おとなのたまり場 > いつでも Bonbivant > もういちどオーディオ > 注目のシステム
もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
専門店からの情報発信  
2006.5.31更新
Refino & Anhelo注目のシステム  「試聴スペースの主役をクローズアップ」  25.2階右手ホームシアターコーナー前のJBL
SPEAKER SYSTEM Stradivari Homage 価格 5,250,000円(ペア/税込)
■クレモナの弦楽器の名工たちに捧げるシリーズの最高峰 ビロードの手触りを思わせるように滑らかで気品にあふれた響き
2階奥のスペースに設置された「ストラディヴァリ・オマージュ」。中型サイズだが気品にあふれた堂々たる姿は、 大きく見える

  まるで工芸品のように美しい木製キャビネットで
オーディオファンの憧れの的となっている、イタリアのソナス・ファベールのスピーカーについては、すでに本欄第9回で紹介したので、今一度そちらをご覧いただきたい。今回紹介するのは、2階奥の試聴スペースにあたりを睥睨するかのような偉容を見せているトップモデル「ストラディヴァリ・オマージュ」である。
 「ストラディヴァリ」といえば、世界中のヴァイオリニストが一度は手にしたいと夢見る名器である。名工アントニオ・ストラディヴァリ(1644?〜1737)の作品は、その音色の美しさは当然ながら、残された数が少ないこともあって、その高価さも溜息もの。状態の良いものなら3億円を下らない。しかし注意すべきは、今日の投機的資本主義全盛の時代にあっては、単なる拝金主義者の投資の対象として狙われることもあることだ。必然的に価格は高騰し、本当に楽器を必要とする演奏家の手には入りにくくなってしまう。自由主義経済のこうした弊害をいかに食い止めるかが、今後の為政者の重大な責務とならなければならない。景気が少し持ち直したといって、まるで自分の成果のようにニヤニヤしている輩は論外である。
 20世紀を代表する指揮者の一人、ヘルベルト・フォン・カラヤンに見出されて大成したヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターは、楽器入手の困難の辛酸をなめ尽くし、後に自ら財団を組織して、そこで集めた資金で名器を購入し、それを有望な演奏家に長期貸与するという献身的事業を行なっている。世の拝金亡者よ、直ちに楽器取引から手を引かれよ!!

    「ストラディヴァリ・オマージュ」のリア(左)と、フロント(右)
 ソナス・ファベールが弦楽器製作の匠たちに捧げるシリーズを手がけたのは、1993年からで、第1号モデルは93年発売の「ガルネリ・オマージュ(Guarneri Homage)」、第2号が99年発売の「アマティ・オマージュ(Amati Homage)」、そして2002年に名工たちの街そのものに捧げた「クレモナ(Cremona)」を挟み、2003年にはオマージュの第3号モデル「ストラディヴァリ・オマージュ(Stradivari Homage)」という順に発表された。
 前回紹介した1階中央スペースの「クレモナ」は今は退場し、ソナスのスピーカーは今回の「ストラディヴァリ・オマージュ」が2階に、次回紹介予定の「ガルネリ・メメント」が1階
エントランスの「ジェフ・ローランドコーナー」にある(店内での機器展示は随時変更があるので、本欄で紹介があった場合はなるべく早めにご覧ください)。

 「ストラディヴァリ」はオマージュ・シリーズの中の最高峰で、外形も最大である。しかし、高さは1,360ミリだから、高級スピーカーの中ではむしろ中型に分類されるサイズだ。それでも、実際に店内でその前に立つと大きく感じる。それはちょうど、立派な人格の人物が大きく見えるのと似ているかもしれない。もっとも最近は人格高潔な人物など見当たらないかもしれないが。もともと木工技術には定評のあるソナス・ファベールだけに、キャビネットの仕上げの美しさは群を抜いている。まさに、クレモナの名工たちが命をこめて楽器を作り上げたと同じ気持ちで組み上げられているに違いない。汗を流し鋭い視線を細部に投げかけている職人たちの姿が目に浮かぶ。
 オーディオ機器は工業製品だから、すべての工程を楽器製造のような手作業で作ることは出来ないが、ソナスのスピーカーを見ると、サイズを問わずどの製品も全工程手作業という雰囲気が漂う。実際に入手して自分の部屋に置いた場面を想像すると胸が高鳴る、そういう製品なのだ。そして、ひとたびその音を聴けば、ビロードに触れたように滑らかな感触の響きに、ただうっとりとするばかりである。音の姿に気品がある。そして空間に穏やかに広がる響きに身を任せていると、どんどん深く音楽に引き込まれていく。
斜め右サイドから見た姿にも気品が感じられる

 音楽と楽器とオーディオを知り尽くした、ソナス・ファベールの職人たちだからこそ、このようなスピーカーを作り上げることが出来るのだ、と素直に感じられる。この次元の製品に、これ以上あれこれ付け加えるのは、礼を失することになるので、オーディオ的詳細については、いつも通り輸入元のホームページをご覧いただきたい。

製品の詳細は: ノア

仕様
 型式 3ウェイ4スピーカー リア・バスレフ型
 使用ユニット  低域:260mm径軽量アルミ・マグネシウム合金コーン型×2
 中域:150mm径ウルトラ・ダイナミック・ミッドレンジ・ドライバー
 高域:33mm径ネオジミウム・リング・ラジエーター
 クロスオーバー周波数  300Hz、4kHz
 再生周波数  22Hz〜40kHz
 公称インピーダンス  4Ω
 出力音圧レベル  92dB/W/m
 外形寸法  650(W)×1360(H)×500(D)mm
 重量  75kg

「もういちどオーディオ」トップへ戻る
TOP