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もういちどオーディオ 案内人:船木文宏
専門店からの情報発信  
2006.4.26更新
Refino & Anhelo注目のシステム  「試聴スペースの主役をクローズアップ」  24 1階奥マルチチャンネル試聴室のゴールドムント「フル・エピローグ」
SPEAKER SYSTEM FULL EPILOGUE 価格 29,400,000円(ペア/税込)
■たまには現実を忘れて、夢の世界に遊ぼう
マルチチャンネル試聴室でMIMESISのプレーヤーとアンプと組み合わされた「フル・エピローグ」。まさにゴールドムント純正の壮麗な再現力を聴かせる
 なにしろ、3千万円に近い超々高額、左右合わせて640kgに達する超々重量級のシステムである。この怪物的スピーカーシステム、ゴールドムントのスピーカー「フル・エピローグ」は、今レフィーノ&アネーロ1階奥のマルチチャンネル試聴室と、輸入元のステラヴォックス・ジャパンの試聴室にしか置かれていない。そのどちらかに行かなければお目にかかれないわけである。一生の思い出にぜひお店にお出かけください。もちろん、購入していただいても一向にかまいません!!

 オーディオはプレーヤーからスピーカーまで、いろいろな機器を組み合わせて初めて音が出る。したがって、それぞれの部分に高額製品を組み込んだり、部屋の音響調整費用などを含めると、総経費は何千万円にもなる可能性はある。しかし、1つのモデルとして完成したスピーカーシステムで3千万円に届こうというものは、これまでにあったかどうか寡聞にして知らない。レフィーノ&アネーロで組み合わされている、プレーヤーは「EDIOS 18 CD」/819,000円、プリアンプは「MIMESIS 27ME」/1,659,000円、パワーアンプはバイアンプ仕様で「MIMESIS 18.4ME-D」×2/1,995,000円と「TELOS 600」×2/5,355,000円(金額は税込価格)だから、この合計は、39,228,000円となる。この組み合わせはゴールドムント製品の必ずしも最上位機種ではないので、他メーカーの機器も含めて考えると、この「フル・エピローグ」でオーディオシステムを組めば、軽く数千万円は超えてしまう。

 なんで、こんなに高くなってしまうのかを検討することは、あまり意味がない。オーディオ機器は、工業製品ではあるが、趣味の製品なので、使用部品1点1点の原価や使用金属の総コスト、組み立て費用などと考えたって仕方がない。高級機械式腕時計に、1千万を超えるものがいくらでもあることを思えば、大きさと重量からみれば、オーディオ機器はまだ安いのかも知れない。まあ、たまには現実を忘れて、夢の世界に浸ろうではありませんか。

 こういう超高級製品については、解像度がどうした、音の伸びがどうこう、などと解説めいたことをいうのも意味がない。離島の高校野球のチームと、ニューヨークヤンキースを同じ座標軸で比べたってバカバカしいだけである。むしろ、このシステムの音を楽しもうとして耳を傾けるのがいい。アラを探してやろうなんて愚の骨頂である。このぐらいの製品になれば、予算の枠組みからは解放されているはずなので、設計者は自分の音の理想を実現するためだけに精力を集中できたはずである。売れるかどうかなんてことも頭にはなかったかもしれない。

このクラスの製品を楽しむには、想像力が必要だ

 芥川龍之介に「ひたぶるに耳を傾ければ、大和言葉には、箜篌(クゴ)の音の響きがする」という意味の歌がある。大和時代の言葉を一心に聴けば、箜篌という楽器の出す音の香りが感じられる、というのである。大和言葉なんて実際に聴くことはできない。そして、箜篌が復元されたのは戦後のことだから、昭和2年に世を去った芥川が、実際に箜篌の音を聴いたかどうかは確かではない。多分、正倉院の楽器を見て想像力を掻き立てられたのであろう。芥川と同じように想像力を働かせて「フル・エピローグ」を聴けば、いろいろな音が聴こえるはずである。まず、オーディオに関するあらゆる先入観を忘れ、無心に耳を傾けることである。
 これだけでは、オーディオの話にならないから、少しだけ“つまらない”話もしましょうか。

