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| 前面上部に2つのホーンが組み合わされて取り付けられている。奥にドライバーが見える。いかにもJBLらしい配置だ |
「ハイセンシティビティ」シリーズでは、今回の「S4600」に先行して、2003年に「S4800」が発売されている。これは「4348」の低音域用ユニットと、プロジェクトK2「S5800」の中高音域用ユニットという、JBLの最新高性能ユニットを搭載したゴージャスな製品で、現在このシリーズのトップモデルである。横幅が501mm、高さは1,067mmとかなり大型で、重量は65kg。価格はペアで1,302,000円(税込)。
今回登場した「S4600」は、この先行機のユニットのグレードはそのまま継承しているが、一回り小さなサイズにして、横幅420mm、高さ1,020mm、奥行き320mmのキャビネットに納め、重量も53kgに抑えている。ユニットはウーファー口径が380mmから350mm、コンプレッションドライバーは中高域口径が75mmから50mmに、超高域口径が25mmから19mmに変更された。価格はペアで966,000円(税込)、これはかなり身近になった価格といっていいだろう。これぐらいなら十分に購入検討の対象になるという人が多いと思う。それに、もし部屋が10畳間前後以下であるなら、「S4600」のサイズは非常に適切なものだ。大きいスピーカーは魅力的で、無理してもワンサイズ上の大きさのものが欲しくなってしまうものだが、大きくなればそれだけ鳴らす手間もかかる。一般的な家庭では、少し小さめのほうがいろいろな面でメリットが大きいのだ。
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| 350mm口径の大きなウーファー。このキャビネットのサイズにうまく納めている |
さて、JBLの伝統的な魅力といえば、なんといっても「高性能コンプレッションドライバー」「バイラジアルホーン」「大型ウーファー」という3要素のコンビネーション、そしてそれを納めた堅牢で響きの美しい「キャビネット」ということになるだろう。
「S4600」のコンプレッションドライバーは、中高域が50mm口径の「175Nd-3」、超高域が19mm口径の「138Nd」。中高域は振動板がピュアチタンで、この表面にアクアプラスというダンピング材を塗布し、エッジは独自のダイアモンド・エッジが採用されている。超高域はJBLでは最小サイズのユニットで、エッジ一体成型のピュアチタン振動板を、強力ネオジュームのリングマグネットで駆動し、音の透明さとエネルギー感を得ている。
そして、これらのコンプレッションドライバーに組み合わされるホーンは、JBLのオリジナルとして定評のあるバイラジアルホーン。中高域は38mm径スロート、超高域は10mm径スロートで、素材はフラッグシップ機「EVEREST DD66000」をはじめ、JBLの上級機種に採用されている「SonoGlass」と呼ばれるもの。ホーンはその形状とともに素材の性質がとても重要なのだが、「SonoGlass」は物性と音質で高い評価を得ている。そして、超高域のホーンを、中高域ホーンの上部にマウントするという独自配置をし、指向特性は中高域が、水平100度×垂直40度、超高域が水平60度×垂直40度となっている。
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| キャビネットを斜め上から見ると、分厚いバッフルとキャビネットの堅固さがよくわかる |
ホーン型はオーディオファンの中には究極のスピーカーシステムとして憧れる方が多いのだが、じつは設計がとても難しい。角度や形状、大きさがほんのわずか違うだけで、音はガラガラと変わるし、素材に問題があると楽音に耳障りなキャラクターがついてしまう。試みにメガフォンのように、口元に手の平をあてて声を出してみると、手の角度や広げ方を変えると音が変わるのがわかる。あるいは、自分の耳の後ろ側から軽く指をあて、耳の角度を少し変えてみると、音が大きく変化するのに驚かれるはずだが、こういった現象とホーンの再生音への影響、効果は似ている。
ホーン型は指向特性がコントロールできて定位がいいとか、音の広がりや伝達特性がいいとか、いろいろなメリットがある反面、とんでもない音になる危険性も高いのである。JBLはホーン方式については、もっとも早くから手がけたメーカーでもあり、信頼すべき高い実績をもっているのでその点では信頼できる。
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| 背面のバスレフポート開口部と入力ターミナル。入力はバイアンプにも対応している |
低音ユニットは350mm口径のウーファーで「LE14H-4」という最新モデル。振動板素材はピュアパルプで、コンプレッションドライバーと同様、表面に独自のダンピング素材アクアプラスを塗布することによって強度を高め、分割振動の低減が図られている。このサイズのキャビネットで、口径350mmはかなり大きなユニットだが、ここには大口径の魅力を大切にするJBLの伝統が生きている。同じ効果をあげるために複数の小口径ユニットを使う方法もあるのだが、JBLは可能な限り大きい口径の少ないユニットのほうが、歪みの排除、キャビネットサイズの点からも有利と考え、「S4800」では380mm、「S4600」では350mm1発のウーファーユニットの方式を選択しているのだ。




