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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
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2008.4.24更新

Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 99 超弩級アンプ、ホヴランド STRATOSの再現力

POWER AMPLIFIER HOVLAND STRATOS 価格 6,090,000円(ペア/税別)
CONTROL AMPLIFIER FM ACOUSTICS 255MKII 価格 4,830,000円(税込)
CD/SACD PLAYER LINDEMANN. 820S 価格 2,079,000円(税込)
SPEAKER SYSTEM lumen white silverflame 価格 4,504,500円(ペア/税込)

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超高額高級アンプの目指すものは何か

大型スピーカーにセットされたホヴランド「STRATOS」。青い前面パネルが印象的だ

オーディオのシステムアップでは、まずスピーカーを選ぶこと、次にそのスピーカーの性能を十分に引き出してくれるアンプを探す、これが常識的な順序だ。再生音の性質の大半はスピーカーが握っていることは、太陽が東から上り西に沈むのと同じほど明らかなことで、宇宙が存在する限りこの事実は変わることがない。

オーディオに詳しい人、長年オーディオに係わっている人なら誰でもそれを納得しているから、スピーカーには特別な関心をもって、つねにより良いスピーカーを求め続けている。いわば、オーディオとは「理想のスピーカー」という“青い鳥”を探し求める果てしのない旅、のようなものなのだ。


今回は、スピーカーは決まっていることを前提にして、そのスピーカーを駆動するアンプに必要な条件とはいったい何なのかを検討してみたい。といっても、オーディオですからね、難しく考えてはいけません。自動車ならいくらスタイルが気に入っても、まともなエンジンがついていなければ、自動車としての実用性を失い、場合によっては事故にもつながってしまう。しかし、オーディオは実用品じゃないから、他人に迷惑のかかるような音さえ出さなければ、自分の好きなように楽しんで何の問題もないのであります。

たとえば、オーディオ製品の中には、驚くほど高額なものがあって、平均的な所得とごく普通の精神をもった人間には、驚くか、溜息をつくか、あきれるか、あきらめるか、そんなことしかできないものもある。でも、こういうものがずっと以前からあり、今日もなおなくならないのは、きっと凡人には計り知れない意味があるからなのだろう、と考えるのであります。世の中に意味のないものが存在し続けるはずはないのですから。


何を奥歯に物が挟まったような話し方をしているんだ、とお叱りを受けそうでありますが、じつは今回の主役が、アンプなんでございまして、しかもこれが、モノーラルのパワーアンプで、価格がペア税込で600万円を超えるのであります。早速ご登場いただくことにしましょう、その名はアメリカ西海岸のHOVLAND(ホヴランド)社の「STRATOS(ストラトス)」。

まあ、600万円が適切であるかどうかはこの際問題ではない。度肝を抜かれるような価格で、このアンプがいったい何をしたのか、それを知りたいと思うのであります。それが少しでもわかれば、アンプとスピーカーの関係を知るのに大いに参考になるに違いないと思う。そうそう、ここで思い出した。同じくらいの価格のアンプをボンビバンですでに紹介したことがあった。KRELL(クレル)の「 Evolution(エボリューション) 600」、これがペア税込で5,250,000円。まあ、ほぼ同価格といっていいだろう。

クレルは日本ではハイエンド・オーディオ・メーカーとして広く知られている。そしてクレルといえばその総帥、Dan D'Agostino(ダン・ダゴスティーノ)の名も、高級アンプの天才的設計者として、多くのオーディオファンの尊敬を集めている。いわば設計者もメーカーも、もうすっかりお馴染みで、しかもその製品の大半は超高価格の夢のようなものであることも、よく知られている。それに対して、ホヴランドの社歴は20年を超えるそうだが、まだその詳細については日本ではまだあまり知られていない。しかし20年以上ということは、クレルの創業は1980年だから、社歴にそれほどの違いはないようだ。クレルがアメリカ北東部コネチカット州であるのに対して、ホヴランドは西海岸カリフォルニアのロスアンジェルスと所在地は対照的だ。


近づいてみると、アルミの仕上げがいいので、大きいがなかなか美しい姿だ

クレルのダン・ダゴスティーノはボンビバンで紹介したように自社のホームページで「録音作品というものは、その本来の性格からして、passion(情熱、情念)の産物だから、私の最終目標は、録音作品にこめられたpassionを、みなさんの部屋で再生すること」だといっている。

それに対してホヴランドは本国のホームページにこう書いている。

Hovland Company designs and manufactures audio products to accurately convey the passion of music.

ちょっと驚きますねえ。ダン・ダゴスティーノと同じように「passion」という言葉が使われている。両社はまったく違った個性の製品を作っているのだが、音楽の、あるいは録音作品の「passion」を伝えたい、という点においては共通しているのである。その言葉に続く、
Our goal is to communicate the heart and expression of the recording artist, while drawing the audience into a dimensional and revealing musical event.

比較モデル、クレル「Evolution 600」。一見軽く見えるが、61kgもある

というのも、クレルと大いに似ている、というかほとんどまったく同じことだ。演奏された音楽に込められたものを、立体的に克明に再現することによって、演奏家の心と表現を聴き手に伝えることが目標だというわけだ。

ここでちょっと話は非音楽的になってしまうが、両者の大きさも比較してみよう。
クレル「Evolution 600」=439(W)×248(H)×518(D)mm重量:61.1kg
ホヴランド「STRATOS」=480(W)×292(H)×570(D)mm重量:40.5kg

うん、よく似ている。ただし、体積はホヴランドが大きいが、重量はクレルのほうが20kgも重い。この物量面での違いは、両者は目指す最終表現力は似ているが、おそらくそれを実現する技術的アプローチに違いがあり、この数字の差はそれを反映しているのではないだろうか? そんなことを想像しながら検討を進めていくことにしよう。

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