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| 店内に展示されている「NeoClassico series」 |
ラックスマンの「NeoClassico series」の真空管アンプ「SQ-N100」はコンパクトに仕上げられているが、その駆動力は「SQ」の型番に恥じないなかなかの実力派。同シリーズのスピーカー「S-N100」は、小型2ウェイだが、もう少し大きなスピーカーでも問題なくドライブするだろう。
もちろん、オーディオ機器には相性という不可思議なものがあって、組み合わせは簡単ではないのだが、同じメーカーの同じシリーズ製品のものなら、その組み合わせで何度もテストされているだろうから心配はない。しかし、ある程度冒険をする覚悟もオーディオに慣れるには必要で、この「SQ-N100」なら、他のスピーカーともつないでみたくなる誘惑に駆られる。
スピーカーのスペック(仕様書項目の数値)で、出力音圧レベルとか能率と書かれた項目と、もう一点は入力インピーダンス、もしくは単にインピーダンスと表記された項目に注目して、この数字が他の標準的なスピーカーより低い場合は、つなぐのは避けたほうが安全だ。一方、見かけは「S-N100」より大きく見えても、能率が88dB以上、インピーダンスが6Ω以上のスピーカーであれば、挑戦してもいいのではないか、と思う。
真空管アンプのスペックを見ると、概して出力が小さい。トランジスタアンプなら数万円台のプリメインでも、すぐに50W+50Wとか100W+100Wなどとあるのに対して、「SQ-N100」は12W+12Wである。しかし、定格出力というスペック項目と、実際の駆動力は必ずしも一致するものではない。出力が小さくても立派に駆動する場合も多いのである。
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| CDプレーヤー「D-N100」のフロントパネル |
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| 真上から見たCDプレーヤー「D-N100」。大きなスタビライザーが目につく |
アンプの話が長くなってしまったが「NeoClassico series」のCDプレーヤーも、なかなかの実力派だ。CD専用機で126,000円は現在必ずしも安くはないが、その実力と造作をみると、なるほどと頷かれるだろう。キャビネット上部の、ちょうど駆動メカニズムの部分にアルミのパネルがスタビライザーとして張り付けられている点など、じつにきめ細やかな配慮だし、デザイン的にも高級感を演出している。重たい部品はアンダースラング構造という吊り下げ方式になっていることなど、構造上の対策が充実しているのが本機の最大の長所で、長期間の愛用に応える物づくり精神が発揮されている。
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| スピーカー「S-N100」のフロント |
スピーカーの「S-N100」もこのシリーズの高品位と高音質を象徴するにふさわしい出来映えである。見かけは、いわゆるブックシェルフ、小型2ウェイの典型だ。しかし、コストダウンによって性能が犠牲にされることなく、このサイズのスピーカーとしては充実した再現力をもっている。
ウーファーが130mm径のグラスファイバー製ハイブリッドコーンという、やや硬いイメージの振動板素材なのに対して、トゥイーターは25mmのシルクドームというソフトタイプであること、そしてクロスオーバー周波数が6kHzとかなり高めに設定されていることが、このスピーカーの再現性の素性を示しているように思う。楽音の主要帯域のほとんどをウーファーにもたせ、トゥイーターはまるでスーパートゥイーター的な扱いなのだ。それによって、中高域の柔軟さ、抜けの良さ、そしてスピード感があって歯切れのよく伸びやかな中低域の再現力が得られている。
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| スピーカー「S-N100」のリア |
今回はレフィーノ&アネーロの表 篤史(おもてあつし)さんに伺った。
――ラックスマンはスーパー・オーディオCDやDVDオーディオに代表されるハイビット、ハイサンプリング録音の再生に向けて、新しい時代のソリッドステート・アンプを数多く製作していますし、独自のD/A変換技術を投入したユニバーサル・プレーヤーなども開発しています。それでも、ラックスマンというと今でも優れた真空管アンプメーカーというイメージが強いようです。
“ラックス”は、1960年代に真空管アンプの名機「SQ-38」を大ヒットさせたり、1970年代には、LUX KITというブランドで自作用の真空管アンプキットを発売して人気を集めたりしたことからもわかるとおり、真空管アンプとの深い歴史があります。
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| 真空管らしい音にご満悦の表さん |
私はリアルタイムで見てきたわけではありませんが、往年のオーディオ・ファンからは「SQ-38」のことをよく聞きます。かなり高価なアンプだったものの、当時流行したジャズ喫茶などでは必ずといっていいほど見かけた製品で、その心に染み渡るような温度感のある音には、何時間でも聴き入っていたくなるような深い魅力があったそうです。
LUX KITのほうも今ではなくなってしまいましたが、再び復活しないものかという問い合わせをよく受けます。そういったファンが根強いせいで、今でもラックスマンというと真空管アンプのメーカーというイメージが強く残っているんだなあと感じます。
そんなブランドイメージをもつメーカーだけに、真空管アンプを新しく発売するたびに大きな注目が集まります。特に今回の新製品は、これまでとは異なる趣向で、新しく「NeoClassico」シリーズとして、より多くのオーディオファンのために作られたもので、往年のファンはもちろん、若い世代からも注目を受けているようです。
2005年で創業80周年を迎えたラックスマンの歴史は、まさに日本のオーディオとともに歩んできたものだといえます。そのラックスマンが、団塊の世代へ向けて、むかし若いころに夢中になったオーディオにもう一度回帰して欲しい、という願いを込めてこの製品は誕生しました。扱いやすいコンパクトなサイズに、手頃な価格設定、それでいてラックスマンならではの高級感と上質な質感を備えた魅力溢れる製品です。
音のほうですが、近年のラックスマンの真空管アンプは、真空管を使いながらも現代的な音に仕上がっているものが多かったのですが、この製品は真空管アンプらしい音に感じました。もう一度オーディオを始めようという方には、ぜひおすすめです。――






