“遊び心”がどんな分野にも必要なのは間違いないだろう。なにしろ、人間は“ホモ・ルーデンス”なんですからね!! まあ、TPOと程度さえ間違えなければ、という制限はあるだろうが。そこで、次はいつもの金子さんにご登場願おう。さて、どんな手を?
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| この「Canterbury/SE」にはエアータイトの「ATM-300WE」がピッタリという金子さん |
タンノイって、同軸2ウエイ構造のスピーカーユニットから出る音と、この大きな特徴のある箱(キャビネット)と共鳴して出る音が総合されて、タンノイ独特の音質を生み出しているのだ、と思います。そしてそのサウンドがふくよかで、暖かい人肌のような温度感がありますね。オーディオの理想論でいう、全帯域がフラットだ、という音ではないんですが、それだからこそじつに魅力的で、そこがタンノイらしさといわれているものの正体なのではないかと思います。
そしてこの持ち味が、真空管アンプ、特に300Bを使った今回のA&Mの製品と組み合わせると、じつにいい感じで引き出せるんです。パワーアンプが「ATM-300WE」で、プリアンプは「ATC-1」、A&Mのブランドはエアータイト(AIR TIGHT)です。他のアンプだと、とげとげしくなるような部分が出たり、低域がブカブカになったりすることが、ままあるんですが、A&Mの真空管アンプだとそんなことがない。非常に相性がい いんですね。なお、A&Mの真空管についての詳細は、 本欄2006年7月26日掲載の「AIR TIGHTの真空管アンプでSonus faberのCremonaをドライブ」 をご覧ください。
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| 金子さんが選んだ機器。上から「CD 3 SIGMA/P」「ATC-1」「ATM-300WE」 |
よくオーディオ機器は楽器と同じなんていわれますが、それは「音楽を奏でる」という意味において本当にそうだと思います。じつに千差万別で、特にギターなどは弾き手の解釈でいろいろな奏法やチューニングの仕方があるので、それらに応じてさまざまな形のものが生まれています。
例えば、かのジプシー・ジャズ・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトが使っていたフランス人ギター製作家ブザートのギターなどは、弦はビビって荒っぽい音がするので、初めて弾いたら「何だこれ、楽器?」と思うギタリストも多いらしいです。ところが、その哀愁を帯びた音は、まさにジプシー・ジャズに最適で、ジャンゴの荒々しいプレイにぴったりです。
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| 何といっても「ATM-300WE」に使われた名球「WE300B」が効いてます、と金子さんはいう |
オーディオも同じところがあって、かける音楽や聴く人の好みによって、それこそ天と地ほども評価が違ってくるところがおもしろいですね。我々は、みなさんが一番いいと思う音に出会っていただくことをサポートするだけなのですが、それだけに万人がいいと思う音より、自分だけの音を見つけて欲しいと思っています。今回のシステムの音は、好き嫌いはあるでしょうが、そんな音の例として、私が気に入ったもののひとつです。――
というわけで、今回は、スーパートゥイーターを加える方法と、真空管アンプでドライブする2種類の方法で、タンノイの名機「Canterbury/SE」の鳴らし方を工夫してみた。なお、どちらの場合もCDプレーヤーは、アナログライクな操作性をもち、タンノイとも相性のいい、YBAの「CD 3 SIGMA/P」を使用した。



