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もういちど自転車自転車達人マニュアル
山本修二の自転車日記 ママチャリだっていいじゃない。自転車に乗って坂を下れば、ほら気分爽快。ペダルを踏んで前へ前へ。気持ちだけは少年に。自転車に乗って、ジンセイゆるりと楽しみませんか?
第四話 12月20日更新
小春日和の自転車散歩 近所の公園をはしごして、落ち葉を描く
2005年が334日過ぎた日、お気に入りのMTBに乗って自宅を出た。行き先は決めていない。バッグの中にあるのは、青い表紙の小さなスケッチブック1冊と、息子が小学生のときに使っていた水彩絵の具セット。ペダルをこぐたびに、水入れと筆がカバンのなかであたり「コトコトコト…」と繊細なサウンドを奏でる。乾燥した都会の秋の朝をそんな音がゆるませてくれる。

8時30分過ぎ、渋谷区にある鍋島松濤公園へ。かつて佐賀藩主が茶園として使っていたという公園には小さな池があり、畔には紅く染まったイロハモミジが朝陽に輝いていた。そこで、1枚。小さめのイロハモミジの葉を拾い、スケッチブックに挟んだ。

黄檗(きはだ)色に染まったNHK横のイチョウ並木から表参道へ。サクサクという落ち葉を踏みしめる音が静かな朝の都市にしっとり響く。表参道のケヤキは、茶色く焦げたイメージ。スケッチブックに挟むには葉が大きすぎるのであきらめた。
鍋島松涛公園。小さな池にはキンクロハジロがきていた
イチョウの葉のカーぺット。黄檗色の世界にしばし見とれた 見上げれば東京の空も捨てたもんじゃない 300mにわたり146本が植えられた明治神宮外苑のイチョウ並木
明治神宮外苑絵画館前に伸びるイチョウ並木(新宿区)は、東京のシンボル。樹齢95年という木の高さが歴史を物語る。カメラを持った人々が、信号が変わるたびに横断歩道で立ち止まりシャッターを切る。普段は静かな並木が、一番賑わう季節。黄檗色の葉を1枚、またスケッチブックにはさみ、賑やかな並木を離れた。

迎賓館前を通過し、思いつきで千代田区の千鳥ケ淵へ。春に桜の名所として賑わうこの場所の今がどんな様子か、ふと気になったから。紅く染まった葉が風に揺れ青空を染めていた。今度は、紅い葉を踏みしめ、堤の上に残された未舗装路でしばしトレイルライドごっこ。朱と黄色のグラデーションにこだわり、描きたいソメイヨシノの葉を探す。これでスクラップした葉は3枚。もう11時を回っていた。
20数年ぶりの水彩画に自己満足。ま、いっか 四ツ谷のカフェでコーヒーとホットドッグをテイクアウト。行きがけにみつけた迎賓館前の若葉東公園(新宿区)のベンチに腰掛けた。車椅子に乗った老人が日向ぼっこをしていたり、太極拳を楽しむ人もいる。平和な都市の風景だ。自分もそんな風景の一部になってみる。

手早くランチをすませ、集めた葉のスケッチに取り掛かる。鉛筆で葉の輪郭をなぞり、1枚1枚絵の具で染めた。まぶしい太陽の光の下で輝く落ち葉。それに近い色をパレットの上で創意工夫し紙に載せる。そんな楽しい時間を過ごした。ちょうど3枚の葉を描き終えたとき、笑顔で話しかけてくる紳士がいた。手には2枚の葉。ボクの様子をみて、ユリノキの葉を拾いプレゼントしてくれたのだ。奴さんのような形をした葉は、サイズもほどよく、スケッチブックに残っていたスペースに丁度収まった。これで4枚。東京の公園を自転車で巡った小春日和の思い出がスケッチブックに記された。あとは、日暮れまで家路を急ぐだけ。
約1時間30分、スケッチに没頭した 異国情緒香るネオバロック様式の迎賓館を望む カフェは都市サイクリストの憩いの場。この日はテイクアウトで 都会に残る未舗装路で、しばしMTB遊び色だけでなく形も美しいイチョウの葉
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