「雪が多すぎる」。
今年はどこへ行っても、答えはこれだ。
じゃいつになったら、と聞くと、「その答えは雪の下だ」などと哲学的なことをいう。
そんなわけで、6月はじめに長野県飯山を訪れたときは、もうすっかりあきらめていたのだった。
いや、人生に春が来ないことを、あきらめたのではない。タケノコである。
タケノコといっても、かぐや姫が生まれ出てきたあの太い竹ではなく、もっと細いやつ。ネマガリダケのタケノコのことである。正式名称は、チシマザサ。山陰の一部から北陸、中部山岳、北信州、東北、北海道など、主に日本海側に分布する。
雪の降る地域に生える笹である。そして、豪雪地帯ほど太いタケノコが顔を出す。
これが分布する地方では、タケノコといえばネマガリダケを指す。そして、絶対的自信を持って、孟宗竹や真竹のタケノコより、こっちがうまいという。
違いのわからない男である僕は、どっちも大好きだ。 |
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