「フル・エピローグ」の全体像。
精悍な雰囲気だが、音は実にナチュラルだ

 もし優れた音響のホールの最上席で聴く音が「いい音」だとすれば、スピーカーでいちばん大切なもののは、「帯域バランス」と「響きの柔軟さ」ではないか、と筆者は思っている。つま り、低い音から高い音まで、適切なバランスで鳴らなければ、録音された音楽は変形してしまう。オーディオ用語の周波数特性は、最低音から最高音までの幅を示すものだが、大切なのはその帯域内のエネルギーバランスがどうなっているかである。そして、その音が音楽のエネルギーに対応して、いかに耳に心地よく柔軟に鳴るか、が重要だ。いくら高い音が出ても、それが金属的な響きの刺激的な音では音楽を聴いていられない。どんなに低音が出ていても、無骨な響きでは音楽の品位が損なわれる。いいスピーカーというのは、どんな方式のものであれ、それぞれの表現の個性を主張しながら、「帯域バランス」と「響きの柔軟さ」に優れているのだ。「フル・エピローグ」は、そういう点からも見事な完成度を誇る仕上がりだ。
 一般的にスピーカーの音は、発音源の面積が小さいと、シャープで指向特性をコントロールしやすいが、時に荒々しい響きに陥りやすく、柔軟性に欠ける傾向がある。逆に発音源の面積が大きいと、指向特性や解像度は得にくいが、柔らかな響きの音になり、柔軟度も高くなる。コンプレッションドライバー+ホーンや、ダイナミック型の3ウェイは前者であり、コンデンサー型に代表される平板タイプは後者である。この中間に、小さなドーム型ユニットを数多く並べて、結果的に中高音域の発音面積を多くしたものや、ハイテク素材で面積を大きくとった平板中高音域ユニットとコーン型ユニットの低音部を組み合わせたものなどがある。
「フル・エピローグ」は、発音面積の小さい伝統的な形のスピーカーを、4つ組み合わせた構造になっている。それぞれのボックスに独創的な技術があることは当然だが、この各ボックスの帯域コントロールと、その組み合わせ方によって、「帯域バランス」と「響きの柔軟さ」を得ていると思う。非常に重心の低いどっしりした充実感と繊細さを兼ね備え、しかも柔軟さがあって、刺激的ではない。目を閉じてその巨大な姿を視界から追いやれば、ホールで聴くのと相似形の豊かな響きに包まれるのである。


エピローグはこんな組み合わせでも聴ける
「エピローグ 1」。中型だが豊かな再現力は「エピローグ」ならでは
 いくら家が大きくお金がふんだんにあるといっても、「フル・エピローグ」は巨大過ぎるし高価だと思われ、なおかつ何とか自分の家で使って見たい方には、次の2つの方法が用意されている。

「フル・エピローグ」のいちばん上にある「EPILOGUE 1」だけを使う方法。この一見何気ない形の箱型スピーカーは、1台43kgもあり、周波数帯域は34Hz〜28kHz。単体のスピーカーとして大型に負けない再現力がある。これでは、少し物足りない、と思われる方には、フルシステムの上部2つのスピーカーを組み合わせた「EPILOGUE 1&2」がある。
 これは単に低音が伸びるだけと考えてはいけない。この組み合わせは、誤解を恐れずにいえば、まさに「フル・エピローグ」の相似形の再現力を味わえるシステムなのである。もちろん、「フル・エピローグ」とはスケール感や、再現力の深さには敵わない。しかし、おそらく一般の家庭ではこれで十分に、「エピローグ」というシステムの再現力を堪能できるはずだ。


 価格はそれぞれ以下の通りで、いずれもかなりの高額高級システムではある。

SPEAKER SYSTEM EPILOGUE 1&2
 価格 11,130,000円(ペア/税込)
SPEAKER SYSTEM EPILOGUE 1
 価格  4,462,500円(ペア/税込)

製品の詳細は:
  ステラヴォックス・ジャパン ホームページ
「エピローグ 1&2」。まさに「フル・エピローグ」と相似形の、壮大なスケール感の再現力をもつ
仕様
EPILOGUE 1
形式:2ウェイ・バスレフ型
使用ユニット
 トゥイーター:25mmソフトドームタイプ
 ウーファー:16cmコーンタイプ
出力音圧レベル:89.5dB
最低インピーダンス:5Ω(定格インピーダンス:6Ω)
再生周波数帯域:34Hz〜28kHz(-3dB)
外形寸法:230(W)×360(H)×420(D)mm
重量:43kg

EPILOGUE 2
形式:バスレフ型
使用ユニット:20cmベルベットケブラーコーンタイプ×4(2×2プッシュプル方式)
出力音圧レベル:89.5dB
定格インピーダンス:6Ω
再生周波数帯域:26〜160Hz(-3dB)
外形寸法:360(W)×480(H)×720(D)mm
重量:70kg

EPILOGUE 3
●アンプ部
MIMESIS 29.4ME相当のパワーアンプ内蔵
入力インピーダンス:100kΩ以上
最大出力:500W/RMS
ハイカット周波数:20〜40Hz
オートパワーオン/オフ  
●スピーカー部  
形式:バスレフ型
使用ユニット:20cmベルベットケブラーコーンタイプ×8(2×4プッシュプル方式)
出力音圧レベル:89.5dB
定格インピーダンス:6Ω
再生帯域幅 22Hz〜(-3dB)
外形寸法:520(W)×780(H)×720(D)mm
重量:140kg

EPILOGUE 1 & 2 SPEAKER SYSTEM
外形寸法:405(W)×1,200(H)×800(D)mm
重量:122kg

FULL EPILOGUE SPEAKER SYSTEM
外形寸法:520(W)×2,000(H)×800(D)mm
重量:320kg


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