本格的なオーディオとなると多くの場合、プレーヤー、アンプ、スピーカーという主要機器がそれぞれ別になっていて、これをケーブルでつないで接続しなければならない。機械が好きな人には楽しみだが、苦手な人には面倒な作業である。というわけで、いくつかのセクションが1つのボックスに納まって、結線の必要がない製品が昔から用意されている。
1960年代には、スピーカーまでがワンセットになった“アンサンブル・ステレオ”という製品が全盛であった。それから、組み合わせ機器はあらかじめ決まっているのだが、各部が分かれていてセッティングに自由度をもたせたシステムコンポ、そして“ミニコン”システムの時代となる。一方で、放送プログラムを受信するチューナーとアンプを1ボックスに組んだレシーバー、さらにカセットデッキを追加した“ラジカセ”が人気を高めてくる。
このようなセットオーディオとかシステムオーディオと呼ばれる、機器複合型のオーディオ製品は、特別なものを除いて大半が、安価で機械の操作が得意ではない方にも簡単に扱える簡易型オー
ディオとして、単品製品(コンポーネント)を自分で選んで組み合わせる高性能な本格的オーディオとは区別されている。
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| ELACのスピーカーと接続された試聴スペースの「note」 |
ただし、ここまでは一般論である。主要セクションがバラバラであるとか、あらかじめワンボックスに組み上げられているかどうか、という次元を超えて、オーディオには単品製品を選んで組んだ本格的オーディオに負けないほどの高音質をもつシステム製品もあるのだ。その代表的なものが、今回ここで紹介する、オーラ(Aura
Design)の「note」ような製品である。これは単品コンポーネントを開発するのと同じ情熱と技術をワンパッケージに注ぎ込んだ、ハイクオリティ製品なのだ。では早速、レフィーノ&アネーロの金子さんに紹介していただこう。
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正面から見た「note」。CDプレーヤーはトップローディングで
アナログ感覚にあふれている |
「Aura note」は、レフィーノ&アネーロの店長、佐藤が特にお勧めする製品です。Auraはイギリスのブランドですが、イギリスを象徴するビッグベンの写真とともに、ショウウィンドウに展示されていることからも、その力の入れようがわかるのではないかと思います。
Aura(オーラデザイン社)は、1989年にイギリス南部の小さな町ワーシングに誕生したオーディオブランドです。創設者のマイケル・トゥは、大のオーディオ好きでしたが、技術者ではなかったようで、コンセプトだけ自分で組み立てて、設計をどこかに依頼するという形をとっていたようです。
その第1号モデルは、筐体の厚み(高さ)が55mmしかない、本格的コンポとしては当時もっとも薄型軽量といわれたインテグレーテッド・アンプの「VA40」でした。鏡面仕上げのクローム・フィニッシュのフロントパネルに、ボリュームとセレクター、パワースイッチのみを配置した簡潔なデザインも当時の製品の中では異色でした。そのシンプルな姿に惚れ込んだ人が予想以上に多く、その後のAuraの人気ぶりはご存じの通りです。
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| 「note」の正面とUSB入力のある側面、背面、そしてリモコン |
「note」は、1996年頃にロンドンの有名なデザイン会社「ペンタグラム」にいたケネス・グランジという人が、マイケル・トゥの注文に応じて設計したといわれています。彼がAuraのために設計した最後の製品(1997年)でしたが、いろいろな事情でこのデザインはすでにモックアップまで完成していたにもかかわらず世に出ることはありませんでした。
しかし「note」の圧倒的な存在感をもつデザインと性能を埋もれたままにしておくのは、オーディオ界の損失であると判断した、オーラデザイン・ジャパンが監修して、ついに10年ぶりに陽の目をみることになったのです。
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