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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
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2008.4.10更新

Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 97 小型でスタイリッシュな真空管式プリメインアンプ「Music Cocoon MC4」
〜今どきのセカンドシステム探求

SPEAKER SYSTEM JBL S4600 価格 966,000円(ペア/税込)
SUPER AUDIO CD/CD PLAYER McIntosh MCD201 価格 525,000円(税込)
PREAMPLIFIER McIntosh C46 価格 735,000円(税込)
POWER AMPLIFIER McIntosh MC501 価格 1,365,000円(ペア/税込)

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成熟と先進性の巧まざる融合、新しいシリーズはこうして誕生した

中型ながら堂々とした風格が漂う「S4600」。マッキントッシュの大型モノーラルアンプに接続されている

桜前線は順調に北上しているようだが、皆さんの地域はいかがでしょうか。蕾も5分咲きも満開も、そして雪のように降りしきる散り際も、桜はいつもゴージャスだが、それぞれの人生に照らし合わせて眺め直して見ると、喜びも悲しみもニュアンス豊かに感じとれるような気がする。じつに不思議な花である。スピーカーでそんな再現力を探すなら、まず真っ先に思い浮かぶのが、JBLかもしれない。

老舗メーカーにふさわしい揺るぎのない開発姿勢と独自技術の熟成、そしてその時々の素材の進歩、録音の規格拡大などによるソース側の進歩を、ためらわずに取り入れる先進性が何の違和感もなく融合しているのは、驚嘆すべきことだ。今回はそのJBLの最新フロア型システム「S4600」を聴いてみることにした。


「S4600」。ネットを外したほうが精悍なイメージになる

簡単に復習しておくと、JBLは1946年ジェームス・B・ランシング(James B. Lansing 1902-1949)という、天才的スピーカー設計者によって、高性能で美しい家庭用スピーカーを作ることを目標にして誕生した。以来「ハーツフィールド」「パラゴン」「オリンパス」などという歴史的に名を残す名機が次々と生み出された。そして、その流れの上に今日の「EVEREST」や「K2」という、フラグシップモデルがある。これが現在の「リファレンス」と呼ばれるシリーズだ。

一方、スタジオ用のモニタースピーカーや、コンサートのPA用スピーカー、映画館用のスピーカーなど、いわゆるプロ機器の分野でも、JBLは数々の優秀機を送り出してきた。「4320」から「4343」「4344」と始まり現在の「4348」のように「43」という数字を型番にもつモニタースピーカーはその流れの製品である。これは現在「スタジオモニター」シリーズと呼ばれている。

そして第3のシリーズとして、この2つのシリーズの長所を融合したホームオーディオ用の「ハイセンシティビティ(High Sensitivity)」と呼ばれるシリーズがある。今回の主役「S4600」は、そのシリーズの最新モデルなのである。


背面。大きなバスレフポートとターミナルを下部に配置した簡潔なデザイン

ところで、これまで日本の多くのオーディオファンから、熱い支持を得てきた「現実的JBL製品」といえば、なんといっても「43」シリーズである。これらの製品はスタジオモニターだから、多くのミュージシャンや録音スタッフなど、音楽や音の専門家から、その性能が評価され信頼されてきた。そのようなスピーカーを何とか自分の家で聴きたい、という熱い思いが日本での高い人気に結びついたのだろう。

しかし、スタジオ用モニタースピーカーは、本来、録音という作業に要求される性能に特化して作られたスピーカーだから、一般家庭で音楽を楽しむには不都合な点もなくはない。そもそも家庭とスタジオでは、部屋の大きさも音響条件もまったく違う。組み合わせる機器のグレード、電力の質などさまざまな違いが、スピーカーの再現力に影響する。しかし、電車の運転席、飛行機の操縦席、大型船の操舵室などという男ならだれでも憧れる、あの計器類が整然と並んだメカメカしい雰囲気と同じように、録音スタジオもまたオーディオ好きの男心を熱くする場なのである。そこで使われているスピーカーが欲しくなるのは当りまえなのかもしれない。

幸いなことに、JBLの「43」シリーズは、その他のメーカーの大型スタジオモニターに比べると、妙な言い方だが、工夫しだいでは家庭で聴いても楽しめる素質があった。簡単ではないけれど、セッティングや部屋の音響条件の調整、アンプなど接続機器の選択によって、生まれ育ちが初めから家庭用のスピーカーとは、一味も二味も違う鮮烈な再現力を得ることが家庭でもできたのである。それにしても繰り返しになるが、それは簡単なことではない。一歩間違うと、どうしても自分の狙った音にならない、という悲惨な結果に終わることも多いのだ。


「ハイセンシティビティ」というシリーズが生まれたのは、おそらくこういう事情をJBLも承知していたからではないかと推測される。この新しいシリーズは、リファレンスシリーズの開発製造で磨きぬかれた技術を投入して、スタジオモニターの再現力の血筋を引き継ぐモデルを開発するという、極めて贅沢な発想から生み出された、特別な家庭用スピーカーなのである。外観の印象は「43」シリーズの横幅を小さくして、いわゆるトールボーイにした、といったイメージだ。これなら「43」に憧れるマニア心も引きとめられそうだし、長年のJBL技術が濃縮されているわけだから、これをうまく鳴らせば、おそらく家庭で聴くスピーカーとしては、最上クラスの再生力を手に入れられる、といってもいい。

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