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もういちど自転車自転車達人マニュアル
山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第六話 1月24日更新
古いMTBを再生し、四国・松山へと輪行トリップ 後編/今治から尾道へ。海を渡るサイクリングロードを行く
松山駅で自転車を分解し、輪行袋に入れて特急に乗った。空は、まだ明るい。窓のむこうに瀬戸内海が見え隠れ。今治までの電車旅は35分ぽっち。夕暮れ時、再び自転車を組み立て走り出す。今治駅周辺は拍子抜けするほど静かだった。人もクルマも少ない。土曜だから? しかし、やきとり屋に入るとそこだけは活気にあふれていた。土曜だから!

今治は、「やきとり日本一の町」を宣言している。なんでも、今治市内にはやきとり屋が60軒近くあり、人口1万人あたりのやきとり屋の数が約4.7軒にのぼるそうだ。そんな町のとあるやきとり屋のカウンター席で、ひとり翌日のしまなみ海道完走の前祝いをした。しっかりした歯ごたえと濃厚な味、それにボリュームがあって安い。これが走り終えたあとのビールによく合うこと。
今治名物のやきとりが夕食。やきとり『山鳥』の若大将は、日本屈指のMTBレーサー門田基志さん。これ食べるだけでもいい。また今治に行きたい!
これが便利な、しまなみ海道サイクリングチケット。サンライズ糸山(今治)、尾道駅前港湾駐車場(尾道)などで買える。料金は500円 やきとり「山鳥」 愛媛県今治市末広町1−4−7 TEL:0898−22−7188 営業時間 17:00〜23:00 定休日:月曜日
日曜の朝、7時30分にホテルを発つ。まずは、しまなみ海道・愛媛側のゲートウェイ=来島(くるしま)海峡大橋を一望する高台に建つ『サンライズ糸山』へ。ここは宿泊施設とレンタルサイクルなどを完備したサイクリングターミナルという施設。1枚50円のチケットが10枚綴りになった『しまなみ海道サイクリングチケット』を買い、あわせて無料の地図をもらった。6つの橋の通行料は、それぞれ50円から200円。これさえ買っておけば、無人の料金所で必要な枚数をちぎって入れるだけ。50円玉をたくさん用意する必要もない。

自転車がようやくすれ違えるほどの幅しかない細いループ状のサイクリングロードを上ると、すぐに最初の橋となり、しまなみ海道最長の来島海峡大橋に至る。瀬戸内海にポツンポツンと顔を出す島々が遠くまで見える。真下をみると青いグラデーションの海と白い浜、それに島の紅葉が、冬のやや赤みが強い陽に照らされ鮮やかに輝いていた。「なるほど、これが多くのサイクリストを魅了してきた景色かぁ」と、ひとり納得。
橋の上を走るサイクリングロードからは、数え切れないほどの島を眺められる 自転車にできてクルマにできないこと。それは、橋の途中の好きな場所で立ち止まり、写真を撮ったり景色を眺められること。それにクルマは、島と島を渡した橋をつなぐ最短ルートを直線的に走る。しかし、サイクリングロードは違う。必ず島ごとに橋から降りて一般道を走り、情緒豊かな街の風情を楽しめるコースレイアウトになっている。しかも、造形の異なるすべての橋をちょっと離れた場所から眺めるベストアングルのビューポイントを通らせる。コース全長は約80km。高低差は、ひとつの坂につき最大でも100mに満たない。誰でもがんばれば1日で走れる難易度のなかに、これだけの景色の変化を凝縮したサイクリングコースは、日本広しといえそうはない。「世界に誇れるコース」といいたいところだけど、広島に入ってから、このコースのグレードはガクッと下がる。案内図が小さく少なくなり、何度も迷いそうになった。これさえ改善されればなぁ……。
橋から下を覗いてみると、思いがけず美しい風景が広がっていた。ラッキー!
大三島(おおみしま)から多々羅大橋を望む。6つの橋は、ひとつひとつ造形が異なっている
海もビーチも予想以上に美しかった。橋を愛でるビューポイントを必ず通過するのが、このコースの特徴
島々には、古い町並み、寺院、博物館など興味深い観光スポットが多数ある。今回は足早に駆け抜けてしまった
来島海峡大橋に向かうエントランス。自転車と歩行者は一緒だが、原付とクルマは別の道。だから安心して走れる
向島から本州までは自転車を畳まず乗れる小さな渡し船で移動。護岸されたコンクリートの壁が切れると、運河の向こうに尾道がみえた。達成感と疲労感、そして旅が終わる感慨が混ざり、不覚にもキューンときてしまった。

JRで尾道駅から三原駅へ。そこから路線バスで広島空港へ。乗り物三昧な旅だった。今度来ることがあれば、もう少しゆっくり、島で泊まって観光しながら走ってみたい。願わくば大切な人と一緒に。

※しまなみ海道の詳しい情報
http://www.go-shimanami.jp/
向島から尾道までは、橋が細く危険なため渡船を使うようすすめられた。料金は150円。自転車もそのまま積める。行く手に尾道を望む
伯方島(はかたじま)の道の駅で一服。お土産の塩とコーヒーを買ったら、みかんをいただいた。甘くておいしかった 置き忘れられたクルマが、まるで現代彫刻のようにみえた。ボクは時を刻んだこういうオブジェを『置時計』と呼んでいる
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