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山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第十三話 5月10日更新
どこまでも、ひたすらペダルをこぎ続けたい そんな思いのままに走ってみた
思いついたのは金曜の晩だった。ヘトヘトになるまでペダルをこぎ続け、一日中自転車に乗って過ごしたいと。そういえばここ数ヵ月は仕事に追われ、まともに自転車に乗れずにいたっけ。早速、地図を広げルートを探した。今の自分の体力だと平均時速20キロがいいとこ。8時間走ったとして160キロ。休憩を含めて10〜12時間近く遊べる計算だ。この時間と距離にピタッときたのが三浦半島だった。

東京・渋谷に近い自宅を土曜の朝6時過ぎに出発。途中、多摩川の土手からは真っ白に雪化粧をした富士山がクッキリとみえた。ちょっとラッキー。綱島街道を走り横浜へ。高層ビルや観覧車がそびえる「みなとみらい」には1時間20分ほどで着いた。意外に近かった。コンビニでサンドイッチを買い、港を見ながら朝食をとり、あわただしく出発。古いホテルの建物や、淡い緑に輝くイチョウの新芽が視界の中をヒュンヒュンと流れてゆく。そんな山下公園前の通りを過ぎゆく風景が、頭の中でツール・ド・フランスの映像とオーバーラップした。
早朝の横浜みなとみらい21エリア。空いている道路、澄んだ空気に早起きのメリットを感じた
国道16号線を走り横須賀市内へ。小泉首相の事務所近くにある『中井パン店』で朝食を買った。 横浜から横須賀までは国道16号を走った。比較的太い幹線だが、並行して走る産業道路や高速道路が整備された影響か、大型車両が少なく走りやすかった。横須賀では25年前に食べた記憶があるパン屋さんを偶然発見した。1個100円のやきそばパンとコロッケパンを買い、近くの公園で食べた。横須賀駅周辺の表通りには近代的なビルが並び、ちょっと寄り道したドブ板通りの風景は、昔のような危険な香りが薄れていた。それでも、ここのパンの味は昔のまま。変わらないって素敵なことだ。なんて思いつつも先を急ぐ。
観音崎、三浦海岸、三崎を経て葉山へ。海の上に浮かぶシーカヤックや風になびくヨットのセイル、それに江ノ島を見たとき、「あー、ついに湘南まで走っちゃったよ」と、小さな感動が湧き上がった。その後、空腹でペースが落ちたので3度目の食事をまたしてもコンビニですませた。何せ時計をみたらもう15時前。かなりペースをあげないと、夜の幹線道を走ることになる。事故のリスクを減らすには、やはり日中走行が基本。シャカリキにペダルを踏んだ。 三浦半島を海沿いに走り観音崎へ。ここもそうだが、道中には色とりどりの小さな花が咲いていて視覚的にも春の彩りを感じられた
観音崎から海辺を通り、鴨居という町の小さな漁港をはじめて通過した。採れたてのコンブが天日に干されていた。ちょい臭い 谷中には公園のような休む場所が少ない。人通りの少ない階段でちょっとお休み
逗子、材木座を通過。ほんとうは藤沢まで走って帰ろうと思っていたのだが、残り時間を考え、鎌倉で折り返し横浜方面へ。走行距離も100キロを越え、ここまでなんでもなかった短い上り坂でさえも息が切れ、足がつりそうに……。関内駅前から横浜駅前へ。復路は川崎まで国道1号を走った。薄暗くなりはじめた多摩川サイクリングロードを経由し、世田谷を抜け18時30分に自宅へとたどりついた。ほぼ予定通りの12時間の旅だった。走行距離は、およそ172キロ。サイクルコンピュータに記された走行中の平均速度は時速19キロ強。肩は凝り、足はパンパンだけど、久しぶりにしては、まずまずのペースだ。それに充実感もタップリ。
クルマに乗って高速道路を使わなければ行けないと思っていた場所に、自転車でも到達できる。それも楽しく。そんな事実を自分の足と体で確認できる道具。それがロードバイクなんじゃないかな? ま、ボクにとっては、自分を解放しビールを美味しく飲むための道具なんですけど……。
『今日の1枚』は、宮川町にあるデンマーク製の風車の下で。ある種、現代彫刻のように異質な存在感を放っていた
葉山、逗子あたりでは、いくつもの小さなセイルが揺れていた。三浦半島西側は湘南らしい、おしゃれな風景が連続するが、人もクルマも多い
 
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