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もういちどオーディオ 案内人舟木文宏
Refino&Anhelo 注目のシステム紹介
Refino&Anhelo 注目のシステム紹介
「試聴スペースの主役をクローズアップ」  16 アナログ特集(2) カートリッジ
無機質な機械的振動を、音楽信号に戻す小さな発電所 
 ディスクに刻まれた音溝から音楽信号を拾い出すのが、カートリッジ(cartridge)だ。
 この言葉は、カセットテープを入れたケースや、筆記具の詰め替えインクが入ったもの、写真のフィルム入れなどにも使われることから分かるように、本来はスタイラス(針)や、カンチレバー(針を取り付けたバー)、マグネット、コイル、出力端子などの小さな部品を収納したケース全体を指す。通常、針とか針先などと呼ばれているのは、カートリッジの一部なのである。

 ごく簡単なルーペでディスクの溝を見ると、山あり谷ありの溝が渦巻き状に走っている。音楽信号がこの溝の形の変化に置換して刻まれているのである。低くて大きな音と、静かな小さい音の差は一見して明らかだが、たとえばヴァイオリンと人間の声の違いが、どうしてこんな無機質な形で表現できるのだろうかと不思議な気がする。
 この複雑な形状の溝を、カートリッジの針と呼ばれる部分がトレースする。すると針は溝の形の変化に合わせて身を振るわせる。この機械的振動を電気信号に戻すのが、その針が取り付けられたカンチレバーと呼ばれる細い棒、とそれに付属する部分の働きだ。

 機械的振動が電気信号に戻るということは、そう、実はカートリッジは小さな発電機なのだ。発電の原理は小学校の理科で習う。磁界の中をコイルが動くか、コイルの中を磁石が動くか、単純にいえばそのような運動で電気が発生する。
  レコード用のカートリッジは、その発電方式によって大きく2種類に分けられる。

 ケースの中に置かれたマグネットの中でコイルが振動する方式を「MC(ムービング・コイル)型」、ケースに設置されたコイルの中をマグネットが振動する方式を「MM(ムービング・マグネット)型」と呼ぶ。

 いずれにしても、このような単純で無骨といいたいぐらい無機質な動作の中から、なぜあの繊細なヴァイオリンのすすり泣きから100人を超える巨大なオーケストラの咆哮までが再現できるのか、標準的な感受性の持ち主なら、その不思議さに驚かずにはいられない。
  この小さな発電所があって初めて、レコード盤はただの黒い鍋敷きから、名曲を記録したディスクに変貌するのである。
カートリッジの違いによって音は大きく変わる
 オーディオはプレーヤーからスピーカーまで、音を再現する経路は長く、そしてその途中にさまざまな機器やアクセサリー類が介在する。そのどれを替えても音は変化するのだが、カートリッジの違いによる音の変化は、もっとも大きく重要なものの一つだ。再生経路の最先端に位置する、先遣隊、もしくは先頭集団なのだから、ここで正しい情報が得られるかどうかは、戦況、いや再生音に甚大な影響を与える。もっとも、正しいか正しくないかは、オーディオでは非常に難しい判断を要する。これだけで10冊の本が書けるほど、複雑な問題なのだ。したがって、正誤というよりも、質の違いが発生すると考えた方が、オーディオの泥沼という不幸な池で溺れる危険は少ない。
 要するに、カートリッジの選択は、スピーカー選びとおなじぐらい難しく、奥が深くて、悩ましく、そして、楽しい。機種の違いによる音の違いは、誰の耳にも明らだから、カートリッジの違いと音の変化をしっかり把握することは、自分の目指す音を求めるという、「オーディオ道楽」の本道に通じる近道かもしれない。スピーカーの違いによる変化も大きくて重要だが、あの巨体を取っ替え引っ換えするには多大の金力と筋力を要する。ここはひとつじっくりとカートリッジに取り組むことにしたい。
ベンツマイクロ
 レフィーノ&アネーロの1階右手奥にSACD、DVDオーディオ、アナログディスクなどの優れた録音ソフトを販売するコーナーがある。ベンツマイクロ(BENZ MICRO)のカートリッジは、そのソフトコーナーとステレオ試聴室の間の、レンガ作りの柱に埋め込まれた、鍵のかかったショーケースに、まるで宝石のように展示されている。
 これらの美しいカートリッジは、数多くの製品の中からレフィーノ&アネーロが特に推奨しているものだ。ベンツマイクロ社は20年前にスイスに設立され、本社はチューリッヒから北へ40kmほどのノイハウゼン(Neuhausen)にある。光学精密機械の熟練されたスタッフの精密技術とスイスならではの厳格なテストによって優れた製品が送り出されている。
 なお「GLIDER L2」以上のカートリッジには特性表が添付され、水準器、ドライバ ー、スタイラスクリーナー・ブラシが付属している。

LP EBONY (MCカートリッジ)
価格 399,000円(税込)

 「LP EBONY」はベンツマイクロの新しいフラッグシップモデル。その名は、ボディケースがアフリカのモザンビークで育った樹齢100年以上の黒檀(エボニー)で作られていることによる。パイプでお馴染みのブライアウッドに比べても格段に剛性が高い黒檀材の性質が、その再生音の密度感の高さ、スピード、力感に大きな影響をあたえているようだ。資料によると、発電機構は同社のトップモデル「RUBY 2」の技術を基本とし、コイルの巻きが左右対称となるよう工夫を施すことで位相管理を徹底させ、巻数を減らして応答性を向上させている。さらに、スタイラスとカンチレバーのサスペンションにも十分なチューニングが施されている。なお、貴重な資源である黒檀を採用しているため、その生産数は限定されるそうだ。

