![]() |
| MAJIKシリーズで統一したリンのシステム |
オーディオファンは、いろいろなメーカーの機器を選んで組み合わせるのが好きなタイプの人と、好きなメーカーの製品で統一すること(ワンブランドシステム)を好むタイプの人に分かれる傾向があるようだ。もちろん、プレーヤーからスピーカーまで、基本となるジャンルの製品がラインナップされていなければ、ワンブランドで揃えることができないけれども。そして、ある程度の規模のメーカーになれば、なるべくすべての機器を、自社の製品で組み上げてもらいたいと思うのが普通である。
LINN Products Ltd.(以下、リン)はそのような、ワンブランドでプレーヤーからスピーカーまでを揃えられる代表的なメーカーの一つである。同社は1972年、スコットランドのグラスゴーで創業された。最初の製品はアナログレコード用のターンテーブル「SONDEK LP12」で、この製品は現在までグレードアップを重ねながら生産され続けているという長寿製品。このことは、リンの物づくりのポリシーの一面を語っているように思われる。
|
||
|
1972年といえば、CD登場の10年前、すでに30年を超えてはいるが、イギリスにはクオードやタンノイをはじめ数十年を超える長い歴史を誇るオーディオメーカーが何社もある。そういう点では、比較的新しいメーカーといってもいいいだろう。
しかしわが国で「リン」といえば先鋭なデジタル機器、というよりも落ち着いたアナログ機器がお得意のメーカーというイメージをもっている人が多いのではないだろうか。そして、音楽をじっくりと聴くこと、それを何よりも大切するメーカー、という印象。それは、傘下にレコードメーカー「LINN RECORDS」をもっていることにも現れている。リンからは、音楽をじっくりと聴いてもらう機器を作るのだ、という明確な信念が伝わってくるのだ。
![]() |
| スピーカーは「MAJIK 140」 |
「かけがえのない時間を過ごすために、もっともエレガントな提案をLINNから。」
リンの製品カタログの冒頭には、こう書かれている。なるほどと思うのである。単なるオーディオファイルではない、人生をエレガントに過ごそうと思う人のために、リンは製品を作り出しているのだ、という誇りに満ちた言葉である。
そして、“シンプリーベター”をモットーに、徹底したエンジニアリングが全ラインナップに貫かれ、そこから生み出される精確でリアルなサウンドは、音楽を愛する人にいつも新しいときめきを吹き込み続けている、と自負するのだ。
「これまでも、そしてこれからも、あなたの「どきどき」とともにありたい。」
と、心にくいことをいう。現在リンは、Hi-Fiオーディオメーカーとして唯一の“英国王室御用達ブランド”なのだそうである。また世界最高の豪華客船クイーンエリザベス2世号、そしてその座を受け継いだクイーンメリー2世号の、リファレンスミュージックシステム・サプライヤーでもあるという。
リン製品を愛する人は、そのシステムラインに他のブランド製品を入れたくないと思う人が多い。そして、音楽を聴くことが何よりも好きで、あまり機器自慢をしない。それは歴史は短いながらも、創業以来の物づくりのポリシーを守り続け、豊かで輝かしいキャリアを積んでいる、リンの基本姿勢と相通じるところがあるからなのかもしれない。




