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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾  
藤森元之

第3回 街並や建物をきれいに撮る 2007/6/6
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講義 ―古屋写真塾―
撮影は職人の熟練した技

 自分がどんな写真をいいと思うか、それを探すのが初心者の第一目標なのかもしれない。六本木でも、新宿でも、そのヒントをつかむことができなかったが、今まで見たことのある画角を記憶から引き出して、その真似をするところから始めるのがいいようだ。
 それと、ボクの作品が習作に見えてしまうのはなぜかを考えた。その理由は、作品として未熟であることは確かだが、それに加えて作品として送り出す姿勢であることに気づいた。
 たとえば、自転車の写真でも、自転車の下のごみをどうするかとか、自転車の向きを考えたかとか、露出でもっといい組み合わせはなかったかとか、ピントは前景から背景まできちんと合っているかなど、考慮すべきことはじつに多い。つまり、職人の熟練した仕事のように、配慮が行き届かないといい写真にはならないのだ。

これを踏まえて、講義を聴く。以下、古屋先生談。

街を撮るコツ
 街の撮影のむつかしさは、前回までのようにテーマに対する普遍的なきまりがないからです。その理由は、街の形態が多種多様であるためと思います。
  • 京都に代表されるような歴史や、貴重な文化財などがのこる街
  • 浅草や寅さん映画の下町のように生活者の匂いが漂う街
  • 古い街を切り捨てて都市開発によって新しく生まれ変わった街

 代表的な例は上の3つですが、その他枚挙に暇がないでしょう。
それぞれの街にどのようにアプローチするか考え方や思いは十人十色といってよいでしょう。
 そこで、私の経験に基づいた古屋光雄流「街を撮るコツ」を挙げてみます。

 今回のテーマはは六本木の東京ミッドタウン。新しい都市の風景写真はとかく建物の素晴らしさに圧倒されますが、建築写真を目指すわけではないので、冷静になって何を撮るか考えてみましょう。

主題を印象的に見せる3つのポイント
 街の撮影のむつかしさは、前回までのようにテーマに対する普遍的なきまりがないからです。その理由は、街の形態が多種多様であるためだと思います。
  1. 画面の中に大きくとらえる
  2. その部分に強い光線があたっている
  3. その部分に視線が誘導されるような動き

 面白いと興味を惹かれたモチーフを主役に、その部分を印象的に見せる構図を作るよう心がけるなど、工夫しだいでさまざまな構図が考えられます。

4つの注意
  1. 広角ズームレンズ独特の遠近感を表現するチャンスです
  2. 人物を配置する場合は肖像権等に配慮します
  3. 同じモチーフでも画面の明るさを変える(露出を変える)ことで印象が変わります
  4. 建物や環境など街のスケール感、季節感などの表現も大切な要素です

「街は人がつくる」
 これは古屋光雄の持論です。
 どんな街の感動や魅力も人無しには成立しないと考えています。
 だから、街の写真は人物入りが好みとなります。その際、肖像権に抵触しない感動的な写真を撮りたいと常に意識し、悪戦苦闘していますが、人の気配を感じさせる写真で逃げているケースも多くなるのは仕方がないことでしょう。

鑑賞
 先生がミッドタウンでどんな写真を撮ったのだろうか。同じ時間帯に、同じものを見て、同じコースを通ったのだから。じつに興味深い。先生が使ったのは驚くことにキヤノンPowerShot A640だ。
 今回は行かなかったが、六本木といえばヒルズをはずすわけにはいかないので、その写真も見せてもらうことに。いずれの作品も、撮影のねらいが明確に表現されていて、気持ちがいい。画面がすみずみまで整理され、熟練の技を感じる。先生の作品の鑑賞は講義より訴える力が強かった。
 先生ご自身のコメントを読みながら、ゆっくりと鑑賞してください。

ミッドタウンのモニュメントの形のおもしろさ。空に向かって何かが増殖していくイメージを捉えた。背景にガーデンテラスのアートやさらに遠いビル郡を取り入れて環境描写を加えた。

内部の遊びの空間、訪れる人たちはこんなアートシーンとの出会いを楽しんでいる様子。このような空間は時間がたってメンテナンスが行き届かないとただ汚いものになりがち、だいじょうぶかなぁ!

色調を抑えてレストランのデッキに斜めに並ぶパラソルと窓の縦枠の対比のリズミカルなイメージを表現した。

空にまだ青さが残る薄暮の六本木ヒルズ。ライトアップされたビルと左のクモのアートが迷宮のようだ。

これも薄暮の六本木ヒルズ。中央の階段と左右の黒い壁面によって奥行感を表現し、屹立するビル群へ視線を誘導する画面構成にしてみた。
●生徒の撮影機材:
 EOS KISS DigitalX
 EF28-135mm3.5-5.6IS+PLフィルター
 EF-S10-22mm3.5-5.6+PLフィルター
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