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山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第二十二話 9月20日更新
アキバから、わずか45分 稲穂が風に揺れる豊かな田園風景を走る

青空の下、ゆらゆらと揺れる稲穂でも見たいなあ。でも坂が多い場所は嫌だし、移動のために電車で4時間もかける気はしない。どこか気軽に出かけられる場所はないか?

なんて思い、地図と時刻表をぺらぺらとめくってみた。すると『つくばエクスプレス開通一周年』の文字が目に飛び込んだ。所要時間を調べると秋葉原から、つくばまでは最速で45分。しかも朝一番から、本数も多い。行き先を茨城県つくば市に決め、ネットを頼りに情報を収集した。

朝6時すぎに自宅を出発。今回の相棒は折りたたみ自転車。折りたたむのに20秒とかかからないr&mのBD-1だ。日比谷線の中目黒駅でサッと折りたたみ、専用の袋を被せて電車に乗る。およそ30分でアキバこと電気とオタクの街=秋葉原へ。日比谷線とつくばエクスプレスの駅は、少し離れているので、一度地上に出て自転車を組み立て移動した。こんなときに、折りたたみ自転車の利便性を痛感する。

田園風景を眺めながら、のんびりと走れる自転車道つくばりんりんロード。今回は、藤沢から北条付近まで走った
秋葉原・つくば間は、片道1150円。駅舎が新しいので、エレベーターやエスカレーターが充実している点もうれしい

初めて乗るつくばエクスプレスの印象は、スピードの速さと静かさが新鮮だった。快速なら、わずか45分でつくば駅に達する。本を読みながらの快適な移動は、あっという間。

駅を降りるとショッピングセンターが建ち並ぶ近代的な街並みが広がっていた。そこから自転車に乗ってツーリングをスタート。土浦学園線という幹線道を東へ。一本裏道へ入ると景色は一変。すぐに里山や田んぼが目に飛び込む。そこから先は、広大な田園風景が続いた。桜川を越えてすぐに、通称『つくばりんりんロード』という岩瀬土浦自転車道へ。土浦市から旧岩瀬町まで筑波鉄道の廃線跡をそのまま舗装して作ったサイクリングロードだ。道幅は4メートルほどあり、自転車のすれ違いに気を遣うこともない。途中、駅の跡地には1段高いプラットホームがそのまま残されているのがおもしろい。駅舎は残っていないが、ベンチやトイレなど、休憩施設が整っている場所もある。

ロードレーサーに乗った人から、ママチャリに乗った近所の人まで、ゆったりとサイクリングを楽しむ、つくばりんりんロード 沿道には美しい花が咲いていた。サイクリング中に鮮やかな花が視界に入ると、脳の中になんともいえぬ心地よさが広がった つくば周辺は、米の名産地でもある。刈り入れを待つ稲穂が頭をたれ、ゆらりと揺れていた。秋らしさを実感

道の両側に広がる田んぼでは、稲刈りの真っ最中。途中、休憩しながら、おじさんたちが稲刈り機を巧みに操る様子を眺めて過ごした。北条という町で静かなサイクリングロードを外れた。そこから先は、日本の道百選に数えられる、つくば道を行く。旧い町並みは大半が昭和の建造物。数は少ないが、白い土壁の町家や蔵など江戸の時代を感じさせる建物も見られた。その道は筑波山に向い、一直線に伸びていた。徐々に斜度が急になり、最後は前輪が浮くほどの急坂に。道は容赦なくまっすぐに引かれている。体感だが14パーセントはあると思う。大汗かいて筑波山神社入口まで上った。観光案内所前から、もやがかかっているものの、はるか下界を見渡す。ここを苦労して上ったと思うと、旅の満足度もぐんとアップする。

つくば道の途中、北条の町で。行く先には筑波山を望む。どこまで上ろうか……
序盤こそ斜度は緩かったが、つくば道の試練はここからはじまった。この鳥居を超えるとゲレンデの作業道のような激坂になる

帰りは斜度の緩い西側へ下る一般道を通り、りんりんロードへ出た。「こんにちは」。ヘルメットを被りロードバイクに乗った人たちと挨拶を交わすのも、もう慣れたもの。爽やかな秋風を感じ、広い広い田園風景を眺めて走ると、心の底から気持ちよく、癒されていることを感じられた。どこまでも平らでまっすぐ。しかもサイクリストは多すぎない。静かで、空気がきれいで視覚的にも楽しめる。りんりんロードは、関東屈指の魅力に溢れるサイクリングロードと確信した。

自転車で走った距離は、およそ34キロ。都内の自宅を出て帰宅するまでトータル10時間。折りたたみ自転車とつくばエクスプレスの組み合わせで、貴重な日曜日を充実感いっぱいに過ごすことができた。満足、満足!

朱色の鳥居がある筑波神社入口まで上った。自販機でコーラを買って一服。下界には、田園風景が広がっている。ふ〜っ 今回使ったBD-1。折りたたみの簡単さと、スポーツ車らしい走りを高いレベルで両立している。この自転車だから、電車と組み合わせた旅が気楽にできるのだ
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