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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
専門店からの情報発信  
2006.9.13更新
Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」 46.ウィルソンオーディオMAXX 2を聴く超弩級システム
SPEAKER SYSTEM Wilson Audio MAXX 2 価格 7,413,000円(ペア/税込)
PREAMPLIFIER FM Acoustics FM255MkII 価格 3,675,000円(税込)
POWER AMPLIFIER FM Acoustics FM711 価格 6,877,500円(税込)
ANALOG PLAYER AVID Acutus 価格 1,470,000円(税込)
CD PLAYER Oracle CD PLAYER 価格 1,764,000円(税込)

MAXX 2の本質を引き出す超弩級システムとは?

超弩級システムをセットした試聴室

現在、レフィーノ&アネーロ1階のステレオ試聴室には、ウィルソンオーディオ(Wilson Audio)の超弩級スピーカーシステム「MAXX 2」がセットされている。これをドライブするアンプがFMアコースティックス(FM Acoustics)の「FM255MkII」「FM711」という超豪華版。そしてプレーヤーはアナログのアヴィッドとオラクルのCDシステムを随時取り替えて聴くことができる。合計すると、ちょっと気の遠くなるような価格になってしまう組み合わせだが、ここはひとつ、超弩級のオーディオシステムで、価格と時間を忘れていただくことにしよう。


本欄でお馴染みのオーディオ・シェフ、レフィーノ&アネーロの金子さんは、こう語る。


他店でもあまり試聴する機会のない、Wilson Audioの「MAXX 2」が入荷しました。早速、ステレオ試聴室のメインアンプになっているFM Acousticsのプリとパワーにつないで、いつでも試聴できるようになっています。有名なWATT/Puppy Systemを使用していたマスタリングスタジオが、現在、徐々にモニタースピーカーをこのMAXXに変更しているのだそうです。確かにこのスピーカーは、接続するアンプやプレーヤー、音楽ソースの特徴を的確に、ありのままに表現してくれます。まさに真のモニタースピーカーといえるでしょう。

プレーヤーはオラクルの「CD PLAYER」「CD DRIVE」と、AVIDのアナログ・ターンテーブル「Acutus(アキュータス)」をつなぎ変えて楽しんでいただいていますが、この2つのプレーヤーの特徴を本当によく表現していると思います。特にAcutusは、アナログでありながらアナログっぽさのないところが魅力なのですが、そういった部分など実によく現れます。ぜひ、聴いてください、ご来店をお待ちしております。


「MAXX 2」の勇姿   ネットを外した「MAXX 2」。ユニットがよくわかる

たしかに、「MAXX 2」はどこのお店にもあるという種類のスピーカーではない。高さが160cm、重量が1台180kgという巨体である。価格もペアで700万を遥かに超える。しかし、いったんその姿に接すると、どこか柔らかさが感じられて“日常生活空間からかけ離れた”というイメージはない。外観デザインの巧みさによるのだろうか。

スピーカーはこの30年ほどの間に、静電型のような平板型から、球形、オウム貝型(B&W、ノーチラス)まで、従来のボックス型とは違った形状のものがかなり増えているが、「MAXX2」のようにボックス型キャビネットを組み合わせた構造でありながら、近代的感覚にあふれたユニークさを見せているのは、ウィルソン・オーディオだけではないか、と思う。もちろん、これは「WATT」というオリジナリティに富んだ作品で、1981年に彗星のごとく登場し、「WAMM」という超弩級システムを生み出した、創立者、ディヴィット・ウィルソンの卓抜なオーディオ技術と、造形感覚の素晴らしさによるものであろう。なお、ウィルソンオーディオの創立時については、本欄第18回の「ウィルソンオーディオのスピーカー」をご覧ください。


*FMアコースティックスのアンプで、MAXX 2の真価を聴く

このような大型システムを理想的に再生するには、さまざまな条件が必要になる。最大の問題は設置する場所だが、仮に条件を満たすようなスペースがあったとして、次の課題は組み合わせの機器ということになる。幸いこのスピーカーの能率はかなり高いから、最新の平均的な水準のプリメインアンプでも、単に鳴らすという次元でなら、問題なく鳴る。しかし、このシステムにふさわしい再現力を得ようとすると、実に難しいのである。

試聴室のシステムと金子さん

そこで、金子さんのお勧めにしたがって、レフィーノ&アネーロの試聴室のように、音響条件が整えられ、さまざまな機器が揃っているところで聴かせてもらうのがいちばん参考になる。

さて、この試聴室でつながれているアンプは、というと、FMアコースティックスのプリアンプ「FM255MkII」とパワーアンプ「FM711」である。重量が5kgと25kgで、さほど重くはないし、サイズも平均的で特に大きいということはない。しかし、両方合わせてなんと、1,000万円を超えてしまう。


タンノイの「ヨークミンスター」
プリアンプはFMアコースティックスの「FM255MkII」
タンノイの「ヨークミンスター」
パワーアンプはFMアコースティックスの「FM711」

FMアコースティックスは、スイスのメーカーで「FM」は放送波とは関係なく、「For Music and Acoustics」のはじめの2語の頭文字による。創立は1973年。優れたスタジオ用アンプで早くから日本でも知られていた。一般コンシューマー用の製品を作るようになったのは1988年以降のことだ。シンプルな回路、徹底的に選び抜いた優れた部品を、1台1台手作業で組み上げるため、見かけの大きさや重量に比べて、非常に高価なものとなっている。高級ハンドメイドの腕時計が高額なのに通じるのだ。

