おとなのたまり場 > いつでもbon vivant > もういちどカメラ > 押しかけ写真塾
写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾  
藤森元之
写真塾中級編 写真はむずかしいが、楽しいぞ! 第3回 ―どこにピントを合わせるかで写真が変わる―
  1 2 頁
若先生のピント講義2
構図を優先するか、ピントを優先するか
   写真を撮ろうとするとき、構図を優先するかピントを優先するかの判断はとても難しいところですが、オートフォーカスカメラの場合、たいてい画面中心部にピント精度の高いセンサーを持ってきているので、まずはこの中心部の測距点でピント合わせをすることに慣れたほうがいいでしょう。もちろん、そのままシャッターを押してしまうと、出来上がる写真がすべて「日の丸写真」になってしまいます。
 そこで、オートフォーカスカメラのほとんどに搭載されている「フォーカスロック」という機能を同時に活用します。
 中央部でピントを合わせ、そのままシャッターボタンを半押しの状態のままにしておくと、合わせたピント位置がカメラを動かしても変わらずに撮れます。見せたい被写体を画面の中央以外に置きたければ、このフォーカスロックを使って、ピントを合わせた後で自由に構図を決めていくことができます。
 ちなみに、一眼レフでもプロ機のようなカメラの場合は、ファインダーの作りがしっかりしているので、入門機、中級機に比べて格段にピント位置やボケ具合の確認がしやすいものです。価格に違いはこんなところにあるのですね。そのため、あえてオートフォーカスを使わず、マニュアルでピント合わせを行なうという方法もあります。
ボケの強弱に気をつける
   レンズの選択と絞りも、ピントと密接な関係があります。
 レンズの絞りは、開放値に近いほどボケが強くなりますが、同じ開放値でも広角レンズと望遠レンズでは、ボケの強弱に差があります。広角レンズでは、ピントの合う(合ったように見える)範囲が広く、望遠レンズでは狭いのです。
 ただし近接撮影の場合は、どちらのレンズを選択してもピントの合う範囲は極端に狭くなります。レンズには、筐筒のピント位置目盛の左右に必ず絞り値に応じたピント範囲を表す目盛があるので、確認してみるといいでしょう。絞りを変えるとフォーカスエリアも変わることが分かるはずです。
 

 ピントの合っていない写真と合っている写真を並べて見比べるなんてことは、普通はない。しかし、こうして同じところにカメラを向けて同じ条件で撮影しても、構図の構成(切り取り方)のほかに、ピントによって写真の切れ味が大きく変わることがわかった。
  写真は露出だと思っていたし、世間一般の人だってそうだと思っていたに違いない。露出はもう30年も前からオートで、普通は自分で合わせることはない。それで不自由しないから。
  ピントはどうか。一眼レフのピント合わせがAF(オートフォーカス)になってから20年たつが、ピントも普通は苦労することがなかった。しかし、ちょっと待ってくれ、と最近は思う。写真をまじめに撮るようになって、ピントで写真は大きく変わることに気づかされた。
 ピントのテーマで写真を撮ってみると、ピントの合った写真が伝える情報量の多いことにおどろく。
 雑誌やポスターなどで私たちはいい写真を見慣れているが、それは私たちが撮る写真とは別物だとボンヤリと考えていた。いや、何も考えていなかったというほうが正確か。つまり、写真には2種類あって、プロが撮る力のある写真と素人が撮る甘い写真があって、その垣根は越えられないと漠然と感じていたのだろう。
 それが、ピントを正確に合わせようと努力した結果、何枚かは2種類の中間に位置する、これまで撮れなかったような精度のピントが出せたのだった。そしてその写真は、するどく力強い写真になっていた。
 ピントは重要だ!
 今回のピント講習とそれを基にした講義は、そういった意味で目からウロコが落ちる思いだった。

●使用機材 :
生徒:EOS KISS Digital X+EF28-135mm f3.5-5.6 +EF-S60mm f2.8
若先生:EOS 5D+EF24-70mmf2.8L
前のページへ戻る  
「もういちどカメラ」トップへ戻る
TOP