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| 広い部屋にセットするとこんな感じになる |
「Electra 1037Be」は2006年7月26日掲載の第41回本欄で紹介した「Electra1027Be」の上級モデルで、最大のグレードアップポイントは、ウーファー部にある。「1027Be」は16.5cm口径のユニットを2個搭載していたが、「1037Be」は18cm口径3個搭載に強化されている。JMラボ独自の「W サンドイッチ」構造のウーファーで、本来重厚な音でありながら鈍重にならない、というメリットがあったが、今回は口径も大きくなり、数も増えたので、低音域の再現力は飛躍的に拡大した。
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しかし、低音域を拡大すれば、中高音域もそれに合わせてチューニングしなければ、再現性は損なわれる。もちろんその点は抜かりがない。トゥイーター、スコーカーは口径、素材とも変更はないが、ウーファーとスコーカーとのクロスオーバー周波数が350Hzから230Hzに変更され、当然ネットワーク回路の設計が変更されている。さらにキャビネットも大きくなっているので、ドライブユニットのマウント位置・方法、補強材の配置や量などにもかなりの変更が加えられている。その結果、大きくなったけれども、能率は91dBから93dBと高くなっているのも注目される。
さて、メーカーのホームページにもあまり詳しい技術解説が載せられていないし、新しい発売元のホームページには、まだJMラボのページが開設されていないので、技術的詳細は、レフィーノ&アネーロの金子さんの説明に譲ることにして、試聴の印象を報告することにします。
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| トップをみるとキャビネットの形状がよくわかる |
キャビネットが大きくなった分、音の放射性は雄大さを増した。もちろん再生のスケール感は、鳴らす音楽の形と音量との相関関係によるので一概にはいえないのだが、やはり鳴りっぷりにゆとりが加わったことは確かである。
響きは豊かでありながら、音の輪郭線がくっきりとしているのは、これまでのJMラボのスピーカーと変わらないが、中低音域が充実したので、編成の大きな音楽のフォルテでは腹にずしんとくるエネルギー感に、壮麗と表現したくなるような厚みが増したように感じられる。
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| 堅固なキャビネット構造 |
こういう堅固なキャビネットに、強力なユニットがガッチリと組み込まれると、再現性に軽快さが失われるように思われがちだが、そこは、四半世紀を超えるスピーカー作りのなかでノウハウが十分に蓄積されているので、少しも心配はいらない。日本の多くの人がもつ、“フランスらしさ”というものは軽やかで、デコラティブなイメージがあるかもしれないが、本来のフランスらしさは、“クラルテ”つまり明瞭さにある。議論をしてもフランスの人は納得できるまで徹底的に論理的に追求する。
JMラボのスピーカーは、その外観からは、アールヌーボーだとか、アールデコというイメージはまったく浮かばない。しかし、ガッチリした粒よりの音を力強く放射する響きの背後に、ほんのりと軽やかな遊び心が潜んでいるのが聴き取れるのである。これこそ、フランスらしい“音の味”ではないかと思った。




