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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
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2007.7.25更新

Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 79.ソナス・ファベールの真髄を身近に聴かせてくれる「elipsa」

SPEAKER SYSTEM sonus faber elipsa 価格 2,730,000円(ペア/税込)
TUBE PREAMPLIFIER HOVLAND HP-100 価格 945,000円(税込)
TUBE POWER AMPLIFIER HOVLAND Sapphire 価格 1,627,500円(税込)

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あの“オマージュ”がサイズも価格もダウンして、入手しやすくなった

ソナス・ファベールの「オマージュ・コレクション(homage collection)」には、クレモナの偉大な弦楽器製作者の名が付けられている。登場順に並べると、1993年の「グァルネリ・オマージュ(guarneri homage)」、99年の「アマティ・オマージュ(amati homage)」、そして2004年の「ストラディヴァリ・オマージュ(stradivari homage)」となる。16世紀から18世紀にかけて活躍したかれらの作品は、今日でもこれ以上はない楽器として、世界中の名演奏家の垂涎の的となっている。3つのソナスのスピーカーは音楽をこよなく愛するソナスから、クレモナ出身の3人の歴史に残る名工たちに捧げられたものである。

オーディオ界ではそれまで見たこともない精巧な木工細工によるキャビネットに、伝統的なオーディオ技術と最新のオリジナルテクニックを融合し、これを惜しみなく投入したソナスのスピーカーたちは、20世紀末から21世紀初頭にかけて、あたらしい時代を担う高級本格派フロア型スピーカーの代表的存在として、世界中の音楽・オーディオファンから高い評価を受けている。

小さくなったといっても、美しい仕上げ、その品位あふれる姿は“ソナス・ファベール”ならではのもの

これら3機種の中で、最後に登場した「ストラディヴァリ・オマージュ」は、それまでのオマージュ・コレクションにつぎ込んだ技術を磨き上げて造り込まれた、まさにソナス・スピーカーのフラグシップモデルとなるものだ。サイズももっとも大きくて、650(W)×1,360(H)×500(D)mm、重量は75kgであった。最初の「アマティ・オマージュ」のサイズは、265(W)×1,170(H)×560(D)mm、57.5kgであった。このスペックからも読み取れるように、アマティとストラディヴァリでは、大きさだけではなく形の上での重要な違いがある。それはキャビネットの形で、アマティでは「リュート・シェイプ」と呼ばれる、前面横幅が狭く、後方に向かってくびれる細長い形になっている。水滴が落ちる時の形になっているので「涙滴」状などともいわれることがある。最初に登場したグァルネリのキャビネットも、小型ではあるが同じリュート・シェイプであった。
 

    案外横幅が広く感じられる

それに対して、ストラディヴァリの形状は“リュート形を平面バッフル方法論に発展させた”ものだと、説明されている。通常のボックス型キャビネットに比べると、奥行きは短いが、前面バッフルの横幅が相対的に大きくとられている点では通常型に近い。しかし上から見ると、その断面は緩やかな楕円形になっている。平面型とボックス型の有利点を融合したような形といったほうがいいかもしれない。そしてさすがソナス・ファベールだけに、この形においてもじつに見事な木工細工がつぎ込まれている。


さて、今回登場した「elipsa(エリプサ)」はメーカーによると、
「ストラディヴァリ・オマージュの美音をより多くの音楽ファンにお届けするために設計されました。“楕円形”を意味する“elipsa”の名のとおり、キャビネットをはじめとするストラディヴァリ・オマージュで培われた数々のテクノロジーを継承しながらも、よりお求めやすいサイズと価格で、ストラディヴァリ・オマージュの美音とともに、Cremonaがもつ豊かな響きと使い易さをも実現しました」
 と、説明されている。「Cremona(クレモナ)」は、2003年に発売されたシリーズで、これまでに「クレモナ1,260,000円(ペア/税込)」、「クレモナ・アウディトール(Cremona auditor) 577,500円(ペア/税込)」などがあり、さらにセンタースピーカーやサブウーファーもラインナップされている。


背面。がっしりした後姿


「仮想無限大バッフル楕円キャビネット」とソナスがいう、ストラディヴァリ・オマージュで具現化した理想を、ストラディヴァリより小さい現実的なサイズのキャビネットで実現したのが「エリプサ」だ。曲線を描く前後のパネルは、20枚の異なるウッド・シートを積層構造にしたもので、上面と底面には無垢のソリッド・メープル材が使用されている。縦方向の振動モードを分散させるため、メープル・ウッドピースの間には黒色ダンピング材が挟み込まれている。
 見た目の美しさもさることながら、ソナスの木工技術によって極めて剛性の高い構造のキャビネットが生まれ、そこからの再生音は、水面に石を落としてできた同心円形の波が静かに四方に伝わっていくように、滑らかに、どこかに滞ることなく放射されていくのである。
(3つのユニットと、ネットワーク回路も同時にリニューアルされているが、それは発売元のホームページでご確認ください。)



「ストラディヴァリ・オマージュ」のようなスピーカーを一目見たら、そしてその音をひとたび聴いたなら、音楽、オーディオを愛する者なら、きっと誰もが欲しくなってしまう。しかし、そのサイズと重量、そして、5,250,000円(ペア/税込)という価格は、誰もがすぐに入手できるというレベルのものではない。自分のものに出来る仕合わせな人より、残念ながら諦めざるを得ない不幸な人のほうが多いはずだ。

床置きはこのような脚部になっているので、安心だ

そこで、ソナス・ファベールは懸命にダウンサイジング、低価格化に努めた。その努力の成果として生まれたのが「エリプサ」なのである。横幅が半分以下になったので、ずいぶん小さくなった印象を受ける。性能を維持するために、その他の数値が半分以下にすることは無理だが、これでかなり扱いやすさは高まった。そして、価格は、なんと48パーセントダウン、つまりほぼ半分ちかくになったのである。
 音楽、オーディオのページで価格の話は、あまり上品ではないかもしれないが、いくらいい製品でも、自分のものにできないのでは、話にならない。いや、話でしかない。今回はご無礼の段、平にご容赦願いたい。それを強調することが、ソナス・ファベールの誠意にも報いることになるのではないだろうか、と思った。

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