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写真で綴る自分史 もういちどカメラ 藤森元之

押しかけ写真塾  
藤森元之

第2回 身の周りをクローズアップして撮る 2007/5/23
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 先生と一緒に実習したが、一番難しいと感じたのはなんといってもピント合わせのむずかしさだった。接近すればするほど、ピントが合わないのだ。AFカメラを常用していて、何の不自由も感じていなかったので、いまさらピントを自分で合わせろといわれても、とまどうばかりだ。
 EOS-KISS DigitalXの場合、AFセンサーが9個あるので合わせられないこともないのだが、操作がわずらわしいので手動にしてしまう。

 その次が、アングル、言い換えればモチーフだ。
  クローズアップの写真は最近、広告表現でよく目にするが、自分で撮ろうとは思わなかったので、モチーフといわれるととまどってしまう。何を写したらいいのかを日ごろ考えたことがないのだ。

 3番目は、撮影の準備が必要だと思い知らされたこと。

 4番目は、クローズアップの基本を考えたことがなかったことだ。これを念頭に、講義を受けようと思う。

■講義――クローズアップはピントがすべて
 撮った写真を確認してみると、なんともつまらない。
「先生、注意する要点を教えてください。ちっともうまく撮れないんです」
「クローズアップの基本は5つです。これをいつも考えながら撮影してください」
  1. どこにピントを合わせるか
  2. どれだけ正確にピントが合わせられるか
  3. 写真として切り取るアングルが大切
  4. 光線をコントロールして、美しい表現にする
  5. 絞りのコントロールで、ボケ味を表現する

 なるほど、先生の言うとおりであった。だが、どうすればいいのか。
 そこで、先生の虎の巻『花の写真を撮ろう』をのぞくことにする。

「花の撮り方の基本は、図鑑的に撮ることです。そのためには、花の形態、生態が分かるように、花の全体像を表現したり、花、葉、茎の形・特徴を表現してみます」
「さらに、シャッターを押す前に、花の姿、形をよく観察することです」
「花は見頃ですか? 花や葉は汚れていませんか? カメラアングルは上から、横から、下から?」

 そんなに考えることが多かったとは! 改めてクローズアップの大変さを思い知ったのだった。

「注意点はほかにもあるのでしょうか?」

「あります。花のまわりの環境を整え、目障りな物やゴミなどないですか? 枯れた葉や花柄は摘み取りましょう」
「背景はできるだけシンプルに」
などです。
「さらに、光の方向と背景の状況をよく見て、花に合った光線状態を選ぶことや、順光、逆光、斜光、それともトップライト?などを考えます」

「クローズアップって、奥が深い分野ですね」

 それから先生は、基本を繰り返してくださった。

▼撮影しよう

  1. 手ぶれはダメ! 出来れば三脚,一脚を使う
  2. 花を大きく撮るときは、マクロモードで
  3. 花が揺れているときは、止まるまで辛抱する
  4. アングルを変えていろいろ撮ってみる
  5. 撮った後はモニタを見てピントの確認をする
  6. 構図はあなたのセンスで決まりです

「なるほど、わかりました。そうしてみます。でも、暗い気持ちになってきました」

「がっかりすることはありません。総合評価をすれば、今回のマクロレンズによるクローズアップの撮り方では作者の着眼の良さは素晴らしいものがありました。ただ『マクロは寄りだ』という意識が強すぎたように思いました。接近すればするほどピントをだすことが至難の技であることを理解できたのではないでしょうか」

光の降りそそぐ明るい花畑の印象を撮ったもの。背景の色調も花のピンクと同系色にまとめて全体にポピーのやさしさ、やわらかさを描いた。
背景のブルーデージーの紫とオレンジのポピーのコントラストが力強い。手製のソフトフィルターを使って柔らかさを加えた。
モチーフは公園のアルミテーブル。光が演出する不思議なパターンをマクロレンズでとらえてみた。
 昭和記念公園で撮った先生の写真を見ながら、クローズアップの初級の基本をおさらいしてみよう。
  1. どこにピントを合わせるか
    初級の基本は、花なら雌しべや雄しべ、昆虫なら目にピントを合わせる
  2. どれだけ正確にピントが合わせられるか
    接近すればするほど手ブレするので、三脚や一脚を使ってみる
  3. 写真として切り取るアングルが大切
    本やテレビで使われている写真を、自分が撮る意識で見てみる
  4. 光線をコントロールして、美しい表現にする
  5. 絞りのコントロールで、ボケ味を表現する
    4と5は、いい写真をたくさん見て、まねをして撮ってみる

 この5項目の示す意味が、実例を通してよく理解できた。
 クローズアップの写真は、おもしろそうであっても自分で撮る機会がなかった分野だけに、撮れた写真はなさけない出来だった。それでも、先生のやさしい言葉に勇気づけられたので、クローズアップ写真にまじめに取り組んでみようと思う。

●撮影機材 キヤノンEOS-KISS DigitalX+EFS60mm/2.8
IXY Digital800IS
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