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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾  
藤森元之

第3回 街並や建物をきれいに撮る 2007/6/6
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今回のテーマは「街を撮る」。
 話題の六本木の東京ミッドタウンや新宿副都心をどう撮るか。おおげさにいえば、街を写真でどう表現するかということだ。そんな力量が備わっているわけではないが、挑戦だ。

 ミッドタウンを撮るレンズは28-135mmの1本だけ。デジタルで使うと35mm換算で標準〜約200mm相当の望遠系ズームで使える。
 街の撮影だから、建物などを広角レンズで狙えると考えたが、広角は今の私の技量ではむずかしいうえに、レンズを2本持っていくとどっちつかずになって、結局ろくな写真しか撮れないことを恐れたのだった。
 結果は、少なくともレンズ選びについては間違っていなかった。
 新宿副都心を写したのは、10−22mmの超ワイドズーム1本。35mm換算で16-35mmだが、このレンズはデジタル専用だ。
 建造物の撮影は、空の青さが決め手になることが多いので、前回の反省からPLフィルターを使うことにした。したがって今回の撮影は、六本木も新宿の撮影もすべてPLフィルター付で使用。

■街づくりのコンセプトを考える
古屋先生の案内で実習

 5月24日、古屋先生とミッドタウンへ。個々のデザイン建築のおもしろさを撮るとそれなりの写真になりそうだと簡単に考えていたが、実際の建造物を前にすると、それは大きな間違いだった。
 カメラを抱えて歩き回り、「ここは!」と思えるところでファインダーをのぞくが、ほとんどは画面にきれいに収まらないものばかりだ。建造物のコンセプトを探るなんて大げさなねらいはかなえられず、小さなものに目が向く。

コメント
東京ミッドタウンには水をモチーフにした演出が多い。ガレリア1階のツリーシャワーは、UFOを思わせる幻想的な空間を造りだしている。撮影には暗すぎるので、絞り開放でも手ブレが心配だった。防振レンズが2絞りくらいカバーしてくれるようだ
講評
屋内の空間ですが、モチーフを大胆に切り取ることで壮大な宇宙空間を表現できたと思います。円盤上部の青い色調がこの写真を立体的に仕上げています。着眼、構図、表現力がうまくかみあって立派な作品になりました。
コメント
ガーデンテラスのアートワーク。金属のエッジが光って、思わぬ効果を生んだようだ。撮影のときゴミ袋がジャマだと思えたが、庭や建物のメンテナンスをする人がいて都市の生活圏は保たれる。それを写すのも写真だと考え、あえて入れた
講評
無機的な造形美に芝生の緑、横切る人物、ゴミ袋などが配置されて温かみのある作品になりました。金属の質感をPLフィルターで押さえ込んでエッジのパターンを強調したのがよかったですね。芝のゴミ袋もこんな画面のなかでは邪魔な感じはしませんね。むしろよく見るとど真ん中に鎮座して存在感があります。この中に作者のメッセージが込められているのでしょうか。
コメント
やはりガーデンテラスの庭で。花壇と石垣と水の対比が不思議な空間を造っていた。PLフィルターの青は人工的な色合いで、実際の視覚とは異なる色を見せる。画面は3分割法で作ってみた
講評
右の青い部分は水と思えない不思議なスペースですね。画面を3分割する思い切った構図に挑戦したのですが、ひとつの写真としてみた場合、どこに主題があるのか明確に伝わってきません。対比の妙は主役と脇役をはっきりさせることで画面にメリハリがつき、意図も表現できます。
コメント
コートヤードのモニュメント。接近して、磨きこんだ金属表面への映り込みを撮りたかったのだが、それよりもPLフィルターの青色効果のほうが強く出た。形のおもしろさと、映り込みの映像と露出の調整、画面の整理に苦心した
講評
モニュメントの形のおもしろさとカメラアングルの良さが映り込みの明暗をうまく捉えています。背景の処理もすっきりして主題の力強さを表現できました。被写体を丁寧に観察して仕上げた立派な作品です。
コメント
ガレリアから乃木坂方面へ向かう道路に沿って噴水が並ぶ。水はシャッター速度しだいで、がらりと表情を変える。道路を行き交う人を入れ込みたかったが、ボケ調整がうまくいかず断念。これを写すなら広角レンズがほしいと思った
講評
肉眼では捉えられない噴水の一瞬の表情がおもしろい。シャッタースピードを速くしたことで絞りが浅くなり(絞りの値が小さい)背景がボケて主題が強調されてよかった。噴水の並びがきれいな弧を描いてくれたらさらに美しい画面になったでしょう。遠くに子供とか人影があれば公園らしさも表現できてもっと良くなります。
カラダとメヂカラを鍛える

 撮影に疲れて一休み。カメラ撮影は不自由な姿勢でがんばることが多く、体力勝負という側面が強い。「体を鍛え、目ヂカラを鍛えよ。集中力がなくなればろくな写真が撮れない」と先生。そこで蕎麦を食べに行く。荻窪の名店本むら庵の唯一の支店が六本木の裏通りにある。一世を風靡したディスコ、六本木ベルファーレの跡地のとなりだ。

コメント
本むら庵への道すがら、こざっぱりした民家を発見。デザインを押し出す建造物に食傷気味だったので、思わずシャッターを押した。民家にはそのままで味わいがあり、写真にとってもさりげない主張が滲み出てくる
講評
六本木にもまだ昔の面影が残っているのですね。路地の表情をうまく捉えました。突き当たりの木戸の入り口までの短いスペースに植木の緑、敷石の遠近感、木漏れ日など、心を癒される空間がきれいな構図で表現されています。どんな人が住んでいるのか想像を刺激されます。作者はよほどお疲れだったようで、ちょっと一休みという気分が込められた1枚です。
コメント
午後の部の開始。ふたたびミッドタウン3階へ戻る。デザイン中心の生活提案フロアで、色鉛筆のロボットを演出していたファーバーカステルのショップ。色がきれいだ。あえて下半身に絞って撮影
講評
着眼は素晴らしい。モチーフの色、形のおもしろさを整理した画面で見せられるといい作品になったのですが、残念です。
コメント
竹が鮮烈な緑をふりまき、やすらぐ通路となっている。ガレリア3階から1階通路を見下ろす俯瞰の画角に撮影のおもしろさを感じた
講評
とてもよい風景を捉えています。緑に沿って歩く人たちの配置もわるくありませんが構図をすっきりしたいですね。内部の空間を表現するならば画面両側の壁面を左側に整理して屋内であることを表現してみたい、そうすることで緑と壁面にはさまれた空間とそこを歩く人物に焦点が定まると思います。
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