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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
専門店からの情報発信  
2006.6.14更新
Refino & Anhelo注目のシステム 「試聴スペースの主役をクローズアップ」  32.1階エントランス「ジェフ・ロゥランド コーナー」のガルネリ・メメント
SPEAKER SYSTEM Guarneri Memento 価格 1,785,000円 (レッドヴァイオリン仕上げ、ペア/税込)
  価格 1,890,000円 (グラファイト仕上げ、ペア/税込)
■優れたエンクロージャーがあって初めて、スピーカーは音楽を美しく歌う

 美術でも文学でも、処女作にその作家のすべてがあるといわれる。オーディオ機器は芸術作品とはいい切れないないかもしれないが、似た要素はある。さしずめソナス・ファベールのスピーカーはその代表的なものではないだろうか。
 1988年に登場した「エレクタ・アマトール」は、ソナスの処女作といっていい作品だが、そこにはその後登場したソナス製品の特色のすべてが包含されていた。その完成度はとても新しいメーカーの最初期の製品とは思えないほど高かった。ドライバー・ユニットの選択、使いこなしの優秀さは当然ながら、もっとも印象的だったのは、それを納めるエンクロージャーを音楽再現の要として重要視する姿勢と、その造りの見事さであった(スピーカーシステムのエンクロージャーは、キャビネット、ボックス、箱、筐体などといろいろな呼び方がある)。

ジェフ・ローランドコーナーのガルネリ・メメント

 スピーカーの性能や表現力を決める要素はいろいろあるが、大きく分類すれば、ユニット、エンクロージャー、ネットワーク回路の3点になるだろう。ソナスは最初期から、エンクロージャーに最大の特徴があった。その他の部分が軽視されていると誤解しないでいただきたい。あくまでも、他メーカーに比べてエンクロージャーが特徴的だということである。優秀なユニットは、それだけでは真価を発揮しない。それにふさわしいエンクロージャーに納まって初めて本領を発揮できる、ということをソナスはどのメーカーよりも重要視したのである。
 この考えは、ソナスの本拠地が優れた弦楽器の生産地、クレモナに近いこと、そして創業者のフランコ・セルブリンがその弦楽器職人たちを深く尊敬する、優れた木工技術者であったことと無縁ではない。たとえば、ヴァイオリンの音を出す直接的な振動素材は「弦」だが、箱が無ければ音は弱々しく、とても音楽を豊かに奏でることはできない。あの女体の美しさから生まれたという箱=胴体があって、初めて朗々と音楽を歌うことが出来るのだ。そしてその箱は、素材、形、組み上げ、塗料(ニス)の優秀さが総合されて初めて「楽器の胴体」に生まれ変わる。この関係はまさにスピカーにおける、ユニットと箱の関係に似ているのである。処女作以来のソナスの全製品には、この考え方が生かされているのだ。

ククレモナの職人に捧げる最初の作品の、最新バージョン
 1993年6月に偉大な弦楽器職人に捧げたオマージュ・シリーズの最初のスピーカー・システム「ガルネリ・オマージュ」が生まれた。そのキャビネットはリュートの胴体に想を得て造られたもので、21のソリッド・メイプル材の組み合わせで出来ていた。この形が、箱内部の定在波の発生を抑制し、個々のメイプル材の密度や木目の方向を最適に組み上げることによって、再現性能をコントロールすることが出来るのである。そして特製ラッカーの多層塗りによる美しい仕上げは、弦楽器のニス塗り仕上げと同じ効果をもっている。
 「ガルネリ・オマージュ」の最新バージョン「ガルネリ・メメント」は、そのエンクロージャーをそのまま継承し、そこにその後10年間に蓄積したソナスのノウハウを注入し、さらにフラグシップモデル「ストラディヴァリ・オマージュ」で開発された最新技術を投入したユニットを搭載している。
左がグラファイト仕上げ、右がレッドヴァイオリン仕上げ

本体は小型だが、専用のスタンドにセットすると、このようにかなり大型のシステムとなる
 ガルネリ・メメントの本体は、小型2ウェイの標準的なサイズのシステムだが、専用スタンドにセットされると、かなり大型のトールボーイタイプと同じサイズのシステムに変貌する。この組み合わせ以外で聴く人はないはずだが、このスタンドを含めて「ガルネリ・メメント」なのだということを、あえて注記したい。ベースの大理石の角度まで調整して最適な音の放射が考えられた、実に優れたスタンドである。
 ネーミングの「メメント」だが、これを聞くと、すぐに浮かぶのはヨーロッパの教会でよく見る「メメント・モーリ」という言葉である。「人は死すものであることを忘れてはいけない」という意味合いのラテン語である。今回の製品に、あえて「メメント」とつけたのは、「偉大な弦楽器職人の至芸を忘れるな」と「クレモナの職人を敬愛するところから始まったソナスのスピーカー製作の原点を忘れるな」という二つの意味が込められているように思われる。
 このスピーカーの再現力については、何もいうことはない。どういう音の傾向であるとか、音の解像度や密度などを訳知り顔でウンヌンするの、この作品を冒瀆することになるだろう。ただ、ひたすらに耳を傾けることだ。後は好きか嫌いかしかない。
製品の詳細は: ノア

仕様
 型式 2ウェイ2スピーカー、バスレフ型
 使用ユニット  中低域:150mm径ウルトラ・ダイナミック・ドライバー
 高域:デュアル・トロイダル・ウェーブ・ガイド付25mm径リング・
         ラジエーター
 クロスオーバー周波数  2.5kHz
 再生周波数  39Hz〜30kHz
 公称インピーダンス  4Ω
 出力音圧レベル  88dB(2.83V/m)
 外形寸法  210(W)×380(H)×390(D)mm
 210(W)×1,230(H)×390(D)mm(スタンド含む)
 重量  42.5kg(スタンド含む)

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