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| 「S4600」をメインにした、マッキントッシュ・コーナーの金子さん |
ユニットやクロスオーバーネットワークを取り付けたり、収納したりする箱を「エンクロージュア」とか「キャビネット」という。ここではキャビネットに統一しておく。キャビネットはユニットと同じくらい、ときにはそれ以上に再生音の質に影響する。あるいは、優れたユニットは優れたキャビネットがあって初めてその実力を発揮するのだ、と言い換えてもいい。それは、オルゴールがメカニズムだけでは蚊の鳴くような情けない音しかせず、箱に収められて初めてあのふくよかな響きのある音になるのと同じだ。
「S4600」のキャビネットは、25mm厚のMDFボードと、アルミ・ヘアラインに仕上げされた19mm厚のMDF製サブバッフルを合体させた、総板厚44mmの超強力なバッフルが用意されている。これをJBLは“ローワーバッフル”と呼んでいる。その分厚いローワーバッフルの上に、ホーン素材で使われたと同じ“SonoGlass”製のアッパーバッフルが付けられ、そこにユニット群が強固に取り付けられる、といった念入りな方法がとられている。
そして、キャビネットの内部は補強材で強度を高め、ダンピング処理をしてキャビネット自身が鳴いたり、内部の定在波によって再生音に有害なクセがつかないように万全の対策が施されている。さらに底部も、ボトムボードと2枚のMDF材によるベースボードを強固に一体化して強化し、底板の鳴きを抑えている。また、高さの微調整が可能な真鍮製の大型フットスパイクを装着しているので、床とはピンポイントで設置できる。フロア型の設置の難しさが軽減され、床さえしっかりしていれば安心してセッティングできるように配慮されているのだ。
高級スピーカーのキャビネットは、どんなモデルでもこのような対策が施されているのだが、JBLの場合は一段と入念で、しかも再生音にいい効果が出る工夫がさまざまに凝らされている。それは60年を超えるキャリアがあってこその、アナログライクな世界の工夫といってもいいだろう。
結論的にいってしまえば、「S4600」はじつにいいスピーカーで、さすがJBLと感心した。老舗にふさわしい伝統的技術の「蓄積」と、弛むことなく磨き続けてきた感性の「成熟」、そして素材の進歩、録音の規格拡大によるソース側の進歩をためらわずに取り入れる「先進性」、この3つの要素の巧まざる融合、それが最新モデル「S4600」の魅力であり、実力にダイレクトにつながっているのだ。
ドライバーユニットの優秀さ、その能力と見事にバランスしたホーンの大きさと形状はJBLならではのもの。そして、重厚堅固な構造のキャビネットとその仕上げの巧みさからは、一種の風格さえ漂ってくる。そこから繰り出される音楽を聴いていると、ヘッドフォンで聴く音楽もいいけれど、やっぱりスピーカーから音を出して聴くのは、まったく次元の違う楽しみだなあ、と心底感じられるのある。そして、人の心を困惑させるようなことばかりが多い現代の世相のなかで、このような充実した再生力をもったスピーカーを作り出すJBLの底力には、大いに感動させられる。
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| マッキントッシュのプリアンプ「C46」 |
さて難しいアンプ選びだが、このスピーカーなら、苦労はあまりしなくてすみそうだ。能率(出力音圧レベル)も91dBと比較的高く、入力インピーダンスも8Ωだから、アンプはドライブ性能にクリティカルではない。安心して、再生の傾向と質を重視して選ぶことができるというものだ。これだけスピーカーがしっかり出来ていると、スピーカーがアンプの良さを引き出してくれるような感じさえするかもしれない。
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| マッキントッシュのモノーラルパワーアンプ「MC501」 |
専門店「レフィーノ&アネーロ」では、現在マッキントッシュのアンプとプレーヤーに接続している。スピーカーが老舗の新製品なら、アンプも老舗の実力モデルでどうだ、と金子さんは考えたようで、じつはこれがなかなかいい味の音を出している。JBLと同じように日本では幅広い層のファンが熱い思い入れを抱くマッキントッシュのアンプ。そのしっとりと落ち着いて、深々とした表現力は「S4600」を得て、その実力をいかんなく発揮している。ここでは、個々の紹介をする余裕はないが、プリアンプは、「Audio Control Center C46」。パワーアンプはモノーラルの「MC501」。そしてプレーヤーはSACD/CD Playerの「MCD201」である。なお、レフィーノ&アネーロは、現在マッキントッシュ・コーナーを開設している。このコーナーについては金子さんからのメッセージがあります。
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| マッキントッシュのSACD/CDプレーヤー「MCD201」 |
もっとも当店はオーディオショップなので、残念ながらお酒やワインは出せません。でも、飲み物には代えられない製品があります。マッキントッシュのメーターやインジケーターの独特の青い色がなんともいえない魅力で、「これをぜひ家において室内を薄暗くして、じっくりジャズやクラシックを聴きたいものだ」と憧れているファンがたくさんいらっしゃいますね。服までマッキントッシュ・フィロソフィ−という方がいて驚いたことがあります。これはオーディオのマッキントッシュとは、全然関係はないのですが…。
マッキントッシュ製品をお持ちの方は、買い足しや買い替えにもやはりマッキントッシュ製品を選ぶ方がほとんどです。このコーナーには、そんなファンの方がソファに座ってじっくりと音を聴いておられる姿も多く見かけられます。マッキントッシュファンの方、ぜひ一度ご来店のうえ、じっくりとその魅力をお楽しみください。――




