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ダッチオーブンのシーズニング(慣らし運転)

野外料理といえばダッチオーブンである。アウトドア・クッキングは、ダッチオーブンが大人気なのだ。
しかし、多くの人がこの鉄鍋を買い、料理に失敗し、やがて使わなくなり、錆びてしまったという。物置の奥に眠っているダッチオーブンは、日本中にいったいいくつあることやら。
それらは、ほとんどがシーズニングをちゃんとやらなかったことが原因だ。ダッチオーブンは慣らし運転が必要なのだ。ウォーミングアップなしで、料理を作るとひどい目にあう。しかも、その慣らし運転は、少々面倒くさい。
いろんなキャンプサイトで、お父さんのダッチオーブン料理は鉄臭くて食べられたもんじゃない、という家族の悲痛な叫び声を僕は何度も聞いてきた。
というわけで、ここでは鉄製(鋳物製)ダッチオーブンのシーズニング方法を伝授しよう。

新品のキャストアイアン(鋳物)・ダッチオーブンである。写真のものは、ロッヂ(※1)/ダッチオーブン10インチ 焼いていると、だんだん黒くなってくる

(1)買ってきたばかりのダッチオーブンには防錆用のワックスが塗られている。これを除去する。洗うという手もあるが、野外にいるなら、焼いてしまうのも手だ(室内でやると、部屋中がワックスの焼けた匂いで臭くなり、天井には煤が)。
まずは、空だき。やがてワックスが焼ける黒い煙が出てくる。煙が出なくなるまで焼いたら、火からはずし、布で拭き、冷ます。

(2)鍋が冷めたらオリーブオイルなど無塩の植物油を全体に薄く塗り込む。鍋が冷める前に油を入れると火がつくことがあるので、注意が必要。

(3)ふたたび、焼く。油の焼ける煙が立ちはじめたら、火からはずし、布で拭く。

(4)冷めたら、ふたたび油を塗って(3)を5回ほど繰りかえす。だんだん、鍋が黒くなってくる。ふたにも、同様の作業をおこなう。

(5)香りの強いくず野菜(ネギ、タマネギ、ショウガなど)を炒める。鉄臭さを取るためだ。この作業を2回繰りかえす。せっかく炒めた野菜だから、と食べるのは自由だが、味は保証の限りではない(貧乏性の僕はもちろん食べてみたが、向こう一年は鉄分を取る必要はないだろう、というぐらい鉄味いっぱいの野菜炒めであった)。

(6)最後に布などでダッチオーブンをふき、軽く油を塗っておく。

簡単だが、冷めるのを待ったり、待たずにつぎの作業をおこないやけどをしたり、と手間がかかる。 この面倒な作業を抜きに、ダッチオーブン料理の道を歩き進むことはできないのだ(と、思ったらシーズニング済みのものが売っていたり、シーズニングの必要のないアルミ製のものがあるではないか)。

ふたも同様に、シーズニングが必要だ
塗る油は、オリーブオイルなど無塩の植物油を使うこと
油の焼ける煙が立ちはじめたら、火からはずし、布で拭く。ふたたびオリーブオイルを塗って……、の繰り返しである
シーズニングが終わるとダッチオーブンは、一人前の顔つきになっている。シーズニングは、ダッチオーブンの元服式なのかもしれない。
とすれば、シーズニングを丹念にすることで、この鉄鍋に息吹を吹きこむことができるのだ、とでも書くしかあるまい。
ウォッシュアウトのジーンズを買うか、新品のものを買うか、の違いである。自分で歴史を作るか、人が作った歴史に満足するか、の違いでもある。

さて、シーズニングが終わったら、つぎは調理である。次回更新では、ダッチオーブンを使ったよだれたっぷり料理を紹介しよう。
(※1)『ロッヂ』  http://www.lodge-cooking.com/
thanx to 鈴木アキラ
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