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僕が野外でコーヒーを飲む理由
20年近く愛用しているミロのドリップ・コーヒー・メーカー(5カップ用)。ペーパーフィルターなしで香り高いドリップコーヒーを味わえる。現在もどこかで売っているだろうか?

これは、20年も前の物語だ。カナダ北部を流れるタチェンシニ川という川を下った夏のできごとである。
早朝からの激しい川下りが終わった夕方、さまざまな状況が交差し、僕は、川下りガイドのばかでかい車をひとりで運転して、ホワイトホースへ走ることになった。約3時間ほどのドライブだ。

そのときが、はじめての左ハンドル、右側通行の運転だった。しかも、車は10人乗りの白いバン。バンというよりは、バスだ。長さはもちろんだが、手を伸ばしても助手席にはぜんぜん届かないほどの横幅がある。
ノートの切れ端に書かれた簡単な地図とクラッカー1箱、それになぜかビール。それが、車の持ち主である川下りガイドが僕に手渡したものだ。ドライブのお供に、と。

中間部に挽いたコーヒー豆を入れる。底は、フィルターの役目をする細かなメッシュになっている フィルター部の上に小さな穴の空いた部位を乗せ、そこへお湯を注ぐ。8個の小さな穴からゆっくりとお湯が豆に落ちていく
小さな穴からお湯がゆっくり落ちることで、豆を蒸らし、香りの高いコーヒーとなる。お湯をゆっくり注ぐ必要がないので、失敗はない

はじめの1時間は、夢中だった。慣れない左ハンドル、右側通行。砂利の道路、まったくやってこない対向車。
やがて広い舗装路(カナダとアラスカを結ぶアラスカン・ハイウェイだ)に入り、対向車が遠くに見えることもあった。人がいる、ということがわかると、落ち着きを取り戻してきた。
しかし、つぎに遠くに見えた対向車が悪かった。なんと、パトカーだったのだ。

その日、僕は日帰りの川下りだったので、パスポートをホワイトホースのホテルに置いてきていた。車を運転する予定もなかったから、国際免許証も持っていない。
頭のなかには、ドラマティックな映画のようなシーンがつぎつぎと浮かんでは消えた。どきどきという僕の動悸は、地平線にまで聞こえるかのような勢いで、車の窓から放たれていたはずだ。足や手は、小さく震えていた。
パトカーとすれ違うとき、お巡りさんと目があった。サングラスの奥から、疑い深い目を僕に向けているのである。

この小型コーヒーグラインダー(4,095円/※1)は、わずか155グラム。バックパッキングに持ち出すことができる重量だ。アメリカンでも、エスプレッソでも、好みにあわせて調整ができる 最近は、すっかりエスプレッソにはまっている。家でも野外でも、気軽にエスプレッソやカプチーノを作ることができる。1カップ用のエスプレッソマシン(3,360円=※1)とステンレスのデミタスカップ(735円=※1)
こちらは、4カップ用エスプレッソマシン(4,830円/※1)

すれ違ってしばらくのあいだも、僕の動悸はおさまらず、動揺を隠すことはできなかった。
そのとき、ふと思い出したのだ。荷物のなかに、コンパクトストーブとペーパーフィルターとコーヒーがあることを。
道ばたの広場に車を停め、僕はさっそくお湯を沸かし、コーヒーを淹れたのだ。

コーヒーの香りがあたりに広がったとき、深炒りの香ばしさがほんとうにありがたいと思った。さっきまで音をたてていた心が、空気が抜けていくように落ち着いていったのだ。
このときのコーヒーの香りを、僕は一生忘れないだろう。

(※1)『エイアンドエフ』 http://www.aandf.co.jp/
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