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| 試聴スペースでYBAのCDプレーヤー+ATCのスピーカーと接続された「Capli」+「Model102」 |
今回のテーマである小型軽量化は、オーディオ機器の本来の使命である、高性能、高忠実度再生という目的からみれば、マイナスに働く要素が強い。たとえばアンプでいえば、問題になるのは組み合わされるスピーカーとの関係にある。
重厚長大アンプは、金子さんの説明にあるとおり、つながれるスピーカーが何であれ、それを最適の状態で駆動してみせる、というのが目指すところだ。そうでなければ、高価で場所ふさぎな巨大アンプを買う意味がない。しかし、もしスピーカーがそれほど大型でなかったり、アンプの性能を過大に要求するものでなければ、アンプの小型軽量化は、音質を損なわないレベルで可能になるのである。
たとえば簡単な例でいえば、スピーカーの能率が極端に低い場合や、再生周波数帯域の一部で入力インピーダンスが低くなるようなスピーカーでは、全体的な電源供給力、瞬時電源供給能力が問われることになるから、電源部が非力な小型アンプには不利だ。これを判断するには、スピーカーの仕様欄にある「出力音圧レベル(能率)」や「入力インピーダンス」という項目の数字で、おおよそのことは推察できる。
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| 「Capli」のフロントパネル |
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| 「Model102」の内部 |
現在、レフィーノ&アネーロでジェフ・ロゥランドの「Model102」に接続されているスピーカーは、ATCの「SCM40」である。これの出力音圧レベルは「85dB/W/m」、入力インピーダンスは「8Ω」となっている。この数字でいえば、出力音圧レベルの「85dB」は最近のスピーカーでは決して高いほうではない。一般的には「88dB」以上のものが多くなっている。入力インピーダンスの「8Ω」は、ごく普通のレベルで問題ない。
ATCのスピーカーは録音スタジオのモニタースピーカーとしても定評のある、優れた製品が多い。85dBという比較的低い能率は、ATCの狙う音色、音質と関係があり、小型で電源部が弱いアンプでは少し物足りない音になる可能性がある。しかし「Model102」との関係では、金子さんが推奨されているように、ピッタリという相性をみせる。見かけの数字で示される能力より、ずっと実質的な能力が高いのだろう。仕様の数字は、あくまでも“目安”に過ぎない。組み合わせによる再現能力は、実際に試聴したり、お店の専門家に訊いて確認しなければ判断を誤る危険性がある。
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| YBAのCD プレーヤー「PASSION200 CD Player」 |
オーディオは、プレーヤーからスピーカーまでの機器、そしてそれらを接続するケーブル、セッティングなどさまざまな要素によって、最終的な音が決まる。もし、アンプで小型軽量のものを求める場合には、自分の選んだスピーカーが最大の能力を発揮する範囲で、選んでいくことが必要だ。
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| ATCのスピーカー「SCM40」 |
小型2ウェイの高能率スピーカーに、大型のモノーラル巨大アンプをつなぐのは、悪いことではないが、無駄なことだろう。もっとも小型スピーカーの中にも、気難しいタイプのものもあって、強力な電源を必要とするものもある。単に大きさや、重さ、価格で判断して組み合わせるのではなく、機器間の相性にも十分に注意を払うことが必要だ。
ジェフ・ロゥランドが今回セパレートアンプの小型軽量化に成功したのには、ステレオパワーアンプでは「Model312」、モノーラルパワーアンプでは「Model301」など、同社の大型アンプにおけるノウハウの蓄積が大きく貢献している。それらの高級大型アンプの開発で、さまざまなタイプのスピーカーと接続し、アンプとスピーカーの関係を熟知しているからこそ、ジェフ・ロゥランドの再現力を損なわずに、小型軽量化ができたのである。そして、この「Capli」と「Model102」の組み合わせは、かなり幅広いタイプのスピーカーを最適に駆動する力があるので、実に魅力的で意義ある製品に仕上がっている。
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