ご存じのように、オーディオシステムは大きく分けて、プレーヤー、アンプ、スピーカーの3要素で構成されている。このうちのどの部分が欠けても音は出ない(ヘッドフォンで聴く場合は別)。そして、最終的にスピーカーから出力される音は、3要素それぞれの能力、性質と分かち難く結びついているのだ。つまり、あるシステムで、プレーヤーを替えれば音は変わる。アンプを替えても音は変わる。もちろんスピーカーが替われば音はもっとも大きく変わってしまう。それぞれの部分に目指す音があり、それが組み合わせられて、互いに影響しあって最終的な音となるのである。
そういう関係にあるので、設計者は自分の目指した音が、なるべくそのとおりに所有者のところで再現されているかを、とても気にかけている。しかし、製品として機器が世に出て購入者の手に渡ってしまったら、どうすることも出来ないのが現実である。
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| 専用スタンドにセットし、CDプレーヤー「G06」に接続された「DSP3100」 |
たとえば、アメリカのスピーカー・ブランドに、日本でも人気の高いボーズがあるが、もうずいぶん前のことだが、その総帥であるボーズ博士にこんなお話を伺ったことがある。
「スピーカーを世に送り出すときに、いちばん気になるのは、それがどんな場所で、どんなアンプにつながれるのか、まったくわからないことである。その点、カーオーディオの場合は、ある車の純正品に採用された場合なら、少なくともそのスピーカーが使われる環境から関連機器まで、かなり正確にコントロールできるので、設計者としてはやりやすい」
オーディオ機器の設計者の多くは、それがどんな機器でも同じような気持ちでいるに違いない。
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| 「DSP3100」本体 |
今回、メリディアンのアクティブスピーカー「DSP3100」を紹介するのは、そんなオーディオ事情を考えてみた結果でもある。アクティブスピーカーというのは、簡単にいえば「アンプをもったスピーカー」である。普通の場合はアンプは別に用意して、スピーカーにつなぐのだが、つながれるアンプによって、そのスピーカーの音はさまざまに変わる。それはそれで、オーディオの楽しいところで問題ないのであるが、設計者あるいはメーカーとしては、できるだけそのスピーカーの音を、自分たちのイメージした音で再生してほしいと思う。そこで、スピーカーにアンプを内蔵すればその分、設計者側のコントロールが行き届くのである。
もうひとつのメリットとして、アンプをスピーカーに内蔵すると、両者を結線するケーブルが不要になる。これで、ケーブルによる音の変化や劣化を排除できるのである。同時に、長く引き回したスピーカーケーブルに飛びつく電波によるノイズの混入も排除できる。
しかも、このアンプはデジタル処理回路(DSP)が含まれており、プレーヤーからデジタル信号で入力すれば、その信号はネットワーク回路を含め最終段階までデジタル処理される。これも大きなメリットで、メリディアン自身は「DSPスピーカーは、スピーカー・フィロソフィーの究極的な表現です」といっている。
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| 「DSP3100」と「G06」 |
メリディアンはもうずいぶん前から、プレーヤー、アンプを中心に魅力的な音で、しかも外観デザインの優れた製品のブランドとして、わが国でも高い人気を得てきた。いわゆる四角い箱で、シルバーかゴールドの色調が圧倒的に多いオーディオ機器のなかで、その装いは斬新で美しかった。同時に、デジタルが主流になるにつれ、この分野でも独創的で優れた技術を生み出している。たとえば、DVDオーディオでは「メリディアン・ロスレス・パッキング」という圧縮方式が正式にサポートされている。
そのような、アナログ、デジタルの両域で優れた技術をもつメリディアンの、DSPアクティブスピーカーだ、というだけでも、ちょっと聴いてみたくなるのが、オーディオファン気質というものである。そうです、聴いてみる価値あり。ぜひ、レフィーノ&アネーロにお出かけいただきたい。現在、2階のホームシアター体験コーナーの横に展示され、随時試聴が可能だ。



