松崎では、『ヴィラ扇』(※1)に宿泊することにした。 5年ほど前、知り合いを通じてこの宿に寄ることがあった。そのときは泊まらなかったが、オーナー細田さんの淹れてくれた深煎りコーヒーの味が忘れられなかったのだ。いい匂いがするいつか泊まりたい宿、という僕の引き出しにしまってあったところだ。 その直感は、大正解だった。 決して豪勢ではないが、静かで気が利いている。部屋も、お風呂も、そして料理も。 食事のとき、食堂ににぎりこぶしほどの「玉」がいくつも飾ってあるのに気がついた。いろんな色のその「玉」たちは、それぞれがつやっぽく輝いている。 細田さんに聞いてみると、光る泥だんご「アースナロダンゴ」だという。 なんでも松崎は、「左官の神さま」とまであがめられている入江長八の出身地である。そこで、左官職とともに漆喰を見直そうではないか、と細田さんたちが動き出した。しかも、漆喰は二酸化炭素を吸いながら固まっていく。漆喰は温暖化防止に役立つ。この玉は地球を救うのだ。と、泥だんごを作っているのである。 |
 |
 |