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山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第十五話 6月7日更新
折りたたみ自転車で走るロンドン/前編 アルコール度9%のビールにノックアウト
久しぶりのカンテツ、しかも成田〜ロンドン便の集合時間は朝9時。そして、およそ12時間の飛行機の移動でも、ほとんど眠ることができなかった。ロンドンのホテルには、現地時間の午後4時過ぎにチェックイン。取材先の会社が主催するウエルカムパーティーの集合時間は午後7時。それまで近所を散歩して過ごした。スーパーでビールや水を買いホテルの部屋へ。集合時間まであと30分。ちょっとなら、と思いビールをひとくち。ハッと気付き時計を見れば夜の10時過ぎ。部屋のドアの下には1枚のメモが残っていた。
「眠っているようなので食事に行きます……」と。

やってしまった! 
1時間ほどして、食事を終えたスタッフがボクの部屋へやってきた。「死んでるんじゃないかと思ったよ」。ノックはもちろん、部屋に電話までしてくれていたとか。あとでビールの缶をみてビックリ。「アルコール度9%ストロング」と書かれていた。イギリスの男たちは、こんなヘビーなビールを飲んでいるのか!?
今回、現地でお借りしたブロンプトン/S2L(207,900円/※1)
現地の移動は皆で自転車。日本を代表する折りたたみ自転車プロショップの面々が揃った 翌朝、なにごともなかったかのように朝食の席に着いた。この事件のおかげか、朝から皆、笑顔で話しかけてくれる。ほかの参加者たちの緊張感をほぐすには、ちょうどいいボケ具合だったのか!? 

今回のツアーは、イギリス・ロンドンで手作りされていて、日本でも人気のあるブロンプトンという折りたたみ自転車の本社工場見学が目的。参加者は、関東にある折りたたみ自転車を得意とするプロショップ4店のスタッフ、それにブロンプトンの輸入元、そして、プレスでは唯一ボクが参加した。
ブロンプトンの本社はヒースロー空港やキューガーデンに近いブレントフォードという町にある。ロンドン中心部からは約12キロ、すぐ近くにテムズ川が流れる。54人のスタッフで折りたたみ自転車だけを年間16000台生産する。イギリスでは、パシュレイに次ぐ2番目に大きな量販メーカーだ。創始者は、この自転車を発明したアンドリュー・リッチー。彼は、今もこの会社の代表を務める。

そんなアンドリューやスタッフに連れられ工場内を見学した。パイプのカット、曲げから、小さなパーツの組付けまで、ほぼこの工場内で生産されている(塗装だけは国内の別会社に委託)。それも、ほとんどの工程が手作り。台湾の工場へ委託し量販するのが主流の自転車業界において、イギリスのそれもロンドンで、こんな風に手作りされる自転車があること自体、驚かされずにいられない。
ブロンプトンの創始者アンドリュー・リッチー。細部に至るまでオリジナル部品で構成されていることを熱弁していた
ファクトリー・ツアーは2日間に及んだ。工場はそれほど広くないが、丁寧な説明、熱心な質問で、皆がひとつの製品について熱く語り合った 溶接の工程。手作業で生産されている。日本で買えるブロンプトンも、もちろんこの工場から出荷されている
ロンドンといえばパブ。雨が降ったらちょっと1杯。疲れたらもう1杯。お腹が空いても1杯。よく飲んでよく走った。日本ではできない大人のお楽しみ 工場見学を終えると、皆でブロンプトンの自転車に乗ってロンドン市内へ繰り出した。地下鉄駅まで出かけ、折りたたんで移動。そのあとはバッキンガム宮殿、ロンドンアイなど名所を巡った。途中、パブやレストランに入るときには、全員が自転車を折りたたみそのまま片手に抱えて店内へ。他の客は少々驚いていたが、おとがめなし。聞けば、ロンドンではブロンプトンが特例的にどこでも持って入れる自転車として黙認されているのだとか。唯一、バスだけがカバーを被せる約束になっているそうだ。「折りたためば手荷物だからね。店にはいるときは、自転車ですよーなんて断る必要はないんだ」と現地スタッフ。
そんなわけで、「疲れたね」と誰かが言えばパブに入り一杯ひっかけツアーは続いた。ロンドンじゃ、自転車の飲酒運転は問題ない。もちろん、自分で安全に走れるレベルで抑えるのが大人。もちろんボクはアルコール度9%ではなく、軽いピルスナーを選びました。
(次回後編へ続く)
ロンドアイという観覧車からテムズ川、ビッグベンを見下ろす。それほど大きくないロンドンの街は、折りたたみ自転車があればかなり効率よく移動できる 今日の1枚。ブロンプトンは、16インチという小さな車輪+αのコンパクトサイズに畳める。しかも15秒ほどで
今回の参加者。トラファルガー広場で記念撮影。それにしても雨の多いツアーだった
(撮影=山本修二)
(※1)
 
『ブロンプトン』
問合せ先:ミズタニ自転車 TEL03-3840-2151
http://www.mizutanibike.co.jp/
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