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山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第二十一話 9月6日更新
味覚と建築の街・函館を自転車で行く 気がつけば、自転車に乗った普通の観光客に…

ビーパル本誌主催のサマーミーティングが北海道八雲町でおこなわれた。幸いにも、その帰りに、1泊して函館に滞在できる時間がとれた。そこで、イベントのために持ち込んだ折りたたみ自転車に乗り、函館をぶらぶらと散策することにした。
今回はイベント取材の流れで、シューヘーさんことカメラマンの藤田修平さんも同行。じつは仕事仲間の間では、一緒に組むと「収集つかない修修コンビ」と、オヤジギャグのネタにされるほどの最強(?)タッグだったりする。

函館には、港から函館山に向かって名前のついた急坂が18本ある。石畳を踏みしめ上り振りむくと、静かな港の景色が広がる。美しい街だ

朝7時に起きて、まずは函館名物の朝市へ出かけた。どこの店先にも活きのいい魚介類が並び、店員さんが陽気に話しかけてくる。うっかり美人店員さんに釣られて試食の毛ガニを手にしてしまった。結果は単純。笑顔に負けて、予定外のお土産を買う羽目に……。
函館は漁師のみならず店員さんも釣りの名手がそろうので気をつけたい。
その後、朝市の食堂に入りウニ丼で朝食。いけすで泳ぐイカも注文。イカの吸盤が口の中にくっつくほどの新鮮さと美味しさで、すっかり目は覚め胃袋の充電も完了した。

函館名物朝市に出かけた。内部は、道が細いので自転車を近くに置いて歩く。しっとりとした感じの美女の笑顔にやられ8,000円近くを出費。痛っ! お土産を買った店で教えてもらった食堂のウニ丼は1,900円。新鮮なウニは甘くほろ苦い。もちろん防腐剤の味なんてしない イケスから取り出してすぐに調理してくれるイカ。コリコリとした歯ごたえに、クネクネとイカが身をよじらせ応えるほどフレッシュ

港の近くにある古い倉庫を改装した店舗が開く10時を待って出かけた。ここでシューヘーさんが乗るレンタル自転車を借りるため。黄色いママチャリが、妙に似合う。
その後は、気の向くままに自転車2台でノロノロと走った。函館は、洋館や教会など歴史的建造物が数多く残されていることで知られている。しかし、今回走って気づいたことは、保存されるほどではないが、古くて素敵な木造の洋風民家が多いこと。水色や緑に塗られた木造2階建てに木枠の窓。いい具合にサビたトタンの家もあった。そんな古い民家を改装し、店舗にしたカフェなどもあり、異国情緒をたっぷりと味わえた。

函館には路面電車も走る。線路にタイヤを取られるため走りにくいが、この電車が街の雰囲気を和ませているような気がした
ペンキを塗ったような建造物になぜか心惹かれた。函館の理容室は、交差点の角にあることが多い。なんでだろう? 今は店を閉めてしまった自転車店の跡。建物や看板に昭和の名残りを感じる。町中、いたるところに名もないモニュメントが点在する
今は一大ショッピングゾーンになっている函館のランドマーク=金森赤レンガ倉庫。地ビールを出す店や、美術館、土産物屋などが入っている

気温は30度を越していたが、それでも湿度が低くサラッとしている。暑い時期の自転車散歩に相応しい街と感じた。たしかに坂も多いが、実際に走ってみると、どの坂も短いのでたいしてキツくない。それに、元町の北西側から坂に対して90度に交わる横道を選んで上れば、さらに斜度は緩く、楽して坂の上へとアクセスできる。坂の上で、ふと振り返ると、いつもシューヘーさんは真っ赤な顔をして息を切らしていたような気はするが……。
変速機付きの自転車なら楽勝。変速機のないママチャリでも函館の坂を上れることをシューヘーさんは身を持って証明してくれた。感謝。

ボクたちは、カメラを出しては好き勝手に有名無名の旧跡を撮影した。廃屋寸前の家や砂利道の路地や猫など、この街には写真に残したくなるような温かい被写体が溢れていた。
歩いて回るには広すぎるけど、自転車なら無理なく短時間で十分にまわれる規模。雪のない季節の函館は、自転車天国だ。そして、食の宝庫でもある。1泊2日で海鮮丼を2回、ラーメン、スペイン料理まで、美味しい函館を堪能した。
そして、東京へ帰ると自転車に乗ったにもかかわらず、体重が増えていた。

今日の1枚。古い建物と自転車の組み合わせは、不思議なほど絵になる。「オレは自転車より女の子を立たせて撮りたいよ」とシューヘーさんはつぶやいた 黄色いママチャリでご機嫌に飛ばすカメラマンのシューヘーさん。どう見ても、地元のヤンキーだ
(撮影=藤田修平)
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