「PM-13S1」の再現力は、組み合わされるプレーヤーやスピーカーによって当然違ってくるが、不適切な組み合わせでなければ、これがこのアンプの“力量” “個性”だと思われる傾向はある程度指摘できる。
新しいアンプを手に入れて、結線し、プレーヤーのプレイボタンを押して、最初の音が出てくるときほど、ワクワクする瞬間はない。「PM-13S1」からスピーカーに信号が送られ、何度も聴いた曲が鳴り始めると、あなたはきっとその違いにすぐに気づかれるはずだ。同じプレーヤーとスピーカーでも、アンプが代わると、あれっ、これが同じディスクの音だろうか、と驚かずにはいられない。
「ああ、いい音だなあ」というのが、真っ先に思い浮かぶ印象ではないだろうか。音の好みは人によってかなり違うし、音楽のジャンルによって求められる再現性の理想も異なるのだが、そういう次元を超えて、誰もが“いい音だ”と感じる音があることもまた事実なので、この「PM-13S1」の音はまさに、多くの人がいい音と感じるものなのだ。それはいったいどんな音かというと、
・再生全帯域で音の肌触りが滑らかであること
・高音域に金属的な硬さがなく自然な伸びやかさがあること
・低音域は悠然として豊かに響くが、だらしなく緩まないこと
・スピーカーの周りに音が張り付かず、試聴空間に音の粒子が浮かぶように広がること
このような条件をクリアした音が、多くの人に好みを超えて「いい音」という印象を与えるのである。「PM-13S1」はまさにそういう音をスピーカーから引き出す。
プリメインアンプとしては、決して安くはない価格だが、この価格のほかのアンプでは出せないサウンドが、「PM-13S1」にはある。そう思えば、決して高くはない。基本性能が充実しているので、経年変化にも強く、安心して長期間楽しむことができる、超オススメのプリメインアンプといっていいだろう。
さて、この「PM-13S1」に、SACD/CDプレーヤーの「SA-13S1」、B&Wのスピーカー「805S」を組み合わせたシステムを、マランツでは「ミュージック・ダイアログ」と呼んで推奨しているのだが、その組み合わせの特徴、ポイントをレフィーノ&アネーロの金子さんはこう語っている。
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| 試聴スペースの金子さん。抱えているのはB&W「805S」 |
――レフィーノ&アネーロで扱っている、世界のハイエンド・オーディオ製品には、システムで数千万円、単体のコンポーネントでも数百万円という製品が多いのですが、それぞれ個性があって素晴らしい音を聴かせてくれる、自信をもっておすすめできる商品です。
しかし、やはり販売していて現実的なことを考えることがあります。システムで数千万円というと、普通の方が簡単に買えるものではありません。深い感動を生む、優れた音を奏でるオーディオ製品が、一部の人にしか楽しめないということも残念なことです。
そういった思いはメーカーさんにもあるようで、何とか低価格でより優れた製品を世に出そうと努力しているところもたくさんあります。たとえばマランツの製品などは、まさにそうだと思います。
今回おすすめするこのシステムは、マランツの「ミュージック・ダイアログ」という高品位オーディオ・システムのひとつで、団塊の世代や、音にもう少しこだわりたいという音楽ファンに向けたものです。最近のiPodに代表されるデジタル・オーディオ・プレーヤーや、部屋のどこにでもポンと置いて気軽に楽しめるミニコンポも、スタイリッシュでアクティブな良さをもっていますが、もう少し深く音楽に臨場感や抑揚感を求めたいというときに、マランツのこのシステムは、ぴったりとあてはまるのではないかと思います。
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| SACD/CDプレーヤー「SA-13S1」のフロント・パネル |
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| SA-13S1」の内部 |
音楽が好きな人はアーティストのコンサートへ良く出かけると思うのですが、それは生演奏のあの緊張感と、その場に居合わせなければわからない雰囲気と、アーティストとの一体感が楽しみたいからだと思うんです。優れたオーディオ機器は、そういった生の演奏の素晴らしさをいつでも自宅で再現してくれる力をもったものだと思います。
このシステムから出てくる音はまさにそんな音楽の醍醐味です。これを聴いたら、みなさんはどのように思われるでしょう。もし音楽が本当に好きなら、このシステムのトータル90万円以下という価格は決して高くないと思われるはずです。もう一度オーディオを始めたいと思う方、今より深い音楽の感動に手を伸ばして見たい方、すべてにおすすめしたいと思います。



