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| 試聴スペースのCanterbury/SEは、ゴージャスな雰囲気に包まれている |
ずいぶん新しいスピーカーが増えたといっても、TANNOY(タンノイ)とJBLは、わが国ではやはり絶大な人気を誇っている。アンプのMcINTOSH(マッキントッシュ)を加えて、これが半世紀を越えて、日本のオーディオファンの心と懐を騒がせてきた3大人気ブランドということになろうか。
本欄にタンノイが登場するのは、2007年1月31日掲載の「スターリングSEを聴く」以来、久々のことである。
現在、タンノイの高級スピーカーを代表するのは、「PRESTIGE(プレスティッジ)」と呼ばれるシリーズだが、これには大きいほうから順に「Westminster ROYAL」「Canterbury」「Turnberry」「Stirling」の4モデルがラインナップされている。現在これらはすべて創立80周年を記念して、末尾に「SE(=Special Edision、スペシャル・エディション)」がついた、バージョンアップモデルとなっている。
しかし、80年を超える老舗の基幹モデルともなると、基本的な項目ではすでにあらゆる対策が施されて市場に出ているわけだから、その改善ポイントは新興メーカーのモデルに比べて過激になることは少ない。もっとも目に付くのは、内部配線材やネットワーク回路の部品(コンデンサーや抵抗など)、ターミナルなどを、より純度の高い、安定した、高性能なものに変えることで、キャビネット構造やユニットなどはあまり変更の手が加えられていない。それが、老舗の高級スピーカーの信頼性にもつながっているのだ。
さて、本題にとりかかるとしよう。今回はプレスティッジシリーズの中から、「Canterbury/SE」を選び、これに何らかの工夫を加えて、タンノイをより自分好みに鳴らそうという趣向である。「Canterbury」の初代モデルが登場したのは、1988年であった。その時点でタンノイの最新モデルだった「Canterbury」は、先行するさまざまなモデルの長所を受け継ぎながらも、これまでとは少し違った“新しさ”が、音からも外観からも感じられた。その背景には、1982年に登場したCDの急速な普及、それにともなうデジタルソースへの対応という要素があったことは否定できないだろう。
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| 「Westminster ROYAL」よりは小さいが、これぞフロア型という堂々たるキャビネット |
タンノイの音というと、日本のオーディオジャーナリズムは、一つ覚えのように「ブリティッシュサウンド」だとか「いぶし銀のような音」という、なんだかよくわからない書き方をしてきたけれど、それは多分、どっしりとした外観の構えと、よく粒だって濃厚な表現の高音域と重厚な低音域の調和がもたらす密度の高い再現力を、洒落ていったつもりなのだろう。しかしタンノイの大型システムはどれも、鳴りっぷりは悠然としているものの、音楽の生命線ともいえる中高音域の表現には独特の繊細さがあり、これを上手に引き出すのがタンノイオーナーの腕の見せ所であった。陳腐な形容詞ひとつでいい表せるほど単純ではない。
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| タンノイといえばこの同軸2ウェイのドライバー、これは15インチ(38cm)口径。磁気回路は強力な「ALCOMAX-III」、トゥイーターホーンは24K金メッキ処理されている |



