態の拡大。 手ブレの状態の拡大。 ピンぼけの状態の拡大。
 

 こんなにも、画質に悪影響を及ぼすことが、ご理解いただけたでしょうか?
 しかも、手ブレやピンぼけは、個々に起きる場合と、複合的に起きる場合があります。どちらにせよ、写真の仕上がりを悪くしてしまう要因に変わりはないので、シャッター速度が遅い場合や不安定なポジションから撮影する場合などは、三脚を使うなどの対策を怠らないようにしたいものです。

●使用機材 :
生徒:EOS KISS Digital X+EF28-135mm f3.5-5.6 +EF-S60mm f2.8
若先生:EOS 5D+EF24-70mmf2.8L
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