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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
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2007.10.11更新

Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 86.C.E.C.のベルトドライブCDプレーヤーと真空管アンプを聴く

BELT DRIVE CD PLAYER C.E.C. TL53Z 価格 231,000円(税込)
VACUUM TUBE INTEGRATED AMPLIFIER C.E.C. TUBE53 価格 283,500円(税込)

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高性能デジタル機器だが、アナログライクな雰囲気を満喫できる

デジタル技術が成熟し、ダイナミックレンジにしても、周波数特性にしても、SN比にしても、かつては信じられなかったような高いレベルで、しかも豊かな再現性で音楽を聴けるようになった。しかし同時に、取り扱いがあまりにも簡便で、外観デザインもあまり個性のない製品が多く、オーディオライクな趣味性が少し減退したような気がするのは否定できない。

やっぱり、アナログプレーヤーのように、音が出るまでにいろいろと手を掛けるのが、楽しいという人も多い。そして、カートリッジやトーンアームを変えたり、針圧を調整したり、失敗も多かったが、自分好みの音を作る悦びがあった、そう感じることって、たしかにあります、ね。


レフィーノ&アネーロ1階にセットされた「TL53Z」と「TUBE53」
レフィーノ&アネーロ1階にセットされた「TL53Z」と「TUBE53」

しかし、オーディオの理想を追求する技術的側面からみれば、やはり音楽の収録から再生までトータルで、“純度”や“精度”は、断然デジタルが有利だ。アナログに比べてCDは音が冷たい、なんて多くの人がいうけれど、そんなことはない。性能的には比べ物にならないぐらいデジタルは優れていて、もし“冷たい”とか“硬い”という印象を受けるとしたら、それは十分にデジタル機器を使いこなしていないのと、高精度な音に慣れていないからだ、と当欄案内人は25年デジタルと付き合って確信する。

しかし、しかし、デジタル機器に遊び心が足りないのも前述のとおり確かなことだ。そこで求められるのが、性能を損なわずに、聴き手が手を掛けたり、目で楽しむ部分を加えられないだろうか、ということになる。本当に趣味製品としてデジタル機器が成熟するには、そのような人間の生理的反応にまで踏み込んだ製品づくりが必要になるのではないか、と思う。そこで今回は、その要求に応えるひとつの提案として、C.E.C.のCDプレーヤーと真空管プリメインアンプをとりあげることにした。


まず、CDプレーヤーだが、これが何とベルトドライブである。もっとも、C.E.C.はこの方式をかなり以前から研究していて、第1号モデル「TL-1」が発売されたのは、たしか1992年であったと思う。


「TL53Z」のフロントパネル。横幅は普通サイズの約1/2
「TL53Z」のフロントパネル。横幅は普通サイズの約1/2

アナログプレーヤーではベルトドライブの効用は十分に検証され、製品も数多く作られ、高級機の大半は今でもベルトドライブである。かくいう当欄案内人も糸ドライブ派であった。しかし、アナログプレーヤーの回転は角速度一定、つまり回転数が一定であるのに対して、CDプレーヤーは線速度一定、つまりピックアップの位置で回転数が変化する方式だ。

しかも、アナログより遥かに回転数が速い。アナログ盤の音溝は肉眼でもある程度確認できるが、CDの盤面はいくら見つめても鏡のように自分の顔が見えるだけ。つまり、音溝(CDではピットを刻むラインということになろうか)のサイズが顕微鏡レベルである。こういうことを考えると、CDプレーヤーをベルトドライブにして、はたして正確な信号読み取りが可能なのだろうか、と誰も疑問に思う。


参考図:ベルトドライブCDプレーヤーの1号機「TL-1」のメカニズム(「TL53Z」のメカではありません)
参考図:ベルトドライブCDプレーヤーの1号機「TL-1」のメカニズム(「TL53Z」のメカではありません)

それがじつは、可能であることを「TL-1」は見事に証明したのであった。それからおよそ15年、C.E.C.はさらにこの方式を磨き、現在のモデルはレギュラーサイズが「TL51XR」(税込価格162,750円)となっている。そして、コンパクトな横幅217.5ミリの最新モデルが、今回の主役「TL53Z」である。このサイズはコンビとなる真空管アンプと横に並べて、一般的なオーディオラックにセットできるサイズとなっている。



「TL53Z」の天板部にはスライド式のドアがあり、これを開けてディスクをセットする
「TL53Z」の天板部にはスライド式のドアがあり、これを開けてディスクをセットする

さらに「TL53Z」は、ベルトドライブを採用すると同時に、ディスクトレイを廃し、トップローディングにしている。天板部にスライド式の開口部があり、これを開けてディスクをターンテーブルに載せる。そして、ディスクの回転を安定させるために、スタビライザーをディスクに載せる。う〜ん、このあたりになると、かなりアナログプレーヤー感覚に近い扱いになる。面倒くさいと思う人があるかもしれないが、同時にこのような一連の動作を楽しく思う人もあるだろう。遊び心を感じさせてくれる、と案内人は思う。

そしてじつは、アナログライクな遊び心はもうひとつ思わぬところに秘められている。

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