テレビやパソコン、携帯電話で映像表現がふえてくると、目が肥えて、撮る技術と見る目がかけ離れてくる。自分の撮った写真を見て、不満が高まるのだ。写真塾で一番思い知らされたのはこれだった。
だが、これは悪いことではないかもしれない。目が肥えてくれば目標が定まって、その狙いを実現するためにどうすればいいか、今の実力とどのくらいかけ離れているかがわかるからだ。
「押しかけ写真塾・身の周りを撮る 初級編」の第1回から第4回まで、技術の進歩は思ったほどではなかったが、ワザは撮影の基本だから、熟練するためにはシャッターを押す回数を増やすしかない。それが自然に技術の未熟さを解決してくれる道と思いたい。
さて今回は初級編の最終回なのでまとめとなる。季節柄、夏の風物誌をどう撮るかをテーマにした。夏といえば海と山で、山なら『日本365名山 毎日が山歩き』に伊藤幸司さんの写真がたくさんある。
そこで、写真塾では海へ。6月24日、魚と水辺の風景を求めて葛西臨海水族園に行く。
あいにくの曇り空で、海の撮影も風景の撮影も断念した。
「今回は魚だ!」
勇躍、園内に突撃する。だが水族園は暗く、とても写真が取れる環境ではなかった。
「古屋先生、まったく写真が撮れません。真っ暗です……ストロボを使うと、ガラスに反射して光ってしまうし……」
「ストロボを使う撮影は、角度を考えないと反射で見えなくなります。それより、ISO感度を800か1600に上げて、シャッター速度がまだ遅いようなら、露出補正をマイナス1にすれば、60分の1秒くらいになりますよ」
「なるほど!」 |