おとなのたまり場 > もういちどBE-PAL > 山本修二の自転車日記
もういちどBE-PAL
もういちど自転車自転車達人マニュアル
山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第二十話 8月16日更新

珍しく仕事が早く片付いた。時間は午後6時。外はまだうっすらと明るい。急いでメッセンジャーバッグにカメラを詰め込み、愛車BD-1(折りたたみ自転車)とともに自宅を出た。

最初に向かったのは、自分が通った中学校(今は廃校)の前にある世田谷公園。部活のあとにベンチに腰掛け仲間と話し遊んだ思い出の場所。ここの野球場のバックネット越しに見る照明と夕日の風景は、今もボクの癒しスポットであり続けている。中学生の頃、この景色が雑誌でしかみたことのないロサンゼルスの夕景にソックリと感じていた。ところがこの日は、夜の野球場利用者がいなかったらしく、照明は灯されなかった。残念!

今回は、ひとりで東京の夜を走った。物事を考えるにはいいけど、ちょっと寂しかったかな。次は、誰かと一緒に走りたい
渋谷区にあるイスラムのモスク。トルコの建築家が来日して建てたという美しい建造物。夜はいっそう美しさと神秘的な魅力を増す

そのまま帰るのももったいない。夕方から夜に移り行く東京を走り、思いつくだけの夜景ポイントをまわることにした。少し移動した渋谷区西原周辺では、建物の間から見える新宿副都心を眺めた。写真を撮っていると、「きれいね〜」なんて、普段は下を向いて歩き通り過ぎるだけの仕事帰りの通行人たちが、そんなことを呪文のように口々に唱えていった。毎日通ることで気にも留めなくなった景色でも、こうして誰かが記録している姿をみることで、あらためてその価値に気づかされるのだろう。

夜の明治神宮絵画館前広場は、驚くことに人だらけだった。ざっと200人はうごめいている。何をしているかといえば、演劇やバンドの練習。おそらく、どこかの専門学校の学生だろう。普段は静かで、ライトアップされたこの建物を見ながら缶コーヒーを飲んで過ごすのが好きなんだけど、この日は、さすがにあきらめた。東京の夜って、ほんと眠らない。

ボクの秘密の夜景スポット。住宅街から、いきなり新宿の副都心の光が溢れる。この日は、柳の葉が風にゆらいでいた 明治神宮外苑の絵画館。今年、築80年を迎える洋館。夜はライトアップされて美しい 丸の内にある1934年に建てられた明治生命館。昭和の建築物としては初めて国の重要文化財に指定された

皇居、日比谷、東京駅を走った。夜の東京都心部は、さすがに昼間より歩行者や路上駐車も減り走りやすい。その後、永代橋から佃島方面へ、隅田川沿いをゆっくり走った。その様子はまるでニューヨーク。行ったことないけど、たぶんハドソン川からみる夜景はこんなんじゃないかな?

京橋から東銀座にある歌舞伎座にかけての裏道には、心惹かれるいい感じのバーがズラリ。ここで一杯飲んでタクシーで帰るのもありかな、と何度もペダルを止めそうになった。しかし、まだ21時過ぎ。ゴールには早いので、もう少し走ることにした。

1914年に完成した東京駅も夜の照明に輝く。レンガの色が美しい

デートのカップルしかいない晴海公園で東京湾の夜景を眺め、そこからお台場方面へ。晴海通りから有明に向けて延伸したばかりの道を歩く人はいない。歩道は舗装されたばかりで走りやすい。途中の橋からは、お台場、レインボーブリッジなどの夜景を一望にできる。ひとりで来たことをちょっとだけ後悔した。ここはカップルで来て語らうのに相応しい場所。晴海公園より、ずっと静かで落ち着ける。何かあったときのために、一応ブックマークしておくか!?

隅田川沿いの遊歩道へ降りると永代橋が鮮やかに輝いていた。川面に反射する光もまた幻想的

さらに有明、お台場まで走った。時計を見るといつのまにか23時を過ぎていた。自転車を折り畳み、りんかい線の国際展示場駅から電車に乗る。JR埼京線に乗り入れるその路線で、ゆったり座ったまま恵比寿駅まで移動。そこから、のんびり自宅へと走った。
暦の上では、もう秋。しかし残暑は続く。もしも仕事が早く片付いたら、秋の夜長を自転車に乗って涼しく過ごしてはいかがだろう? たとえ見慣れた町の風景でも、昼間とは違った発見があるに違いない。秋が深まれば、自転車で月見でも行ってみるかな。

隅田川から望む佃島リバーシティ21。隅田川沿いの遊歩道は、昼はもちろん、夜の自転車散歩にもいい 晴海埠頭から豊洲埠頭にかけて開通した新しい道。晴海大橋の上は、夜景観賞の一等地。ただし、自転車か歩行者しか、立ち止まってみることはできない
自転車達人マニュアル
ページトップへ
最新の日記へ戻る →
もういちどBE-PALトップへ