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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
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2008.7.24更新

Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 105 イタリアの最新ホーンスピーカー「Zingali TWENTY 2.12」を聴く

SPEAKERSYSTEM Zingali Loudspeaker TWENTY 2.12 価格 3,990,000円(ペア/税込)

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古典的、伝統的な形と手法の延長線上に生み出された、新開発ホーンスピーカーの魅力

CXシリーズのスピーカー「SC-CX303」と組み合わせてセットした「RCD-CX1」

スピーカーシステムにはさまざまな形式があるが、ホーンをもったシステムに対する憧れは、いまだに根強いものがあるようだ。しかしかつては、いろいろなメーカーのホーンや、ドライバー付きホーンユニット、ホーンを組み込んだスピーカーシステムが、店頭を華やかに飾っていたものだが、近年はJBLのような一部の伝統的なメーカーの製品以外は、数も種類も少なくなっているようだ。

今回紹介するのは、イタリアの新進メーカー「Zingali Loudspeaker」社の最新モデル「TWENTY 2.12」である。この見事な再現力をもったホーンスピーカーシステムは、間もなくロッキーインタナショナルから発売されるもので、まだ同社のホームページには記載されていない。

ガッチリした硬質MDFのキャビネット。後方の細くなる涙滴型をしている

Zingali(ジンガリ)は1986年、Giuseppe Zingali(ジュゼッペ・ジンガリ)によって、ローマのすぐ南にある Aprilia(アプリリア)でスタートし、1989年に現社名になっている。イタリアのこの時期に設立されたメーカーといえば、前回「MINIMA Vintage」を紹介した「Sonus faber(ソナス・ファベール)」を思い出す。Sonus faberは1980年、フランコ・セルブリンによって、北イタリアのヴィツェンツァに設立され、その最初の本格的製品「エレクタ・アマトール」が誕生したのは1988年である。

1人の才能と技術力に恵まれた音楽好きの青年によって創業された設立経緯はとてもよく似ている。20世紀のオーディオの急激な普及によって、オーディオ製品は開発者の個性があまり前面に出ない、工業製品的要素の強いものが増えた。しかし、オーディオ機器は音楽を聴く道具だから、基本的には“再生音はこうあるべきだ”という理想をもった人間の手によって生み出されるべきものである。特に楽器的要素の強いスピーカーは、開発設計者の“顔”が思い浮かべられるものでありたいと思う。そういう意味からも、イタリアの2つのメーカーの健闘は光っている。


ジュゼッペ・ジンガリは小さいころからピアノを学び、多くの音楽に親しむ環境に恵まれて成長し、自然にオーディオにも傾倒するようになったという。15歳のころからオーディオ雑誌を読み始め、特にスピーカー技術に興味をもち勉強もした。そして、18歳の時に最初のスピーカーシステムを入手し、これを分解して自分の納得できる音が出るように工夫して組み立て直した。このやり方は物づくりの好きな人なら誰にも共通する。

そしてそのスピーカーを友人たちに聴かせたら、大変に評判がよく作って欲しいと何人からも頼まれたので、部品を買い集めて彼らのためにスピーカーを作った。このあたりもソナス・ファベールのフランコ・セルブリンとよく似ている。

ユニットがよく見える。2つの同口径ウーファーは受け持ち帯域を少し変えている

その後彼は小さな会社を作り、ユニットは既製のプロ用機のものを使い、これに自分で設計したホーンを組み合わせたシステムを完成させる。そのサウンドは評判となり、オーディオファンからの問い合わせが殺到したという。これが、スタートの1986年。

そして2年後の1988年、木製のバイラジアルホーンを開発し、ドライバーは既製のものであったが、ついに独自設計による「8800 スタジオモニター」という製品を完成させた。このシステムはイタリア、スイス、スペインの録音スタジオでモニター用として採用され、彼の技術力の高さは一気に注目を浴びることになった。そして、翌1989年に自らの名を社名とする現在の会社を設立したのである。

ここでちょっと「TWENTY 2.12」の写真をご覧いただきたい。木製のしっかりしたキャビネット、コンプレッショドライバー+木製ホーン、2個のウーファーでホーンを挟むユニット配置。コンデンサー型や、ハイテク素材とユニークな手法による斬新な形のスピーカーに比べると、これはごく見慣れた伝統的な形である。そう、このスピーカーは、音楽とオーディオが大好きで、機械作りの得意な1人の少年が、順調に成長してスピーカー製造の会社を興し、古典的、伝統的な形と手法の延長線上に、自らのアイディアを加え新たな花を咲かせた、という作品なのである。

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