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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
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2007.1.31更新

Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 60.タンノイの創立80周年記念モデル「スターリングSE」を聴く

SPEAKER SYSTEM TANNOY Stirling/SE    価格 567,000円(ペア/税込)

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タンノイの魅力は音楽との相性が合致したときのえもいわれぬ音色

創立80周年記念モデル「Stirling/SE」

タンノイといえば、クラシックに合うというイメージがあるようですが、私はジャズもいいんじゃないかと思っている一人です。実際にタンノイでは、個人的にはいつもクラシックよりジャズを楽しむことのほうが多いんです。この「スターリングSE」は特にビル・エヴァンスの、『ワルツ・フォー・デビー』などを聴くととてもいい感じですね。

タンノイ創立80周年記念モデルとして発売されたプレステージ・シリーズ4モデルのひとつである「スターリングSE」ですが、価格は2本ペアで567,000円です。私はこれは実に安いと思っているのですが、いかがでしょうか? といいますのも、タンノイは30年ほど前に「VLZ」というモデルがありまして、これがペアで40万円ほどしました。この時の大卒初任給は約3万円といわれていました。40万円は当時の私の年収に値する価格でした。それが今では大卒初任給の3ヵ月分で楽々買えますね。このことが頭に深く刻まれているので、タンノイは30年前よりずいぶん身近なスピーカーになったのだなあ、としみじみ感じているのです。オーディオショップにある「VLZ」を指をくわえて見ていた時代から考えると、まさに夢のようです。

バイワイヤリング対応の入力端子

私はタンノイの音が非常に好きでして、タンノイの音が嫌いだという人がいると「そんなことはない」と説得するのが一つの楽しみにもなっているぐらいです。嫌いだという人に聞くと、「タンノイの音は何か足んない」と駄洒落で表現するんですが、要するに「高域の伸びがなくて、低音がぼやけて感じられる」ということのようです。

楽曲によってはそのような響きに感じられることもあるかと思いますが、それは好みの違いによることが大半の理由なので無理やり否定もできません。しかしその代わりタンノイと楽曲との相性が見事に合致した時には、えもいわれぬ音色を響かせてくれるのです。たとえばクラシックを聴くと、ストリングス特有の味わい深い響きなど、まさに人が「タンノイならでは」と夢中になる響きがします。これがオーディオの醍醐味だ、と思うしかない瞬間ですよね。

レフィーノ&アネーロ2階奥にある「スピーカー比較試聴コーナー」。ここでいろいろなスピーカーとの比較試聴ができる

スピーカーがどんどん未来的な形に変化して、材質も特殊な素材が使われ始めている中でも、木製のキャビネットとデュアル・コンセントリック(同軸2ウェイ)にこだわっている点もいいですねえ。最近、楽器屋さんで聞いたのですが、アコースティックギターを作る良い素材がなくなってきているそうです。ブラジリアン・ローズウッドが希少なことはもちろん、マホガニーも今後入手困難になっていくとか。ヴァイオリンに最適といわれる木材もどんどん減っていくんですね。

そういう時代にあって、木製キャビネットのスピーカーというのも、今後希少価値の高いものになっていくような気がしました。科学的な根拠などないんですが、木でできた味わい深いスピーカーで、じっくりと音楽を楽しむって、この時代、最高の贅沢のような気がしませんか?

ハードエッジタイプのクルトミューラー社製ウーファーコーンを採用した、10インチのデュアルコンセントリック・ユニット、そしてコンピューター解析に基づく超精密成形で、正確な球面波を放射するTWトゥイーターホーン、そしてこれを納める無垢材のキャビネット。この組み合わせがもたらす、クラシックからジャズ、ポップスまで、ジャンルの垣根を超えて、リアルで奥深い音楽再現力は、タンノイならでは。80周年記念モデルは、その再現力をさらに磨きあげた一品といっていいでしょう。

ぜひ、お店でタンノイの良さを体験してください。

仕様
 Stirling/SE
 型式  バスレフ(DPS/ディストリビューテッド・ポートシステム)
 使用ユニット   25cm(10インチ)同軸2ウェイ
 入力インピーダンス   8Ω
 クロスオーバー周波数  1.7kHz
 出力音圧レベル  91dB(W/m)
 周波数特性  35Hz〜25kHz
 外形寸法  398(W)×855(H)×368(D)mm
 重量  23kg

製品の詳細は:ティアックエソテリックカンパニー
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