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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
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2006.12.13更新
Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 56.ミラードのアンプに見る高級機づくりの精神
STREO PREAMPLIFIER MIRAD SRA-C20 価格 519,750円(税込)
STEREO VACCUM TUBE POWER AMPLIFIER MIRAD SRA-M20 価格 787,500円(税込)

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理想に忠実な物づくり精神が生む、高性能高級機

プリアンプ「SRA-C20」と真空管パワーアンプ「SRA-M20」

いわゆる“高級機”と呼ばれるオーディオ製品は、量産性がないので、どうしても価格が高くなる。しかし、「量産性がない」&「価格が高いこと」と「高級機」は必ずしも一致しない。設計者の意図する再現性能を徹底的に求めて妥協することなく作る結果として、趣味性が高くなり、部品部材も高価なものを使用することになり、製造に手間とコストが掛かって大量には売れない高価な、しかし性能の高い「高級機」となってしまう。こういう道筋で作られるものが本物の「高級機」といえるのではないだろうか。単にデザインに凝ったために、あるいは意味の無い物量投入の結果として“高価”になってしまった製品は「高級機」とはいえない。


本欄の第19回で、「ミラード(MIRAD)」のプリアンプ「SRA-C20」と真空管パワーアンプ「SRA-M20」を紹介した。このアンプは、浜松市三方原町のヤナギヤ電機という小さなメーカーの製品である。創業者にして設計者の柳谷峰行さんは、1977年に工作機械のモーター制御ユニットのOEM生産を主業務として創業した。オーディオ機器は知人友人に依頼されて本業の合間に作っていたが、本格的な製品を作り始めたのは、1996年になってからというから、今からまだ10年あまり前のことになる。

レフィーノ&アネーロの金子さんは、早くから「MIRAD」
アンプを評価していた

最初の製品は、サンスクリット語の“三昧”に由来するという「Absole(アブソール)」をブランド名にした、ステレオ真空管パワーアンプ「HS-4」であった。このアンプはその後、2001年12月発売の「SRA-M15」に発展して、密かな人気を得た。価格は315,000円であった。このアンプ、出力は15W+15W(8Ω)と小さいが、少々能率が低いスピーカーでも楽々とドライブして、量感豊かな再現性をもつなかなかの実力派アンプであった。この当時、この高性能にいち早く目をつけたのが、当時ヤマギワ東京本店に勤務していた、レフィーノ&アネーロの金子さんであった。

「ディナウディオのContour1.3SEと組み合わせると、素晴らしいパフォーマンスを発揮しまして、この組み合わせでよく売れました。名前もまだよく知られていないアンプが、ディナウディオのスピーカーとコンビで売れている、と外部からは不思議に思われたものです」
と、金子さんは回想する。
ヤナギヤ電機の柳谷さん

この時期の柳谷さんの目指すところは、徹底して雑音(ノイズ)を低減することによってこそ、音楽のディテールはあますところなく繊細・緻密に再現できる、という信念で徹底して作ることであった。今でもホームページには設計コンセプトとして
「MiradのAMPは低雑音(振動も含めて)高信頼設計です。雑音と故障は、音楽を聴くには、最大の障害です。この点に最大の注意を払っています」

と書かれている。

極端にいえば「ノイズを無くすこと、つまりSN比を向上させることによって、音楽の細部が忠実に描き出されるだけではなく、しなやかさ、とか臨場感といった効用も得られる」という考え方は現在でも十分に通用する、オーディオの基本だ。

まだオーディオ界で大評判になるという次元からは遠い「SRA-M15」の成功であったが、ディナウディとの交流、ヤマギワからレフィーノ&アネーロに至る販売店との関係は今日まで持続している。その製品は、レフィーノ&アネーロ1階入り口右側の試聴コーナーにディナウディオ製品と共に常駐している。


柳谷さんが、「MIRAD」ブランドを最初につけた製品は、2000年3月発売の真空管アンプ「SRA-7」だった。ところで、ブランド名に凝るのも高級機には必須のことなのかもしれない。海外製品でも、「ミメーシス」「クラッセ」などという設計者の趣味性が反映したネーミングが多い。「MIRAD」は、“根源”とか“究極”を意味するラテン語から発想した柳谷さんの造語らしい。人気と実力を着実に高めてきた「MIRAD」から、プリアンプ「SRA-C20」、パワーアンプ「SRA-M20」が揃って発売されたのは、2003年12月からのことで、発売元はディナウディオ・ジャパン。そして、2005年2月にはオーディオ専門誌で「SRA-M20」が真空管部門の優秀賞を受賞するまでに評価は高まり人気も上がった。


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