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| スリムで柔らかなフォルムが印象的な試聴スペースの「Fi-EX」 |
オーディオで中国製品というと非常に珍しいように感じる。しかし、中国で生産されたという意味での中国製品なら今や少しも珍しくはない。コンピューターや電子機器からさまざまな家電製品、あるいは衣類、装身具から家具まで、なんらかの形で中国がかかわっている製品は数知れないほど多くなっている。
しかし、今回登場するスピーカーシステムは、企画から製造まで本格的な中国製品といっていいものである。編集部のある東京・神田神保町界隈の飲食店に従事する中国の人たちに訊いても、CAVは大変よく知られている。両親の家ではCAVを使っています、と答える学生さんにも出会った。
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| 中高域ユニットはバーチカルツインの配置で取り付けられている |
もっともCD登場以降のオーディオ機器は、「○国製」ということにかつてのような意味合いは薄れてきている。それは、スピーカーでいえば、振動板の素材はA国製、線材はB国製、プレーヤーでいえば、駆動メカはC国製、D/AコンバーターはD国製などというように、一つの製品の中に異なる国で製造された部品、部材が組み込まれているのが普通のことになってしまったからである。
さて、レフィーノ&アネーロの2階、階段を上がってすぐ前に『Weekly Selection』というスペースがあり、今ここに展示されているのが、CAVのスピーカー「Fi-EX」である。では、CAVとその製品について、金子さんに説明していただくことにしよう。
「CAV(シーエーブイ)」というブランドは、中国広東省の広州に自社工場をもつ「CAV AUDIO」という会社のものです。昨年(2006年)には日本でその製品の販売を担当する会社として、CAV社と日本資本の合弁で「CAVジャパン」も設立されました。この会社は単なる輸入販売業務だけではなく、日本国内の市場環境に合わせた製品の製造を本国のCAV AUDIO社に要求したり、独自企画の商品を開発したりといった業務も行なう予定だそうです。
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| ウーファーはキャビネット下部の内側に取り付けられている |
2006年10月には製品発表会も行なわれて話題を呼びました。今回紹介するのは、2chピュアオーディオ用のスピーカーですが、他にもアンプやサラウンドサウンド用のスピーカーも作っていて、中国では広州や北京のオーディオショップ約1,500店で販売され、売り上げベースで15%のシェアをもっています。さらに、アメリカやカナダを始め、ヨーロッパの各地でも50カ国以上で販売を行なっています。
1990年代に設立されたまだ若い会社ですが、広州の生産工場は18万平方メートルの敷地面積をもち、従業員は600人で、そのうちの6分の1が技術者だそうです。この規模は日本の大手メーカーのオーディオ部門にもなかなかないのではないかと思います。すごいですね。中国の勢いを感じさせるメーカーです。
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| 背面下部のバスレフポートと入力端子 |
CAVジャパンは、社長の法月利彦さんによると、2007年はオーディオ専門店を中心にCAV製品の販売を開始して、初年度の売り上げ5億円を目指しているそうです。日本の老舗オーディオブランドもうかうかしていられませんね。
さて、スピーカーの「Fi-EX」ですが、キャビネットは近年のヨーロッパのスピーカーに多く見られる流線型のフォルムで、独自の技法による入念な手作業で13回の研磨処理が行なわれたピアノ塗装となっており、極めて美しく仕上げられています。通常の海外ハイエンドオーディオ機器なら、ペアで100万円を超えるといっても驚かない高級感あふれる製品ですが、これがなんと20万円そこそこの価格設定ですから驚きです。
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| 2つのキャビネットが前後から嵌合した形の構造 |
もちろん100万円を超える本格的高級フロア型システムに比べれば、敵わない面もあるかもしれませんが、現在一般的な20万円クラスのスピーカーをはるかに超える再現力をもっていることは間違いありません。仕上げも本当に美しいのでインテリアとしても映えるでしょう。オーディオ機器でも今後は優れた製品が中国から生まれてくることを予言した製品かもしれません。ぜひ、価格クラスを超えた音楽表現力に皆さんも触れてみてください。 |