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| スムーズな音の流れが気持ち良く、音場感も豊かと語る金子さん |
それでは、レフィーノ&アネーロの金子さんに説明していただくことにしよう。
以前にも一度ご紹介しましたが、当店2階には「Weekly Selection」というコーナーがありまして、週替わりでオススメのシステムをご紹介しています。現在はそこにティアック エソテリック カンパニーの新しいスピーカーをセッティングしております。「Weekly Selection」なので週があらたまれば別の場所に移動しますが、試聴はいつでもできますのでぜひご来店のうえ、エソテリック初のスピーカーをお聴きください。
ティアック エソテリック カンパニーから発売されたスピーカーはトールボーイタイプの「MG-20」と、ブックシェルフタイプの「MG-10」ですが、今回オススメするのは「MG-20」のほうです。エソテリックブランドを創設して20周年を記念する、アニバーサリーモデルですが、外観スタイルを見ただけでも、強い意気込みが感じられます。
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| ガッチリした姿だが、優雅さも失わないキャビネット |
最大の特徴は、ドライブユニットのダイヤフラム(振動板)とウーファーのセンターキャップに、マグネシウム合金が使われていることです。この軽量で反応が速く、高い強度をもつ、マグネシウム合金という素材を使ってスピーカーを造ろう、というのが開発のきっかけだったようです。エソテリック カンパニーでは、「マグネシウムは実用金属中、もっとも軽量で極めて俊敏な応答特性を誇る振動板素材」といっています。
事実、マグネシウム合金の重要な特徴は、まず軽量であることで、現在工業的に使用されている金属の中では最も軽いものだそうです。航空機や自動車、スポーツ器具、パソコンのボディなど、従来鉄などが使われてきた代わりにマグネシウムが使われるものが多くなっています。軽量なので、重量による事故や損失を防ぎやすく、安全性の向上などを可能にした素材です。
しかし、このマグネシウム合金は加工が難しいとされていまして、正確な形に形成するのは最近まで大変だったのですが、近年優れた形成機が開発され、スピーカーにも用いられ始めたのです。そういえば、フォステクスのスピーカーユニットにもマグネシウム合金を使ったものがあります。
ユニットの配置は2つのウーファーがトゥイーターを挟む、バーチカルツイン(仮想同軸2ウェイ)となっています。これはタンノイのデュアルコンセントリックという個性的なユニットを長年扱ってきた経験を活かしながら、独自性を出すという方向でしょう。特に珍しい形ではありませんが、バッフルへの取り付けや、磁気回路には工夫があります。トゥイーターのマグネットは最強といわれる「ネオジウム」が採用され、ウーファーはユニット背面にもう一つマグネットを加えた「デュアルマグネット」にしています。これらはいずれも振動板のマグネシウム合金が、その性能を発揮しやすくするための工夫です。
2ウェイですので、ネットワーク回路が入りますが、ここにもかなりの工夫があるようで、タンノイでも実績のあるイギリス製の高品質コンデンサーが使用され、音質劣化を抑制するダンピングも徹底して、この回路を通ることによる伝送ロスを最小限に抑え、位相特性への悪影響を排除しています。
またキャビネットは、ヨーロッパ北部産の密度の高い樺材(バーチ)が使われ、仕上げはチェリーの無垢材と突き板、そしてサイドウッドがウーファー部で丸く仕上げられているのがアクセントになっています。内部の補強も入念です。
これらの製造上のノウハウは、タンノイの音響テクノロジーと木工技術が十分に吸収されているんですね。そういう意味では、今回の記念モデルは、長年のタンノイ社との交流の上に、エソテリック(ティアック)のオーディオ技術が活かされた、日英合作といってもいいような共同作業で完成したのではないでしょうか。
さて、その音ですが、重厚感溢れるパンチのある音というイメージよりも、むしろ音の立ち上がりの俊敏さ、気持ちの良いスムーズな音の流れというものが印象に残る、と私は感じました。音場感も豊かで、部屋一杯に広々と広がる音の波に包まれて聴くような雰囲気です。迫力とかインパクトを求めると少しもの足りないと思われるかもしれませんが、この音場感の気持ちよさはピカイチです。これがマグネシウム合金振動板の特徴なのでしょうね。エソテリック最初のスピーカーの登場を素直に嬉しく思います。
なお、プレーヤーとアンプは、このコーナーではマランツの「 SA-13S1」と「PM-13S1」となっていますが、このクラスのプリメインアンプでも、非常に鳴りっぷりがよく、音楽のニュアンスの表現も十分です。もちろん、エソテリック製品との相性は抜群だと思いますが、これは場所を変えた時につないでみようと思っています。もちろん、ほかのいろいろなアンプでも試聴できますので、ぜひ一度ご来店の上お聴きください。
―エソテリックの目指すところの一つは、高品質の入力信号に素直に反応するスピーカー、ということであったかもしれない。タンノイはどちらかというと、タンノイ流の表現という“個性”が魅力のポイントで、極端にいえば、その表現のためにはキャビネットが少々振動してもかまわない、測定値が少々乱れて現れても仕方がない、という考え方だろう。それに対してエソテリックは、キャビネットの振動は可能な限り抑え、あらゆる部分での無駄な共振を排除する。ドライブユニットの振動板は、軽くて応答性がよく、内部損失が十分で、素材のキャラクターが乗らないようになどと、これまでに蓄積してきたオーディオの科学的な部分のノウハウを、しっかりと守る。そうすることによって、入力された信号を限りなく録音製作者が意図した音に近い形で再現できる、そのように考えているように感じられる。まだほんの短時間しか聴いていないが、その方針は、極めていい形での音楽表現に結実しているのではないかと思われた。
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| マランツのSACD/CDプレーヤー「SA-13S1」 |
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| マランツのプリメインアンプ「PM-13S1」 |
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| 「PM-13S1」の内部 |