LP EBONY (MCカートリッジ)
Champion Magunum

仕様
形式:MCカートリッジ
出力:0.28mV at 3.54cm/s
インピーダンス:38Ω
周波数特性:10〜50kHz±1dB
チャンネルセパレーション:35dB以上(1kHz)
適正針圧範囲:1.8〜2.2g
ボディ:エボニー(黒檀)
カンチレバー:0.28mmソリッド・ボロン
スタイラス:鏡面仕上げラインコンタクト・ダイアモンド
重量:10.7g
製品の詳細は:ユキム ホームページ
  発売:ユキム
SERIES 2
 レスポンスとトラッキング能力を大幅に改善し、発電効率も20%高めたカートリッジと、フォノ・プリアンプを含む、ベンツマイクロが持てる力のすべてをつぎ込んだシリーズ製品。
LP EBONY (MCカートリッジ)
価格 315,000円(税込)

 コイル・コアにスクエア・ルビーを採用したトップ・モデル「RUBY2」の後継モデル。「LP EBONY」で採用されたコイル巻きが左右対称にした位相管理の徹底、巻数を減らして応答性を向上させるチューニングを受け継いだ。ボディは高級パイプなどの素材として知られるブライアーウッド。
RUBY 3 (MCカートリッジ)
RUBY 3

仕様
形式:MCカートリッジ
出力:0.28mV at 3.54cm/s
インピーダンス:38Ω
周波数特性:10〜50kHz±1dB
チャンネルセパレーション:35dB以上(1kHz)
適正針圧範囲:1.8〜2.2g
ボディ:ブライアーウッド
カンチレバー:0.28mmソリッド・ボロン
スタイラス:鏡面仕上げラインコンタクト・ダイアモンド
重量:10.2g
製品の詳細は:ユキム ホームページ
  発売:ユキム
REFERENCE 3 SILVER(MCカートリッジ)
価格 210,000円(税込)

 「REFERENCE 2」のピュア・アイアンクロス・シルバーワイヤーをそのまま踏襲し、新たに「LP EBONY」
「RUBY3」で採用された技術を導入した後継モデル。ボディはブライアーウッド。

REFERNCE 3 SILVER
REFERNCE 3 SILVER

仕様
形式:MCカートリッジ
出力:0.30mV at 3.54cm/s
インピーダンス:8Ω
周波数特性:20〜20kHz±1dB
チャンネルセパレーション:35dB以上(1kHz)
適正針圧範囲:1.7〜2.0g
ボディ:ブライアーウッド
カンチレバー:0.28mmソリッド・ボロン
スタイラス:鏡面仕上げラインコンタクト・ダイアモンド
重量:9.0g
製品の詳細は:ユキム ホームページ
  発売:ユキム
WOOD L2(MCカートリッジ)
価格 147,000円(税込)

 スタンダード・モデルとして人気の高かった「L0.4」のヴァージョンアップモデル。蓄積された技術を受け継いで、進化した新しいスタンダードと呼ぶにふさわしい製品。

WOOD L2(MCカートリッジ)
WOOD L2

仕様
形式:MCカートリッジ
出力:0.30mV at 3.54cm/s
インピーダンス:12Ω
周波数特性:20〜20kHz±1dB
チャンネルセパレーション:35dB以上(1kHz)
適正針圧範囲:1.8〜2.2g
ボディ:ブライアーウッド
カンチレバー:0.28mmソリッド・ボロン
スタイラス:鏡面仕上げラインコンタクト・ダイアモンド
重量:9.0g
製品の詳細は:ユキム ホームページ
  発売:ユキム
GLIDER L2(MCカートリッジ)
価格 105,000円(税込)

 「シリーズ2」の技術的恩恵を受け、レスポンスとトラッキング性能を大きく向上させた。軽量化された低出力タイプ。スーパー・レゾリューション、ハイスピードが持ち味。スイス・インダストリアル・グループによる24k Goldプレートを採用。

GLIDER L2(MCカートリッジ)
GLIDER L2

仕様
形式:MCカートリッジ
出力:0.3mV at 3.54cm/s
インピーダンス:12Ω
周波数特性:20〜20kHz±1dB
チャンネルセパレーション:35dB以上(1kHz)
適正針圧範囲:1.7〜2.2g
ボディ:アルミニウム・オープンフリー・フローティング
カンチレバー:0.28mmソリッド・ボロン
スタイラス:鏡面仕上げラインコンタクト・ダイアモンド
重量:6.8g
製品の詳細は:ユキム ホームページ
  発売:ユキム
ACE L/M/H(MCカートリッジ)  ACE Mono(MCカートリッジ)
価格 68,250円(全タイプ/税込)

 アルミ・フレームとアクリルにGLIDERのジェネレーターを組み込んだコスト・パフォーマンスに優れたエントリーモデル。出力の異なる3種類がある。また、モノーラル盤専用のタイプ「ACE Mono」も発売された。

ACE L/M/H(MCカートリッジ)  ACE Mono(MCカートリッジ)
ACE H/M/L ACE MONO

仕様
形式:MCカートリッジ
出力
 L:0.3mV at 3.54cm/s
 M/Mono:0.8mV at 3.54cm/s
 H:2.5mV at 3.54cm/s
インピーダンス
 L:12Ω/M:24Ω/H:95Ω
周波数特性:20〜20kHz±1dB
チャンネルセパレーション:35dB以上(1kHz)
適正針圧範囲:1.8〜2.2g
ボディ:アルミニウム・オープンフリー・フローティング
カンチレバー:0.28mmソリッド・ボロン
スタイラス:鏡面仕上げラインコンタクト・ダイアモンド
重量:8.8g
製品の詳細は:ユキム ホームページ
  発売:ユキム
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