冒頭に記したとおり、ここでは価格は忘れることにしよう。注目していただきたいのは、音楽を鳴らしていながら、深い静寂感に試聴室が満たされるという、不思議な感覚である。優れたアンプの駆動力というのは、なぜか静けさを感じさせるのである。わかりにくいかもしれないが、楽音以外の余計な音を抑え込み、楽音をフワッと空間に浮かべてくれるようなイメージだ。並のアンプは、こういう“力”はもっていない。

オーディオ再生のほめ言葉には、滑らか、しなやか、繊細、美しい、深い、伸びやか、解像度が高い、透明感がある、色彩感が豊か……など、無数の形容詞、形容句があるが、それらとはちょっと違った次元の要素で、“再生空間の制動力”とでも名づけたくなるような能力がある。それは、スピーカーが置かれた部屋の空気を完全に支配し、再生音を空間に浮遊させる能力のことである。生の音とオーディオの音とのいちばん大きな違いが、この楽音が空間に浮かぶかどうか、ということにかかっている。それが、まるでコンサートホールの最上席で聴くような“上質の音”の正体なのだ。FMアコースティックスのアンプには、それを再現する力量が備わっている。この再生状態をしっかりと聴いて記憶に残し、いろいろな機器を選ぶ時の基準にすれば、失敗することなく、自分の目指す音に近づくことができる、それぐらい重要なオーディオ再生のポイントなのである。


AVIDの重厚なアナログプレーヤー「Acutus」
OracleもゴージャスなCDトランスポート

プレーヤーはアナログがアヴィッドの「アキュータス(Acutus)」と、オラクルの「CD PLAYER」。試聴室には他メーカーのD/Aコンバーターもあるので、オラクルはトランスポートの「CD DRIVE」と組み合わせることもできる。

 

スピーカーとアンプがこの組み合わせのような超弩級の優秀機となると、プレーヤーは精度の高さが要求される。というのは、平均的なシステムでは現れないような、わずかな欠点がここでは露になってしまうからだ。そういった意味で、試聴室に用意された2つのプレーヤーは、十分な実力を備えた名機といっていいだろう。そして、見た目も実に美しく、惚れ惚れとさせられる。重厚な「アキュータス」、華麗な「オラクル」、両者は対照的な外観だが、性能が形に直結している美しさという点では共通している。いつまで聴いていても聴き飽きることがない。

アナログプレーヤーを操作する金子さん

「アキュータス」は、内外部の不要振動を徹底的に排除している。それを可能にしたのが、AVID社の精密加工技術で、ターンテーブル、軸受け、モーターなどの主要部品は、AVID社の製作するヘリコプターやレーシングカー用メカ部品と同じ精密加工機によって、自社製作されているのだ。そして、通常の10倍の駆動力をもつハンドメイド24極シンクロナス・モーターが、質量10kgのアルミ削りだしターンテーブルを余裕をもってドライブする。デジタル主流の時代に、このようなアナログプレーヤーが、作り続けられていることは、本当に頼もしいかぎりだ。

仕様
 Wilson Audio MAXX 2
 型式  3ウェイ5ユニット、バスレフ型スピーカー
 ドライバーユニット  2.5cmチタントゥイーター
 17cmミッドレンジ×2
 25cmウーファー
 30cmウーファー
 出力音圧レベル  92dB(2.83V/1m)
 入力インピーダンス  8Ω
 周波数特性  20Hz〜21kHz (-3dB)
 外形寸法  432(W)×1600(H)×559(D)mm
 重量  180kg

詳細は: 大場商事

 AVID Acutus
 型式  アナログ・ターンテーブル
 駆動方式  ベルトドライブ
 ターンテーブル  アルミ削りだしクローム仕上げ(重量10kg)
 回転速度  33.3/45.0RPM
 モーター  24極24V ACシンクロナス・モーター
 外形寸法  450(W)×215(H)×390(D)mm(本体)
 250(W)×90(H)×212(D)mm(コントロール/電源部)
 重量  21.3kg(電源部含む)
 備考  トーンアーム、カートリッジ別売

詳細は: ティアック エソテリック カンパニー

 Oracle CD PLAYER
 型式  CDプレーヤー
 メカニズム  フィリップス製CDM-PRO
 D/Aコンバーター  128倍オーバーサンプリング・クリスタル・1ビット
 デジタル出力  同軸BNC×1(75Ω)
 アナログ出力  アンバランスRCA(ロジウム・メッキ仕様)×1
 外形寸法  433(W)×147(H)×368(D)mm(本体)
 225(W)×85(H)×283(D)mm(電源部)
 重量  12.9kg(本体 アルミ・トップカバー230g含む)
 3.0kg(電源部)

詳細は: ユキム

 FM Acoustics FM255MkII
 型式  完全バランスプリ(コントロール)アンプ
 最大出力レベル  19.5V
 推奨負荷インピーダンス  600Ω
 入力端子  バランス(XLR)×2/シングルエンド(RCA)×3
 テープ入出力端子  シングルエンド(RCA)×1
 出力端子  バランス(XLR)×1
 外形寸法  446(W)×92(H)×280(D)mm
 重量  5kg

 FM Acoustics FM711
 型式  ステレオパワーアンプ
 実効出力  250W+250W(8Ω)/450W+450W(4Ω)/700W+700W(2Ω)
 入力端子  バランス(XLR)×1
 スピーカー端子  1(フォースプラグ200バナナ専用)
 外形寸法  446(W)×200(H)×450(D)mm
 重量  25kg

詳細は: アクシス

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