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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
専門店からの情報発信  
2006.5.31更新
Refino & Anhelo注目のシステム  「試聴スペースの主役をクローズアップ」 30.1階中央アナログコーナーのシタール
INTEGRATED AMPLIFIER Sitar 価格  819,000(税込)
真空管とトランジスタを組み合わせることへのこだわり
 「シタール(Sitar)」は、1996年に設立されたドイツの新進メーカー、アコースティック・プランの最新ハイブリッドアンプ。真空管とトランジスタを適材適所に使った、インテグレーテッド(プリメイン)アンプである。
 ドイツのオーディオ製品はあまり多くはない。音楽の本場だから、聴きたければホールに出かければいい、と考える人が多いからだという俗説がある。音楽、オーディオにはこの種の俗説がいろいろとあって、たとえば、イギリスには作曲家が少ないから演奏家が多いとか、オーディオが発達した、なんていうのもある。また、古典派の大作曲家ヘンデルはドイツの生まれだが、後にイギリスの市民権をとったので、イギリスではイギリス人で通っているが、ドイツではイギリスは作曲家を買ったのだ、などと冗談めかしていう。まあ俗説は面白いが、悪くいわれた方は気分を害するから、話題にする時には注意が必要だ。

アナログコーナーに置かれた「シタール」。いろいろな機器に接続して聴かせてくれるので、ぜひ一度聴いていただきたい
 それにしても「ハイブリッド・アンプ」のメリットを今さら掲げるなんて、いかにもドイツ人らしいなあ、と思う。
「真空管かトランジスターか、この終わりのない議論は、どちらかの音質が確実に勝ったという結論を導く事はあり得ません」
 と、アコースティック・プランはいう。たしかに、産業製品としては、圧倒的にトランジスタの時代だが、オーディオの素子として真空管の魅力が否定されたわけではない。現実に真空管アンプは、かなりの量が生産され続けている。新聞、雑誌でも1年に何度か思い出したように、真空管アンプの記事を載せる。
 しかし、ここから先が、ドイツ人らしいところで、
「より大切なことはチューブかトランジスターかの問題ではなく、回路上におけるこれら複数のデバイスの融合なのです。電子部品はそれぞれが単独パーツとして評価されるべきものではありません」
と、論理的に考えを進めて、
「トランジスターは、チューブを使用するよりも回路上でそのパラメーターが優位な場所、つまりMC Phono入力やパワーステージといった、インピーダンス変換を要求される回路に対してのみ使われています」
となるのである。要は適材適所に使い分ける、ということだ。なるほど筋が通った考えである。こういう論理に基づいて作られたアンプはこれまでにもすでにいくつかあり、人気を得た製品もあるが、回路の集積技術が進み、デジタル音源が主流となった“今日”という時点で、あらためて強く主張し、見事な作品に仕上げてしまうところが、やはり、ドイツらしいなあ、と感じるのである。
リンの最新システムで音楽ソフトを聴こう
斜め左から見た「シタール」。青いフロントパネルが美しい。
 「最高品質の再生機器を生産するためには、革新的なデザインや職業的なエンジニアリング技術のみならず、献身的な職人技能と完璧な製品への絶え間ない探究心が重要です」
 というのは、ドイツ人でなければなかなかいえない言葉だ。同社の製品づくりには、電気の専門家から音楽の演奏家まで、いろいろな職業的背景をもった人が関わっているそうだが、彼らに共通しているのは、音楽再生芸術への愛情と、ドイツの高い工業技術の継承だという。何事にも徹底しなければ気がすまない国民性がアンプ作りにも生きているようだ。
 このような説明を展開していると、何やら頭が痛くなってきて、試聴会なら「そろそろ音を聴かせてくれ」という声が出るに違いない。そう、この後は、ホームページの小さな文字の羅列が詳細に伝える、アコースティック・プラン自身の説明を読んでいただくことにしよう。 
 さて、写真でご覧いただくとおり、このアンプ、なかなか美しい姿をしている。ブルーのパネルの中央に縦に並ぶ3つのツマミが、思わず触れたくなるような風情を醸し出す。そして再生音も「人間の聴覚が最も敏感で、しかも人間の声や楽器が特に輝く中音域周波数帯の再生に特に注意を払ってる」と自負するだけあって、滑らかな質感にうっとりとさせられる。論理的な説明を一切忘れさせる、音の説得力があるのだ。
外付けの電源部
 それは、ほら、ワーグナーにしてもマーラーにしても、作品にこめられた文学的要素や思想的背景はどんなに複雑で頭が痛くなっても、“音になった音楽”を実際に聴けば、文字の呪縛を超えて純粋な音楽の力に圧倒されたしまうでしょ、それと同じなのだ。

 シタールには、以下の機器がオプションとして用意されている。

【オプション】
リモコン:41,790円(税込)
MM/MC(ステップアップトランス)フォノボード:163,800円(税込)
MM/MC(トランジスターヘッドアンプ)フォノボード:118,650円(税込)

製品の詳細は: アクシス

仕様
 < 本体 >
 入力  ライン4
 出力  75W+75W(8Ω)
 使用真空管  E88CC×4
 出力端子  WBTバインディングポスト
 外形寸法  260(W)×170(H)×350(D)
 重量  15kg
 < 電源部 >
 外形寸法  106(W)×174(H)×290(D)
 重量  6.5kg


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