プレーヤー、プリアンプ、パワーアンプがすべて同じ高さの1Uサイズで、横幅、奥行きもまったく同じだから、ラックに納めても、積み重ねても実にキレイにまとまる。なお、1Uの高さは正確には「44.45mm」だが、メーカーの仕様書では「45mm」となっている。さて金子さんの話はさらに続く。
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| CDプレーヤー「ORPHEUS ZERO P」 |
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| プリアンプ「ORPHEUS TWO」 |
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| モノラルパワーアンプ「ORPHEUS THREE M」 |
CDプレーヤーとプリアンプは、非常にオーソドックスな手法でできていると感じました。もちろん、CDプレーヤーは1Uに合わせるために、フィリップスのメカを改良していますし、プリアンプは初代機からマイナーチェンジを重ねて4世代目にあたるわけですが、基本的なコンセプトと技術に大きな変化はなく、むしろ同社の技術を成熟させたものといえばいいのではないかと思います。
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| 「ORPHEUS ZERO P」の内部 |
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| 「ORPHEUS TWO」の内部 |
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| 「ORPHEUS THREE M」の内部 |
あまり耳慣れない新技術が投入されているのは、パワーアンプですね。ひとつは、「バーチャル・エレクトリカル・アウトプット・トランスフォーマー」というもので、電気的にアウトプットトランスを生成する方法だそうです。詳しいことは私も分からないのですが、安定した駆動力を得る優れた技術だとメーカーは説明しています。
もうひとつは、「キャパシタンス・マルチプレイヤー・サーキット」という技術です。「ORPHEUS THREE M」はパワーアンプとしては小さな筐体ですから、大型アンプのように大きな電解コンデンサーを搭載することはできません。そこで内部を見ますと小さなコンデンサーが22個並んでいるのが分かります。その総容量は、48,400μF(マイクロファラッド)なのですが、トランジスタの増幅特性を生かして、電気的に容量を20,000,000μFまで引き上げているのだそうです。20,000,000μFといったら大変な容量で普通のタイプのコンデンサーですと、相当な大きさになってしまいますね。非常に興味深いのですが、詳しいことはまだ分かっていません。まあ、この技術集団は絶えずより精度の高い、優れた再現力を求めて切磋琢磨しているのでしょう。私たちには、ひとつひとつの技術が、実際の音とどのように関わっているのか、よくわからないことも多いのですが、この集団の真摯な姿勢は評価していいと思います。
さて、そこでその気になる音なんですが、現在、試聴室ではスピーカーはB&Dの「802D」につないでいます。そこから出てくる音は、解像度が高く定位感の明瞭な、まさにB&Wサウンドです。オルフェウスをつないだことによる“色付け”をまったく感じさせません。これはつないだスピーカーの個性をストレートに引き出す能力があるということを示しています。オーディオ機器は、存在を感じさせず、ただストレートに音楽そのものをリスナーに伝えるものであるべきだと、よくいわれますが、まさにそういったオーディオ機器なのではないかと感じました。
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| スピーカーのB&W「802D」 |
オーディオや電気関係の技術の詳細については、発売元のホームページをご覧いただくとして、まずは内部の写真をみていただきたい。3つの機器のボックスはまったく同じ体積で、その内部のレイアウトもまたよく似ている。実に整然として無駄がない。プレーヤー、プリアンプ、パワーアンプという役割の違いを超えて、ボックスのなかで部品はどう配置されるべきか、部品と部品をつなぐケーブルはどのように引き回したらいいのか、内外部の振動による悪影響を最小限に抑えるには、どのような配慮が必要なのか、という設計の基本が実に見事に具体化されている。この内部レイアウトを見ただけで、どんな音がするかが想像できるほどである。
ノイズ感のないスッキリとした伸びやかな音、開放感がありながら、細部の描写はキメ細かい。低域は鈍くならず、高域は金属的な響きがつかずに素直に伸びる。こういった特徴が、金子さんのいう“色付けのない音”に結びつくのだろう。スピーカーをねじ伏せて、強引に鳴らすというのではなく、スピーカーの良さを十分に引き出すことに専念しているように感じられる能力。こういうと簡単なように聞こえるが、実はプレーヤーとアンプに、本当の力量がなければ不可能なのである。傑出した製品といっていいだろう。







