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山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第十六話 6月21日更新
折りたたみ自転車で走るロンドン/後編 自転車さえあればわが町同然。気ままに都市散策
ブロンプトンのファクトリー・ツアーを終え、日本からの参加者たちは、それぞれに移動を開始した。ギネスの故郷ダブリンを訪ねる人、スイスまで新しいパーツの買い付けに行く人、ロンドンでミュージカルを観る人などなど。みな、笑顔でホテルをあとにした。ボクはといえば、ブレントフォードのホテルに居残り。あと2日間をここで過ごす。ブロンプトンに乗り、ロンドンを走りながら好きな写真を撮るのが目的だ。

ところが滞在した時期の天候はひどいもの。朝晴れていたかと思うと、すぐに曇りだし、やがて豪雨に。その5分後には、また晴天になったりする。そんな気まぐれな天気でも大丈夫。ブロンプトンには、ちゃんと泥除けがついているし、雨具も持参した。雨なんかに負けずロンドン中心部を目指した。
ハイドパークで。映画などでお馴染みのガダバウトチェアと同じ生地でできた寝椅子は有料だった。2ポンド(およそ500円)で4時間
電車には、折りたたみシートの車両がある。自転車を持ち込む場合は、ここに陣取るといい。休日は、自転車持参の人でかなり混んでいた/ソーホーにあるフォトグラファーズ・ギャラリー。居心地のいい空間なので人の多い町を移動するのに疲れたら逃げ込みたい癒し系のスペース。入場無料 まずはロンドン市内の電車やバスのすべての路線を自由に乗れるワンデイパスを購入。電車を乗り継ぎ、市中心部のソーホー地区を目指した。もちろん折りたたみ自転車なら、地下鉄への持ち込みは自由。長距離移動は電車を使って楽々。地下鉄の駅から地上に出ると、やはり雨。近くにあった『フォトグラファーズ・ギャラリー』(※1)という施設で雨宿りをすることに。ギャラリーに入ると、この日は日本の写真家の作品展が行なわれていた。施設の中には、写真集をはじめホルガなどのおもちゃ系のカメラを売る店やカフェもある。ゆっくり2時間ほどをここで過ごした。
ピカデリーなど、観光客で賑わう目抜き通りを走る。バス路線は自転車も走れるのだが、あまりのバスの数とプレッシャーにひるみ、路地裏を通りハイドパークへと逃げこんだ。サッカーをする少年、乗馬をする家族など、英国の休日を絵に描いたような場所だった。しばし、芝生の上で寝転び流れる雲を眺めていた。すると、遠くに雨雲が……。逃げるように自転車に飛び乗り、高級デパート、ハロッズの前を通り過ぎヴィクトリア駅方面へ向かった。東京の白金のような高級住宅街のなかに、洒落たカフェやレストランが並ぶエリザベス・ストリートへ。おいしそうなカフェを兼ねたチョコレート屋さん『チョコレートソサエティ』(※2)があり、ついつい寄り道してしまった。カフェラテを1杯。こんな美味しいカフェラテは、東京でもなかなか飲めない。美人店員さんの笑顔に負け、お土産にチョコレートを買うことにした。気がつけば5000円近い出費。さすが高級店でした。
ブロンプトンは、後輪をクルッと前に折りたたむとスタンド代わりになって自立する。店の前に置くのにほんと便利。ここがチョコレートソサエティ/チョコレートソサエティで買った板チョコと、フォトグラファーズ・ギャラリーで買った写真集。自転車つながりで選びました
名所旧跡もおさえてみた。バッキンガム宮殿前は、世界中の観光客が押し寄せていた/ブレントフォード近くの静かな公園をぶらり。観光客の多い中心部に疲れたら郊外へ行くのが正解
さらに50メートルほど離れた場所にあるパリの有名なパン屋さん『ポワラーヌ』(※3)の支店でも買い物。メッセンジャーバッグが文字通りパンパンになった。外は、まだ雨。結局、3日間とも同じような天気が続き、写真を撮ることよりも、美味しい店を探しては入る、胃袋満喫系の自転車散歩になってしまった。「イギリスの食事は美味しくない」、なんて話を聞いたことがあるが、カフェや小さなデリなどを選んで入れば、食材の持つ自然の旨みを活かした料理に出会えることを悟った。これが今回のロンドン自転車散歩の数少ない収穫かな!? たしかに高級そうなレストランほど、ハズレが多かったし。

ロンドンは、車や人が多く道も狭い。正直、自転車で移動するのは気をつかう。でも街が小さいうえ、公共交通手段との組み合わが自由な折りたたみ自転車があれば、圧倒的な移動効率のよさを手にすることができる。都市と折りたたみ自転車の相性のよさ。これをあらためて体感できた旅だった。
ロンドン市内には、今風のカフェも多い。パブよりも入りやすいカジュアルな店が多く、東京と同じようにカフェメシで胃袋を満たせる
今日の1枚。ロンドンは、安っぽいアルミの自転車が多く、絵になる古い鉄の自転車は稀。これはかなり美しい自転車だった (撮影=山本修二)

(※1)『The Photographers' Gallery』
http://www.photonet.org.uk/
(※2)『The Chocolate Society』
http://www.chocolate.co.uk/
(※3)『Poilane』
http://www.poilane.fr/
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