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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾  
藤森元之
写真塾中級編 写真はむずかしいが、楽しいぞ! 第3回 ―どこにピントを合わせるかで写真が変わる―
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野毛動物園でピントを考える
 

 若先生は、横浜をテーマにした写真展を開催したこともあるハマの専門家。そこで今回の実習は横浜に決定、桜木町駅に集合する。

「若先生、横浜はどこを撮ったらいいんでしょうか? だれがとっても異国情緒たっぷりのヨコハマ、っていう場所を教えてください!」
「また、楽をしようというズルイ考えですね。いい写真は苦労しなくちゃ撮れませんよ。わたしなんか、もう10年以上も通い詰めているんですよ」
「でも、いい場所ってあるでしょう……」
「それはもっと上達してから教えますが、きょうはまず、初歩から始めます」
「…は…い…」
「野毛動物園に行って、動物を撮ってみましょう」


f5.6 1/200秒
コメント
レッサーパンダのかわいらしさを表現しようとしたが、チョロチョロ動いて絵作りどころではない。何とか写したが前ピン。私の弱点であるピントの甘さがもろに出た。こういうときは、置きピンがいいのかもしれないが、それでは悔しいのでやらなかった
講評
レッサーパンダは動きを止めることがなかったので、なかなか手ごわい被写体でした。前ピンにはなっているものの、構図はよくまとまっています。この程度の動きでもいざ写真に収めるとなると難しいもの。できるだけ動きの少ない瞬間を狙うのも一つの方法です。

f5.6 1/200秒
コメント
ペンギンの泳ぎに合わせてフォーカス。これはピントが合っている。ペンギンのカタチもなかなかいい
 

 確認のため拡大してみた。おお、こんなに拡大しても甘くならないとはめずらしいこと!

講評
これは見事に写されましたね。涼しそうに泳ぐペンギンが良く表現できました。日射しも柔らかな場所を選んでいて、黒いペンギンの体のディテールがきれいに出ています。

1/500秒、f5.6
先生の作例コメント
私は、ペンギンとプールの関係性を少し表現してみました。こんな撮り方はどうでしょうか。強い日射しの下で、プールの底に映る水の波紋がきれいに出ました

f5.6 1/100秒
コメント
鷺の頭部の先に陽が射していた。こういった和風の景色が好きだ。ピントはもちろん鷺の頭で(できれば目にフォーカス)、露出とピントを合わせてから画角を決めたのだが、なぜか前ピン、あるいは手ブレ(?)になっていた。気に入った写真なのに惜しい
講評
大変素晴らしい構図です。サギのたたずまいや配置、スポットライトのような日射しと手前の水辺に映る木々の緑と、構成要素は完璧でしょう。惜しむべくはピントとのことですが、ここは雰囲気重視。大目に見ましょう!

絞り優先 f6.3(1/30秒)
コメント
野毛動物園の孔雀は園内に放し飼いで、このとき池のほとりの柵の上に飛び乗ってくれた。まるで写してくれといわんばかりに。ピントは目に合わせる。もっと背景をぼかしたかったが、手持ちでは1/30秒が限界
講評
これもいい写真ですね。カメラアングルが低めだったおかげで、クジャクの雄大で凛としたたたずまいが表現できました。露出はもう少し明るめが良い感じもありますが、ここは好みの範疇でしょう。

1/125秒 f2.8
先生の作例コメント
背景をぼかしたい場合は、高価ではありますが開放値の明るいレンズを使いましょう。明るいレンズはボケ味が楽しめるだけではなく、その明るい分だけ早いシャッターが切れる利点もあるのです。



絞り優先 f6.3(1/25秒)
コメント
ピントの技術的な問題は、前ピン、後ピン、手ブレだが、期せずして撮れてしまったのがこの3枚。鉄格子の間から虎をねらった。目にフォーカス。次が鉄格子にフォーカスした1枚。最後は手ブレだ。1/25秒では手ブレすると考えたほうがいい
講評
一般的に手ブレの限界は、“焦点距離分の1”といわれています。たとえば24mmの広角レンズなら1/24、つまり1/25までは安全圏。135mmの望遠なら1/150以上のシャッタースピードが必要ということになる。意外と混同しやすいのがピンボケと手ブレなのですが、手ブレが生じやすい状況ではピンボケもおこりやすいものです。
 

 動物はすべて目にフォーカスするのが基本。しかし、目にピントが合えばいいというものでもなく、その動物の動きの特性を捉えながら写すのが大切だ。動物は動きがすばやいことを考えると、流し撮りとか、置きピンとか、工夫しなくてはいけないだろう。要するに、何を撮りたいかを詰めて考えるということ。それがわかった。

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