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| レフィーノ&アネーロの試聴スペースにセットされた「CHORUS 816V」 |
手ごろな価格で、しかも性能のいいスピーカーって、はなかなか見つからないものの代表である。オーディオ機器の中でも、もっとも単純な原理で動作し、部品点数も少ないのだが、何しろ生き物のように気まぐれな振動板が、さまざまな構造のキャビネットに入れられるという、木造2階建てに親子三代同居家庭みたいな、扱いが難しい存在なのである。
しかしオーディオは、スピーカーが決まらないことには何も始まらない。もっとも、携帯オーディオは別だが、あれもヘッドフォンをスピーカーと考えれば、事情はまったく同じことになるのだ(そういえばヘッドフォンも難しい道具だ)。
とにかく、いいと評判のスピーカーは、残念ながら高額でしかも大きくて重たい。なんとか手ごろなサイズで、しかも手ごろな(下品な言葉でいってしまえば“安い”)スピーカーはないものかと、誰もが悩んでいるのだ。新年1月につき特別サービスで、憎まれ口をきけば、どんなに高くても大きくてもかまわない、というお客様が日本全国には○百人ほどいらっしゃるのだそうだ。でも。今回はその他の皆様のために、心を込めて、すばらしい“手ごろ”で“実力十分”のスピーカーをご紹介申し上げるとしましょう。
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| すっきりした外観デザインだが、非常に堅固な構造で信頼性が高い |
無駄話は早々に切り上げて、何はともあれそのスピーカーを紹介いたしましょう。フランス、フォーカル社のスピーカー「CHORUS 816V」。フォーカル社といえば、JMラボ・ブランドとしてその製品は、昨年2007年10月25日更新の本欄で、「JMラボ Electra 1037Beを聴く」、さらに2006年7月26日更新「JMラボのElectra 1000Beシリーズを聴くシステム」で紹介しているので、そちらも参照いただきたい。「CHORUS(コーラス)」は、フォーカル社JMラボの別なシリーズで、現実的な価格の製品がラインナップされ、ピュアオーディオだけではなく、ホームシアターサウンドや、マルチチャンネル(サラウンド)再生にも対応している。その中で最新モデルのひとつが「CHORUS 816V」。
サイズは、横幅は282mm、高さが998mm、奥行きが375mmで、重さは1本22.5kg。写真でご覧のとおり、細くて縦長、いわゆる“トールボーイ”というスタイルのキャビネットである。前面のグリルネットがちょっと変わっていて、普通は平べったいのだが、これは前面の中央ラインが頂点になった三角柱(▼形)になっている。そして上部がトゥイーター部分で切れているので、ネットをつけてもトゥイーターユニットは露出している。これは音の放射に有利なためもあるが、ちょっと心ニクイ概観デザイン面の演出という要素もあるのではないかと思う。
ネットを外して見ると、前面バッフルがアクリル系素材を黒ミラー仕上げし、両サイドは木目調仕上げのMDFとなっている。しっとりと輝く黒が、やわらかいライトブラウンにサンドイッチされ落ち着いた雰囲気が漂う。なかなか高級感がある。
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| ネットからトゥイーターだけが露出しているのはニクイ演出だ |
トゥイーターの下には、165mm口径のコーン型振動版ユニットが2個、その下にバスレフの開口部がある。そして最下部はアルミダイキャストのベースになっていて、4ヵ所にスパイクがついている。ネジ式で床にキッチリと固定できる仕組みだ。
こうして外観を見ていくと、さすが大型高級機で高い実績を誇るフォーカルの製品だけに、実にしっかりと出来ている。そしてキャビネットは非常に堅固な造りなのだが、セットすると、軽やかさ、ソフトさが感じられ、スピーカーにつきものの、鈍重なイメージがほとんどしない。そしてさらに、驚くのがその価格である。なんと、252,000円。
これ、1本の価格ではない、2本1組/税込価格だから、税抜きだと1本12万円ということになる。うん、これは安い。おっと安いという言葉は失礼だ、じつに手頃な価格ではないか。輸送料、販売経費を考えたら、この造りでこの価格はそう簡単に実現できるものではない。
細部の特徴や性能については、後ほど触れるとして、このスピーカーは、これからもういちどオーディオを始めよう、という方々には最適ではないかと思う。スピーカー選びにはどんな人も苦労をするが、高価で大型の超高級機を無理なく入手できる人は別にして、この「CHORUS 816V」のサイズと価格なら、もういちど、という意欲が自然に湧くのではないだろうか。



